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| お店拝見/2025年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

数年後この地で100年を迎える同店は、三代にわたって来店する客も多い。遠方の転居先から懐かしんで来店する人もいる。 「レシピや品揃えはできるだけ変えないように、値上げもお客様の負担にならないように考えてやっていますね」(憲一さん) 老舗として変わらないおいしさを守り続ける一方で、憲一さんは常に新しい試みに取り組んでいる。 「やはり世の中の風向きというのはどんどん変わっていきますから、やれることはその都度やっていかないといけないと思っています」(憲一さん) 30年前から15年間続けた軽自動車による移動販売もその一つ。一時間で10万円を売り上げるときもあった。 「駅周辺は便利になっていくのですが、駅から離れた住宅街は、店がなかったり足の便が悪かったりで、買い物に困っている人が増えてきています。人と話すのが好きだし、こうした人たちの助けになれたらと思ってやっていましたね」(憲一さん) 移動販売時の客の中には、今は同店に買いに来るようになった人もいるという。結果的に認知度を上げ、商圏範囲を広げるのに役立ったのだ。 皆が喜んでくれたらいいなという思い 10年前から続けているのは、近隣にある保育園向けのパン製造と配達で、現在は10カ所を請け負っている。製造体制の安定化を図るため、店舗販売の定休日を週休1日から2日に増やした。 「10年前、20年前とは、町の景観はかなり違います。町の流れというか、人々の動きも変わりますから、当店のできることもそれに合わせて変わってきましたね」(憲一さん) ハード系のパンを同店で製造販売するようになったのは、まだ扱う店が少かった50年ほど前だ。 「ハード系のパンを出した当初は、バゲットが食パンに取って代わっていく位の勢いで、ハード系に力を入れていました。世の中の流れに合わせつつ、時には新しいものを提案するなど、お客様を店側がリードしていくことも必要なんですよね」(憲一さん) 取材中、憲一さんのもとに区内の支援学校から職業体験学習の日程を確認する電話があった。同店は近所の中学校などの職業体験学習の受け入れを毎年行っている。町内会長や商店会会長も勤め、地域に欠かせない多くの役割を担っている憲一さんは、バイタリティーに溢れている。 「基本にあるのは、皆が喜んでくれたらいいなという思いと、皆が楽しければいいなという考えなんです。ストレスに感じることも、かえってそれがやる気に繋がり、生き甲斐になります。日記を15年以上書いていてよく読み返すのですが、パン屋というのは自分の人生の中の一つの流れなんだと思いますね」(憲一さん) SHOP DATA 店名:マルキパン 住所:〒124−0013 東京都葛飾区立石3丁目25‐13 電話:03‐3694−3337 営業時間:午前7時〜午後7時 定休日:月曜、火曜 品揃え:約100品目 スタッフ:製造常時2〜3人、販売常時1〜2人 店舗面積:売り場約15坪、厨房約15坪 日商:平日約12万円、土曜、日曜約17万円 | |||||||||||||

| この記事の読みどころ
●1931年創業の老舗パン店を親子三代で受け継いで営業している。
●自家製のサラダや具材を使ったサンドイッチが長年人気を集めている。 ●移動販売や保育園への納品などに、時代の変化に合わせて柔軟に対応。 ●地域活動や職業体験の受け入れなどを通じて、地元とのつながりを大切にしている。 |


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