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| 連載/2020年10月号 |
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| 「一店舗一工房」のこだわりに企業姿勢の明確さを感じ、組織としての活気も魅力的だった - 私の販売集大成ノート(1) | |
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33年の経験に基づくパン販売術の集大成
私は販売及び販売関連の仕事に33年間携わった。第一歩を踏み出したのはマネージャー候補として中途入社したポンパドウルである。1976年9月のことだった。創業7年目で店舗数は8店舗。定年退職時の33年後には64店舗となっていた。焼きたてパンを提供するために全ての店舗が工房を併設する「一店舗一工房」のこだわりに企業姿勢の明確さを感じた。また組織としての活気も魅力的であった。すべてが動いており、留まることに躊躇するという感じであった。 33年の中で一つの組織が時に大胆に、時に静寂の中で進歩し変革して行く姿を経験することが出来たことは幸運であった。幾つかの事実を振り返り、私の販売集大成としたい。 コンビニが登場し、消費生活が変わった時代 1976年といえば、田中角栄氏の「日本列島改造論」の政策の下での経済第一主義の中、国民は頑張って働き経済大国を作り上げている只中だった。国民の90%が中流意識を持っていた。都はるみの「北の宿」がレコード大賞を獲得し、巨人の王貞治がベーブルースの記録を破る715号本塁打を放った年である。 また前々年の1974年にはセブン‐イレブン1号店が開店した。コンビニ時代がスタートして国民生活を変えていく時代に入った。消費動向は衰えることなく順調に推移していた。 配属3カ月で町田店の総責任者に 配属は東京町田市にある小田急町田店。小田急百貨店町田店一階のレンガ通りにある工場併設の店舗で、同百貨店の地下食料品売場にも販売だけの店舗を構えていた。つまり、二店舗体制で、このスタイルは町田店だけだった。「ここを経験すればどこの店でも通用する」との販売課長からの励ましの言葉。そして「3カ月後には責任者としてやってもらう」と言い渡され、困惑と不安が襲った。 当時の町田店のマネージャーは販売部門の中でもベテラン中のベテランだった。マネージャーを中心に社員、パートタイマー、アルバイトの販売メンバー13名はまとまっていた。 当時は、百貨店や商業施設などからの出店要請が相次いでおり、それに伴って、そのマネージャーの異動が決まっていたのだ。その後釜として3カ月後に店の運営を任されることになる。 レジが壊れるほど売上は好調だった ポンパドウルはフランスパンとデニッシュペストリーに力を入れていた。町田店では食パンの売上が高く、フランスパンの売上は低かった。陳列台の前で「フランスパンは何処に有るの」と客が聞いてくる。食パンの「フレッツブレッド」1斤が110円で、当時としてはやや高い印象だったが、毎日完売した。プッシュボタン式のスエダの頑丈なレジスターが、使用頻度の高さで幾度となく修理が必要なほど売上は順調であった。 売上を伸ばしコストを下げることが至上命令 マネージャーの第一の役割は売上を伸ばしコストを下げて利益を向上させる事にある。「オーダーに始まり、オーダーに終わる」。上司から何度となく聞かされた言葉だ。オーダーとは一日の売上目標を達成する為に製品の種類と数を製造に発注すること。 オーダー作成と調整はマネージャーの数多くの仕事の中でも一番重要な仕事であり、その結果については、全責任を負う。僅かな判断ミスが大きな売上ダウンに繋がり、コスト増に繋がる。お客様の来店数に見合う数より多くの製品を作れば廃棄ロスとなり、少なければ品切れで売上減となり、いずれも利益を圧迫する。オーダー作成時に、根拠となる科学的データはない。経験と勘、そして度胸の世界である。それが毎日毎月繰り返される。 引継ぎマニュアルの必要性を痛感 引継ぎは、その時その場で起きたことを対処して覚える方法で行われたが、この方法では個々の仕事の関連付けがしにくい。今後のために「引継ぎマニュアル」の必要性を痛感しながら引継ぎ作業は続いた。マネージャー交代迄残り一カ月となった。遅滞なく前任者との引継ぎを完了させる為に手探りが続いた。(続く) 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ・登山・ビデオ撮影・映画鑑賞。1978年9月株式会社ポンパドウル入社後、町田店・六本木店・伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月株式会社ポンパドウル顧問。全店の接客・品質・クレンリネス・品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期・成熟期に販売関連業務に携わる。 |



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