昔のパン作りを現在の技術で蘇らせる。パンのある生活を提案。 - メゾンカイザーCOREDO日本橋店 - ブランスリー電子版


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お店拝見/2006年1月号

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昔のパン作りを現在の技術で蘇らせる。パンのある生活を提案。 - メゾンカイザーCOREDO日本橋店

日本での展開について語る木村周一郎ブーランジェリーエリックカイザージャポン社長
試行錯誤を繰り返しているうちに、新しいテーマが見えてくる。

住所 東京都中央区日本橋1-4-1
コレド日本橋B1
電話 03-3516-0030
営業時間 平日 午前7時〜午後8時
日祭 午前10時〜午後8時
定休日 年末年始を除いて無休



イーストによるパン作りで失ったもの

パンの陳列スペースからカフェの方向を臨んだ写真。左側途中が洋菓子のショーケースやレジがある一角。


カフェには24席が用意されている。カフェから、パンの陳列スペースの方向を臨んだ写真。


メゾンカイザーCOREDO日本橋店がある日本橋にちなんで開発した「パン日本橋」(右)と、トルコのパンの「エクメック」(左)。


オリジナルの小麦粉を使って焼き上げる「バゲットモンジュ」
 「エリック・カイザー氏のパン作りに対する考え方、哲学に触れて、共感し、これこそ日本のパン業界に欠けているものだと感じました」
 ブーランジェリーエリックカイザージャポンの木村周一郎社長はこう話した。「空気中の野生の菌でパンを作るということは、イーストができる前は当たり前のことでした」
 昔のパンの作り方のエッセンスを現在の技術で忠実に再現していくというのがメゾンカイザーの考え方だ。
 空気中の野生の菌でパンを作るための具体的な方法は、フランスの本家メゾンカイザーを率いるエリック・カイザー氏が開発したルヴァン種発酵機。小麦粉やライ麦粉などから自然発酵種を安定的に作ることができる。イーストが開発される以前に一般的に作られていたパンを、現在の技術で再現するために開発された機械だ。
 この機械で作る「ルヴァン・リキッド」と呼ぶ自然発酵種を使用してパンを作る。イーストもごく少量(生イーストの場合で0・2%程度)配合する。パンが必要以上にふくらんでいなくて、小麦粉本来の味が感じられるのが特徴だという。
 「フランスでは、第二次世界大戦後、小麦粉が不足したことから、少ない小麦粉で効率的にパンを作るために、イーストによるパン作りが主流になりました。今考えてみると、それによって失ったものは少なくなかったと思います。かといって、昔にそのまま逆戻りするということではありません。現在の発達した技術で昔のパン作りのエッセンスを蘇らせるということなんです」(木村社長)
 パンを作って販売するだけではない。「パンのある素敵な生活をプロデュースするのが私たちの仕事だと思っています」(木村社長)
 そのひとつの方法がカフェだ。日本のメゾンカイザーでは、COREDO日本橋店で初めてカフェを導入し、「自家製鴨テリーヌ(パン添え)」(850円)や「小海老とアボガドのオープンサンド」(950円)などを提供している。
 パンはフランス本国のものをそのまま再現し、日本流にアレンジしてはいないという。しかし、販売方法はセルフ方式を採用。「売り場はフランスと日本の食文化が交じり合う場だと考えています。日本人に馴染みやすい売り方としてセルフ方式をとり入れました。お客様がご自分で自由に選べる楽しさがありますから」と木村社長は説明してくれた。



レジの後ろの厨房は、劇場の舞台のよう。

人気商品の「クロワッサン」。フランスの新聞、フィガロでパリナンバーワンのクロワッサンとして紹介された。


ボジョレヌーボーの時期にあわせた季節限定商品「パンオボジョレー」


ヴィエノワズリー類はクロワッサンの他にも、「メープルデニッシュ」(263円)などたくさんある。


正面中央の入り口を入ると、洋菓子のショーケースとレジ。そのすぐ後ろには、まるで劇場の舞台のような厨房がある。
 店舗面積はおよそ71坪。そのうち厨房がおよそ32坪だ。中央の入り口を入ると正面が洋菓子のショーケースとレジなどで、そのすぐ奥が厨房。
 オーブンとホイロが、レジからすぐ近くに見えるように設置されていて、客はパンを焼く様子が間近に見られる。厨房がまるで劇場の舞台のようだ。
 向かって右側が24席のカフェのスペースで、向かって左側がパンの陳列スペースになっている。
 パンの陳列スペースには様々なパンが並んでいた。
 「バゲットモンジュ」(294円)は、メゾンカイザーを代表するパンのひとつで、同ベーカリーオリジナルの小麦粉を使って焼き上げるバゲットだ。小麦粉本来の味が感じられ、「きちっと発酵した香り」がある。
 「パン日本橋」(315円)は、同ベーカリーがある日本橋の地名にちなんだ「ご当地もの」(木村社長)を作ろうと開発した商品で、脱脂粉乳を配合してソフトな食感を出している。
 「エクメック」(294円)は、はちみつを練り込んだトルコのパン。メゾンカイザーがトルコに出店したときに開発したパンだという。
 「クロワッサン」(168円)もメゾンカイザーを代表する商品のひとつ。フランスで最も古い歴史を持つ新聞、フィガロでパリナンバーワンのクロワッサンとして紹介された商品だ。製法は、パリのメゾンカイザーと同じだが、使用するバターについては、日本で委託生産している。樽をまわして作る伝統的な方法で作っているという。
 「脂肪球の入り方が違うんですよ」と木村社長は話した。
 「チャバタ」(210円、大368円)は、オリーブオイルを生地に練り込み、もちもちとした食感で、サラダとよく合うパンだ。
 「ピザシャウリ」(231円)は、オリーブオイルを練り込んだチャバタに、焼成後、ガーリックバターとゲランドの塩をトッピングした商品。
 「パンオボジョレー」(420円)は、ボジョレヌーボーの時期にあわせた季節限定商品で、仕込み水にボジョレヌーボー(赤ワイン)を使用した商品だ。中にはドライソーセージが入っている。
 木村社長は「パンと合う料理は、なにも洋食に限ったことではありません。この間、エリック・カイザー氏とも話したのですが、韓国の焼き肉料理、プルコギのスープをパンですくって食べたら、とてもおいしくて、びっくりしました」。



専門知識を持った販売スタッフを育成。

「ツナとオリーブのサンド」(441円)などのサンドイッチ類も充実。


正面中央入り口の左側にある入り口からは、パンの陳列スペースへ直接入れる。


パンの陳列スペースは、ゆったりとした空間だ。


中央の入り口を入ってすぐの平台には、今が旬の「パンオボジョレー」がたくさん置かれていた。


「タルトショコラマロン」(420円)などの洋菓子も製造販売している。
 「パンのある素敵な生活」をプロデュースするメゾンカイザーは、パンに合う料理の紹介に熱心だ。パンの陳列スペースの一角には、同ベーカリーで販売するパンといっしょに食べてほしい料理のレシピが置かれていて、自由にとれるようになっている。
 例えば、チャバタに合う料理として紹介しているのは、「帆立貝とアボガドのわさび風味サラダ」だ。その材料と作り方を書いたリーフレットが置かれている。
 カフェでは、「温野菜と豆・生ハムのサラダ仕立て(パン添え)」(950円)などの前菜、「海老と帆立貝のクラムチャウダー風グラタン」(1200円)などのスペシャルディッシュ、「自家製鴨テリーヌサンド」(900円)などのサンドイッチなどを提供し、「パンのある素敵な食卓」を顧客に体験してもらっている。
 販売スタッフのパン食文化についての知識も重要だ。
 「パンのソムリエというか、『パンのある素敵な生活』を提案できる専門知識を持ったスタッフの育成に力を入れています。例えば、お客様に『今日の献立は何ですか、とお聞きし、『それではこんなパンがとてもよく合いますよ』と具体的に提案できる能力が必要だと思うんです。プロフェッショナルな販売ができるということです」と木村社長はいう。同ベーカリーではそうしたスタッフを「パンデュース」と呼んでいる。
 ブーランジェリーエリックカイザージャポンが日本で展開するメゾンカイザーは、現在直営が8店、フランチャイズが3店。COREDO日本橋店は、唯一カフェを併設した店舗だ。
 「お客様と共に成長させて頂ければと思っています。試行錯誤を繰り返すうちに新たなテーマが見えてくるので、一つ一つしっかりと取り組んでいきたいですね」(木村社長)



原価計算女王
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