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| 連載/2021年11月号 |
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| 販売促進部が音頭をとって、フランスパンの食べ方を提案する販促を全店舗で実施 - 私の販売集大成ノート(14) | |
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フランスパンは作り手の技術力の差が出る
ポンパドウルは1店舗1工房システムで、ぺストリー窯とフランス窯が併設されている。フランスパンは1時間に1回、1日8回以上焼き上げる事が基本である。フレッシュ感と、そこで製造している安心感をアピールする為に、フランス窯は店外から見える位置に設置された。 フランスパンは小麦粉、塩、水、イーストと、材料はシンプルだが、シンプルであればあるほど作り手の技術力の差が品質に影響を及ぼすことになる。この様なことからペストリー部門で何年か経験を積んだ製造スタッフがフランスパンの担当者に選定された。製造スタッフの中には芸術品と思われる素晴らしいフランスパンを焼き上げる者が何人かいた。 温厚な製造スタッフが「扉を閉めろ」と怒鳴った 入社して間もない頃、忙しさのあまり工房の扉を開けたまま出入りしていた時、何時もは温厚な製造メンバーが形相を変えて「扉を閉めろ」と怒鳴ったが、その時は何を怒っているのか解らなかった。窯入れ直前で布シートに成形された生地が並んでいた。「生地は外気を嫌う。生地が乾いて品質に影響する」と他の製造スタッフが教えてくれた。生地の見立てに拘り、神経を使っていた事が解った。 1978年頃の工房内の空調環境は万全ではなかった。生地は外気を嫌う為、扉は閉めたまま。窯からの放熱の中、室温管理と生地管理をしながらの作業には頭が下がった。 フランスパンの伸び幅はまだ十分にあった 窯出しの時、温度差で表皮が割れパチパチと音がする。この音を「天使の囁き」と言った。工房内に香ばしい香りが漂う至福の瞬間である。フランスパンは生きていた。 しかし、その売上は、掛ける手間暇に比例しなかった。当時の町田店のフランスパンの売上げ構成比率は20%を割っていた。しかし2つの問題点に対応することで伸び幅は十分にあると感じていた。 1つ目はオーダーである。フランスパンは閉店までに売れなければ全て廃棄ロスになる。マネージャーは売上げよりコストに意識が働きオーダーをカットしてしまう。当時の販売ロス比率の基準は売上の1・5%で厳しい目標であった。2つ目はフランスパンは硬いというイメージに、販売部門が十分に対応しなかった事である。これらの問題はその後も継続して改善課題となった。 フランスパンの食べ方提案の販促を行った パリ在住の友人が流行っているフランスパンの食べ方を教えてくれた。中身を刳り抜いて皮の裏側にバターや好みの食材を塗って食べるとのこと。直ぐに食べ方提案として売り込みコールで活用した。試食したがこれが行ける。ビールと合わせて一度お試しを。 イタリアンレストランではパンに付けるオリーブオイルがテーブルに置いてあった。これにヒントを得て、瓶入りのオリーブオイルをレジ付近で販売した。納品業者が品切れを心配するほどの売れ行きだった。勿論フランスパンを売るのがメインであることは言うまでもない。 1996年販売促進部発足後、全店舗規模でサンドウィッチの販促を行い、次に実施したのがフランスパンの販促である。テーマを「フランスパンの食べ方」として各店舗から提案を募った。30以上の応募があり、選定後社長承認を得た。販促ツールのパネルを作成し全店舗に送付した。 客の動向に沿った製造スケジュールの重要性 ミルクに浸して食べる、輪切りにして餡子を塗る、アイスクリームをのせる、輪切りにして味噌汁に入れ具として食べる、等々のアイデアが寄せられた。下手物のように思われた提案も、試食すると意外な味を醸し出した。こうして各店舗を巻き込みながら実施した販促活動は、売上向上に寄与しつつあった。販促活動は同時に、お客様の動向に沿ったオーダー作成の重要性をマネージャーたちに改めて意識させた。この意識変革に、その後の期待が膨らんだものである。 超ロングヒット商品の1つにフランスパンの「チーズバタール」がある。久しぶりの味は初めて食べた四十三年前と変わりはなかった。人気商品であり続けており、昨年全店舗で「チーズバタール誕生祭」が行われた。 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。 |




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