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| お店拝見/2002年4月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 個性的でなければ将来はない - ブーランジェリー・トースト | |
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東京・巣鴨のブーランジェリー・トーストは、5年前にリニューアルオープンした。コンビニなどとの競合による売上減少を打開しようと、ベーカリーとしての新機軸を打ち出しての新装開店だった。しかし、思ったほど順調にはいかなかった。土屋正博オーナーシェフのさらなる挑戦が始まった。
住所東京都豊島区巣鴨1‐19‐10土屋ビル 電話03-3943-2345 営業時間午前9時〜午後9時 定休日日曜、祭日 |

| リニューアルして方向転換、ベーカリーの強みは何か? | |
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「ベーカリーとしての強みは何かをとことん考えていかないと、コンビニや牛丼店、弁当店などとの競争になってしまう」
オーナーシェフの土屋正博さんは噛みしめるようにこう話す。 7年前、通りを挟んだ向かいにコンビニができてから、調理パンなどが売れなくなった。その2年後、ビル建て替えと店舗リニューアルのために1年間休業していた間、土屋さんは、首都圏の有名ベーカリーを熱心に見てまわった。フランス・パリへもベーカリーを見学に行った。計数管理を体感するためにコンビニでも働いた。 リニューアル後、ハード系のパンに力を入れた。休業中に学んだライ麦100%のパン「ロッゲンシュロートブロート」(680円、レシピを10ページに掲載)、全粒粉とライ麦粉を15%ずつ配合した「ひまわりの種のパン」(280円)などを商品化した。 土屋さんは「最初の半年から1年は売れませんでしたが、最近はかなり認知されてきました。今ではライ麦100%のパンもそれなりに売れていますよ」と話す。「ライ麦パンについては、外国人の固定客が多くなりましたね」とも。 大きな平台には、しっかりと焼き込んだハースブレッドが所狭しと並び、来店客を圧倒する。 調理パンについても検討を重ねた。くるみパンやライ麦パンなどの特徴あるパンでサンドイッチを作った。フォカッチャにイタリアン風の具材をのせて、焼き込み調理パンも作った。「ベーカリーでしかできないサンドイッチや調理パンは何か」を考え抜いた末のことだった。 「ウチは巣鴨で22年間店を構えていますが、バブル以前は『いわゆる調理パン』がよく売れました。しかし、時代が進むにつれて、コンビニなどとの競合が激しくなり、かげりが出始めました。コンビニのおにぎりは強敵です。コンビにだけではなくハンバーガーチェーンや牛丼店などあらゆる業態と同じ土俵での戦いになったら勝ち目はありませんから」 |

| その場で食べ方の実演。製造スタッフ=販売スタッフ | |
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ブーランジェリー・トーストでは試食提供にかなり積極的だ。陳列されたパンの前に一口大にカットした試食用のパンが添えてある商品があちこちにある。単に試食を提供するだけではない。パンの前で迷っている客を見かけたら、スタッフが声をかけ、パンについて説明する。時にはその場で食べ方の実演もする。
「例えば、ライ麦パンなんかの場合、クリームチーズなどを塗って差し上げると、おいしさがわかってもらえると思うんです」と土屋さんはいう。 ポイントは、販売スタッフが製造も担当していることだ。 「一昔前のよく売れていた頃は、効率的にお客様をさばく能力を持った人がありがたかったのですが、こういう時代になると、多少ぎこちなくても、作り手の立場から説明できる人がありがたいんですよ。パンへの思いもいっしょに伝わりますから」 ポップやプライスカードには、できる限り詳しいパンの説明を書き込む。しかもわかりやすく。 土屋さんは、パンの作り手が顧客と接することの重要性を強調する。「尊敬する有名なパン職人の方がいるのですが、店に行くと、本人が店に出ていることが多いんです。その接客ときたら、素晴らしいの一言です。これだと思いました」 ただ、ブーランジェリー・トーストは製造スペースが2階にあり、パンを作りながら顧客の様子が見られないという欠点がある。 そこで、売り場と製造スペースにそれぞれテレビモニターを置き、売り場では製造スペースの様子が、製造スペースでは売り場の様子が、リアルタイムで見られるようしてある。 |

| アイデア商品が数多く並ぶ。ベーカリーらしい菓子パン | |
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ブーランジェリー・トーストには、ハード系のパン以外にも、多くのアイデア商品がある。例えば、「かぼちゃの王冠」(360円、レシピを10ページに掲載)という商品。円形のケーキ風の生地の上に、薄くスライスしたかぼちゃを、花のような形に渦巻状に巻いた飾りをのせて焼き上げる。視覚的にインパクトがあり、来店客の興味を引く。
「ラウンドパン バナナ」(380円)はバナナジャムを包んだ菓子パン生地を大きなベーキングカップに5つ並べて焼き上げた商品。 黒砂糖とレーズンが入った「黒砂糖蒸しパン」(220円)や、サーッカーのワールドカップ(W杯)にちなんだ「サーッカボールメロンパン」(80円)もある。 土屋さんは「売上をとろうと思ったら、菓子パン類は魅力的です。菓子パンがいいというお客様も多いわけですし、お客さんあってのベーカリーですから」という。しかし、一味も二味も違った菓子パンが多いことも確かだ。 「ベーカリーらしい菓子パンとは」との質問に土屋さんは「価格を抑えるために材料を落とさないことです。おいしいパンを作るには何が必要かという視点で材料を選ばなくてはなりません。そうすれば価格競争に巻き込まれることもないと思います」。 ◇ ブーランジェリー・トーストはJR山手線・巣鴨駅から徒歩3分の距離。売り場約8・5坪、製造スペース約9・5坪。製造は土屋さんも入れて男性2人、女性4人。女性4人は販売も担当。土屋夫人は販売を担当。 |
| かぼちゃの王冠のような形が印象的! | |
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かぼちゃの王冠
かぼちゃペーストを巻き込んだ生地の上にかぼちゃのスライスを渦巻状にしてトッピング。まさしくかぼちゃの王冠。ひとつ360円。ハーフカット180円。 【配合%】 TD250(スイートロール用のミックス粉)…100 生イースト……………………………………5 全卵………………………………………10 マーガリン……………………………………3 ベーキングパウダー………………………1 クヴァールNB−300(乳化剤)…………2 かぼちゃペースト…20 水………………15 【工程】ミキシングL3分LM3分H5分(マーガリン投入)H3分LM3分、捏ね上げ温度27度C、発酵45分、分割140グラム、成形→(1)140グラムに分割して冷やした生地を3ミリ厚にのばす(2)[1]の上にかぼちゃベーストを塗り広げ、ロールする(3)[2]の上面にはさみで等間隔に切れ目を入れ、渦巻状に巻いて、はさみでカットを入れた面を上にして直径約12センチのスポンジ型に入れる。ホイロ32度C75%1時間、焼成上火210度C下火210度C15分 ※ホイロ後、卵を塗って、薄くスライスした生のかぼちゃを、バラの花のような形に巻いて、上面に飾る。さらに、かぼちゃの種をトッピングする。 ※分割した後、生地を冷蔵庫で冷やす。 |
| ライ麦粉100%のパン。外国人から支持を集める | |
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ロッゲンシュロートブロート
ライ麦粉100%の本格的ライ麦パン。外国人に固定客が多いそうだ。最近は日本人で買っていく人も見られるようになったという。ひとつ680円。ハーフカット350円。 ▼サワー種 【配合%】 ナチュラル(ライ麦粉)………………50 ◎サワー初種そぼろ…………………4 水……………………………………40 【工程】(1)全材料を手で捏ねる(2)[1]を一晩発酵させる ▼本捏ね 【配合%】 ナチュラル(ライ麦粉)………………50 生イースト…………………………1・7 天塩………………………………1・8 水……………………………………26 【工程】ミキシングL3分、捏ね上げ温度27度C、発酵5分、分割700グラム、成形→ブール形、ホイロ30度C80%1時間、焼成上火240度C下火250度C55分(スチーム注入) ※成形後、丸い発酵籠に麻布を敷いてライ麦粉をたっぷりとふり、成形した生地を入れてホイロへ。 ※ホイロ後、生地を発酵籠から取り出し、上面に麻布の模様がついている状態になるように上下を逆にして置き、クープを入れる。 ※焼成の際、蒸気は窯入れ前と窯入れ直後の2回注入し、10〜15分後にダンパーを開けて、蒸気を抜く。 ◎サワー初種そぼろの作り方 (1)ナチュラル(ライ麦粉)と水を同割で混ぜ合わせ、30度Cの場所に24時間置く(2)[1]から10グラムを取り分け、ナチュラル100グラム、水100グラムを加えて混ぜ合わせて1日発酵させる(3)[2]の工程を1週間程度繰り返す(4)[3]に重量で3倍量のナチュラルを加え、そぼろ状にする |
| ライ麦粉を20%配合したくるみパン | |
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くるみパン・ノア
ライ麦を20%配合。とても食べやすいパンで、ブーランジェリー・トーストの看板商品のひとつ。380分割の商品が400円。100グラム分割の商品が120円。 【配合%】 うたまろ(強力粉)……………………80 ナチュラル(ライ麦粉)………………20 グラニュー糖…………………………6 塩……………………………………2 生イースト……………………………3 バター…………………………………5 くるみ………………………………30 水……………………………………65 【工程】ミキシングL2分MH3分(バター投入)L1分MH3分(くるみ投入)L2分ML1分、捏ね上げ温度26度C、発酵1時間、分割→大=380グラム、小→100グラム、ベンチタイム20分、成形→大=ナマコ形、小→丸め直す、ホイロ30度C80%45分、焼成上火230度C下火200度C大→24分、小→20分(スチーム注入) ※ホイロ後にライ麦粉をふって、クープを入れる。 |
| チョコレートを包んで焼成した後に、ホイップクリームを注入する | |
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生クリームショコラ
チョコレート生地で、チョコレートを包んで焼き上げた製品。焼成後にホイップクリームをたっぷりと注入する。ひとつ150円。 【配合%】 うたまろ(強力粉)………………100 グラニュー糖………………………8 塩……………………………………2 全卵………………………………15 生イースト…………………………4 イーストフード……………………0・1 バター……………………………12 ショコラプードル……………………15 水…………………………………55 【工程】ミキシングL2分M5分(バター投入)L2分M5分、捏ね上げ温度27度C、発酵40分、分割40グラム、ベンチタイム15分、成形→チョコレートペースト15グラムを包む。ホイロ30度C75%1時間、焼成上火220度C下火190度C8分 ※焼成後、ホイップクリーム50グラムを注入する。 |
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