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| インタビュー/2020年5月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| イタリアの食文化を日本で花開かせる - スターバックスとコラボするイタリア発のベーカリー「プリンチ」松田武司ヘッドシェフ | |
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2019年に東京・中目黒にオープンしたコーヒーのワンダーランドとも言われる「スターバックス リザーブ® ロースタリー 東京」に入る日本に初上陸したイタリアンベーカリー「プリンチ®」。好評を博し、同年7月に「プリンチ」日本初の単独店舗として「プリンチ 代官山T‐SITE」がオープン。高品質のこだわりのコーヒーを提供するスターバックスとミラノを拠点にイタリアンベーカリーを展開する「プリンチ」が共同で出店し、注目を集める同店。「プリンチ」の創業者であるロッコ・プリンチ氏にイタリアの伝統的なパンづくりを学び、日本の「プリンチ」のヘッドシェフを務める松田武司氏に話を聞いた。
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| 外麦使用で一致した日伊の製パン技術 | |
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欧州の製法を踏まえる
――いくつもの世界大会で優秀な成績を残した松田シェフにとって、「プリンチ」のパンの魅力はどういったところでしょうか。 松田 日本のベーカリーでもフォカッチャやパネトーネは売られていますし、知名度も上がってきています。しかし、本場のイタリアのパンを提供している店となるとまだ少ないのが現状です。私がそう考えるのは、現地のベーカリーのパンと製法が違うからです。「プリンチ」はミラノの「プリンチ」の再現に努めていますし、製法も同じです。製法が味に繋がる重要な要素です。 日本の「プリンチ」と現地のパンがわずかに違うところを挙げるなら小麦粉です。イタリアが製パンに使っている原麦は、日本と同じようにアメリカの粉でした。「調合できるかもしれない」と、日本で「プリンチ」の商品を製造する可能性が開けていきました。 製パン用の小麦粉では、日本とイタリアで似たところがあったんです。イタリアの国産小麦はパスタやピザ作りに向いているんです。日本産の小麦がうどんなどの麺類に向いているように。お互いにパン用の小麦粉は他国から輸入して、自国で調合していたのです。 ――「プリンチ」の日本出店には、小麦粉の調合が不可欠だったのですね。 松田 日本で流通している小麦粉をそのまま使っても、日本人においしいといわれるイタリアのパンを作る事は出来るでしょう。日本の製粉技術は粉のスペックを合わせる事が出来ますから、安定した味も出しやすいすわけです。しかし、それは日本のパンであり、本場の再現にはなりません。タンパク質を低く、グルテンを少なくするなどして調整し、イタリアで使われる粉の特徴を踏まえたものを自分でブレンド出来なくてはなりません。また、粉のブレンドは、ヨーロッパの製法を知った上で行うのが大前提です。製粉も日本とイタリアとでメッシュの粗さに違いがあり、イタリアの方が粗いんです。しかし製法を踏まえることで、灰分を高くして補うなど、アレンジを加えてクリアしていきました。そして、ロッコさんからも粉の仕上がりに合格をもらう事が出来、日本でも本場のパンの味を提供する事が出来るようになりました。 ――それは、松田さんが「ヴィロン」で、扱いの難しいフランスの粉で常にレベルの揃った高品質のバゲットを作っていらした経験に培われた高い技術力があってこそ出来た事ではないでしょうか。袋ごとに異なる粉の状態を常に見極めて、常に最適なミキシングや水の加減を調整するには、深い知識と経験が必要なのでは。 松田 イタリアの粉は日本より粗く挽かれている分、製パン性は低くなってくるんです。メッシュの細かい方がタンパク質も生きるし吸水もよく、生地の繋がりもいいですから。それらの違いを克服して、ロッコさんから許可が出たときは、とても嬉しかったですね。 もうひとつプリンチの特徴をあげるなら、種の使い方です。例えば、イタリア同様、パネトーネ種を毎日種継ぎして作ってパネトーネに使っています。当店で使っているパン種は代表格のサワー種を中心に、製品によって様々に使い分けて、いまは6種類程度あります。老麺を使ったアレンジもしています。 イタリアは内麦をパンに使いませんが、トマトやズッキーニのような多くの現地の野菜との組み合わせが特長です。フランスは逆で、野菜ではなく得意の酪農からチーズやバターとパンの組み合わせが発展しています。それぞれの文化の中で生まれた製法があるんです。イタリアは種を使って強い生地を繋げたり、風味を出すなどの点に特化しています。その国その国に合った製法があり、どれがいいということではありません。そのまま同じするのがいいとも限りません。そういう意味では、「イタリアのパン」の追求は、まだまだ続いていくと思っています。 ――「プリンチ」で、まずはどのパンを食べるのがいいでしょう。 松田 やはり「コルネッティ」です。そして「プリンチ ローフ」、「チャバッタ」ですね。そういったイタリアならではのパンの代表的なものをまずは体験してください。それこそが今一番、日本の他のイタリアパンとの違いを感じられる製品だと思います。 また、バゲットもサワー種で酸味を出しています。食パンも「パーネ イン カセッタ」という工夫を凝らしたものをご用意しています。まずは当店で私達が心を込めて提供する、パンとコーヒーのさまざまな個性を楽しんでください。その先に広がっている豊かなイタリアの食文化の体験に繋げてもらえたら嬉しいですね。 |


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