商品名には、未知のものに対して抱く警戒感を解きほぐす力がある - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(34) - ブランスリー電子版


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連載/2020年4月号

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商品名には、未知のものに対して抱く警戒感を解きほぐす力がある - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(34)
 今月号で取材した「ベーカリーカルテット」で一番人気だという「弱酸性食パン」が妙に印象に残りました。この商品名を見て、直感的に自分にとって価値がある商品ではないかと思いました。店でこの商品が並んでいるのを見たら100%買うでしょうし、家のポストにこの商品のチラシが入っていたら、必ず近いうちに買いに行くだろうと思います。
 人間の本質の部分に、自分が知らないものに対しては警戒感を抱くという心理があります。「どこの馬の骨ともわからない」という格言はまさにこのことを指しています。逆に、胡散臭いと思っていたよく知らない会社の商品が、たまたま、知人がその会社の営業をやっていて、その商品についての説明をその知人から聞いた途端に、その商品がすばらしいものに思えてくるということもよくある話だと思います。
 このからくりを、本当は胡散臭い商品を、素晴らしい商品であるかのように勘違いさせる目的で使うのは、倫理に反するよくないことだと思いますが、本当に素晴らしい商品を、より多くの人に正当に評価してもらうために、上手に利用することは、いいものが正当に評価される心地よい社会を築いていくためにも、大いに推奨されるべきことだと思います。
 その意味で商品名には大きな力があると思うのです。「弱酸性食パン」という商品名には、未知のものに対して抱く警戒感を解きほぐしてくれる力があるように思います。人はこの警戒感から解放されたとき、目の前の商品を初めて正当に評価できるようになります。逆に、この警戒感があるうちは、どんなにいい商品を投げかけたとしても、まっとうには評価してもらえないということになります。
 とはいっても、まずはいい商品を作ることが先決です。「いい商品」の基準はあまたあると思いますが、自分が信じる基準でいい商品を作ればいいと思います。自分がいいと思わない商品は、多くの場合は、他人にとってもいい商品ではありません。しかし、自分が絶対にいい商品だと信じる商品が、すべて他人にとってもいい商品であるとは限りません。むしろ、その確率は、それほど高くはないでしょう。
 ここで重要になってくるのが、正当な評価をしてもらうために、未知のものに対する警戒感を解きほぐしてやることなのです。多くの人が正当な評価を下したときに、いい評価が得られれば、その商品はいい商品であることが初めて証明されることになります。逆に、多くの人が正当な評価を下したときに、それが悪い評価であれば、その商品は悪い商品であることが証明されてしまいます。
 店の商品をこのようにして、一つひとつ評価のまな板にのせてもらって、いい評価をもらうということを繰り返しているうちに、多くの客の中に、店に対する信頼が生まれてきます。この段階まで来ると、すでに店は繁盛しているでしょう。
 話は戻りますが、商品名は、商品を正当な評価のまな板にのせてもらうための最も大きな武器のひとつです。商品の内容が直感的にわかり、その内容が自然に見る人の心にしみてくるようなものが好ましいでしょう。さらにその商品を開発した人の人柄までもが伝わってくるような商品名であれば、言うことなしです。(RO)









原価計算女王
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