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食のトレンドを追う/2010年5月号

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300円以下は当たり前!?激安弁当が続々登場 
「てらおストア」の惣菜コーナーにずらりと積まれている「250円弁当」(税別)
昨年から目立ち始めた「激安弁当」。もはや300円台は当たり前で、200円台も珍しくない。気になる中身もメインのおかずの存在が目立ち、食べ応えのあるものが多い。激安弁当を激安たらしめ、また、安くてもおいしいお弁当にするためには、どんな工夫があるのだろうか。



全国で買えるようになった「200円台弁当」
バラエティ豊かな西友の「298円弁当」(税込)4種。
「ハンバーグ&焼肉弁当」
「鶏五目御飯と肉じゃが煮弁当」
「新サケ弁当」
「チキン南蛮弁当」
 西友、LIVIN、サニーなど、西友系列のスーパー全国372店舗で昨年4月から発売中の「298円弁当」(税込)が今年3月にリニューアルした。新ラインナップはサケの切り身を大きくした「新サケ弁当」、焼肉をプラスしておかずをボリュームアップした「ハンバーグ&焼肉弁当」、ご飯を従来の白飯から炊き込み鶏五目ごはんにした「鶏五目御飯と肉じゃが煮弁当」、「チキン南蛮弁当」の4種類。年配者に好まれるサケ弁から若者や男性に人気のガッツリ系、そして女性に支持の多い炊き込みご飯系と、バラエティ豊かだ。
 西友では、もともと398〜598円の価格帯の弁当を販売していたが、製造工程を変えることによって、新たに298円の弁当が実現した。
 「既存の398円から598円の弁当は、最終加工と詰め合わせをスーパーの店頭で行っていました。298円弁当は、100%子会社の『株式会社若菜』で一括製造してから各スーパーへ運ばれます。この違いがコストダウンにつながりました」(西友広報室・荻野雄二氏)
 ごはんはしっかり180?詰めてあり、食べ応えへの心配はなさそう。「あらゆる年代のお客さまにご利用いただきたくて、ターゲットは絞りませんでした」(荻野氏)と言うとおり、年配層からサラリーマンまでさまざまな人に人気で、計画数量に対して1・5倍の売れ行きだ。今後は商品の動向を見ながらおかずや具材を検討し、他の惣菜についても、よりよいものを低価格で提供する「低価格路線」を進めていく。



「いろいろつけてワンコイン」の希望をかなえたイオン
「お得」という文字が全てについている、ジャスコ(イオングループ)の「278円弁当」(税込)4種。写真左下から順に、「お得紅鮭弁当」「お得洋風弁当」「お得わかめご飯弁当」「お得あさり飯弁当」
ジャスコ(イオングループ)の「お得おにぎり」。鮭マヨ、豚生姜マヨ、辛子高菜、ネギ味噌、のり佃煮、金平ごぼうの6種類
 しかし、さらに安い弁当が昨年5月よりイオングループから発売されている。「278円弁当」(税込)だ。ラインナップは4種類。「お得紅鮭弁当」「お得洋風弁当」「お得わかめご飯弁当」「お得あさり飯弁当」と、全てメニュー名の頭に「お得」という言葉をつけ、値ごろ感とボリューム感をアピール。例えば「お得紅鮭弁当」は、メインの紅鮭と大きな白身魚フライのほか、野菜かき揚げ、玉子焼き、煮物、ひじき煮、桜大根など揚げ物・焼き物・煮物が多様に詰まっている。他の3種類もメインのおかずは2種類以上。「278円弁当のポイントは低価格、おいしさ、バラエティの3つ」(イオン広報部)だそう。おかずのバラエティを豊富にすることでメニューを選ぶ楽しさが増す。「安いお弁当はメインのおかず以外はご飯だけ、ボリュームも少ないのでは」というイメージが払拭された。
 「まず278円弁当を大々的に売り出そうという計画が先にあり、メーカーが大量生産のための作業工程を見直すことでコストダウンができました」(イオン広報部)
 おもなターゲットは女性や年配層だというが、豊富なおかずは男性陣にもウケそうだ。開発のきっかけは、「お弁当にドリンクやデザートをつけてワンコインで済ませたい」という消費者の要望に応えるため。売れゆきは好調で、ドリンクやデザート類の販売も伸び、弁当売り場全体の売上も上昇した。
ところで、西友とイオンでは、弁当以外にも1個68円のおにぎりを売っている。たとえ298円や278円の弁当が食べたりなくても、68円のおにぎりを2つプラスしたところで450円以下だ。



激安にこだわるスーパーの「250円弁当」
野菜もたっぷり入っている「酢鶏弁当」は、から揚げを酢豚風に味つけした感じ
「てらおストア」惣菜部門のもうひとつの目玉はチキンカツと肉団子。カツは両手を合わせた巨大さ。西船橋店では、平日は300枚、休日は500枚ほど売れるという
「てらおストア」の「250円弁当」は全て手作り。学校や企業などからの大量注文も多い
朝10時の開店前からお客さんが並び、開店と同時に人でいっぱいになる「てらおストア」(写真は西船橋店の「生鮮市場てらお」)。取材日はチラシ掲載品が39円または390円になる「39セール」の日(例:国産若鶏ムネ肉100グラム39円)
 千葉県に2店舗を展開する生鮮食品スーパーの「てらおストア」は、10数年前から「250円弁当」(税別)を販売している。「チキン南蛮弁当」「焼肉弁当」「野菜炒め弁当」「甘塩さけ弁当」など、常時10種類を揃えている。同店は「カップラーメン積み放題」などユニークな売り出しイベントを常に行なうことで有名で、テレビや雑誌などのメディアで頻繁に紹介されている。「新鮮な食材をできるだけ安く」が店のモットーとあり、250円弁当が集客や「ついで買い」の武器ではないようだ。本店(咲が丘店)では一日平均300〜400個売れ、休日は行楽に出かける家族連れが人数分のお弁当を買っていくなど、平日よりも売り上げが伸びる。他方、周囲に会社が多い西船橋店では平日は1日平均600〜700個売れ、職場仲間のために5個、10個とまとめ買いしていく人も多い。
 「ハンバーグは肉を挽くところから始めるなど、弁当は全て手作りです。手間を考えると利幅はほとんどないですね」(本店店長・中島眞ニ氏)
 学食やクラブ活動、PTA活動など学校関係や企業からの大量注文も多いという。また、あまりの安さゆえ弁当業者から仕入依頼もあるそうだが、こちらは断っている。
 筆者は仲間の分も含め、弁当3つ、巨大チキンカツ1枚を買った(合計892円・税込)。筆者の食べた塩サバ弁当は大きめのサバの切り身にから揚げが2つ、つけあわせに漬物と海藻という内容。梅干入りのご飯もたっぷり入っており、弁当ひとつで大満足だ。さらに三等分したチキンカツも食べ、お腹いっぱいになってしまった。
 200円台の激安弁当市場は全国的にもヒートアップしており、テレビ番組でも特集されたが、全国チェーンの大規模店よりも地元に根ざしている小規模経営の店が多いようだ。「できるだけ安く提供したい」ということはもちろんだが、激安弁当には話題性のある集客コンテンツとしての役割、また「ついで買い」を導く役割などがある。
 コンビニでも300円台の弁当やパスタなどが増えた。弁当類以外にも期間限定の値下げキャンペーンやドリンクとの「セット買い」で値下げになるキャンペーンなどが目につき、利便性重視だけではなく、低価格競争にも参戦を始めたようだ。
 歴史ある「てらおストア」の激安弁当をはじめ、多くの激安弁当は、各店が工夫や企業努力をこらすことによって成り立っている。しかし、経済全体として見た場合、景気の冷え込みによる消費者の低価格志向に拍車がかかることにより、企業が一層、安価な商品を提供するため、人材を不安定な形で安く雇用せざるをえないというしくみを助長することになりはしないか、と激安弁当の存在に喜びながらも一抹の不安を抱く。(U)

原価計算女王
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