地域を意識した店づくり - ゴンノベーカリーマーケットの権野亮介代表 - ブランスリー電子版

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インタビュー/2018年9月号

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地域を意識した店づくり - ゴンノベーカリーマーケットの権野亮介代表
店主の権野亮介さん
 東京・江戸川区、東京メトロ東西線・西葛西駅から徒歩10分ほどの場所にゴンノベーカリーマーケットがある。80品目のパンを揃える他に約20席のカフェコーナーがあり、朝と昼に食事も提供する。土曜日には400人以上の来店客がある。中でも母子連れが多いのが印象的だ。北海道産小麦を100%使用した商品も人気だという。この夏には、店舗規模を拡大し、同じ江戸川区内に移転する予定だ。店舗移転の目的としては、従業員の労働時間短縮や、地域に向けてのパン教室の開催やマルシェの実施などが挙げられる。パンのある食卓を実現しようと努力を惜しまない代表の権野亮介さん(37歳)に話を聞いた。



地元食材の小松菜を入れた「江戸川ブレッド」
甘みのある卵をコクのあるカスタードクリームに仕上げた「クリームパン」
「パン・ド・ロデヴ」  (ハーフサイズ、プレーン)
「パン・ド・ロデヴ」(ハーフサイズ、ショコラ)。ショコラにはマカダミアナッツとチョコチップが入る
「キタノカオリ100」は内麦全粒粉100%使用の人気の食事パン
人気商品の一つでコーンがたっぷり入った「コーンパン」
テラス席を有効利用

―――8月末に移転オープンですか。
権野 今の店を8月前半までに閉めて、ここから徒歩で10分程の場所に移ります。
―――今年に入ってから移転を決めたのですか。
権野 移転の話が持ち込まれたのは3年前です。偶然訪ねてきた企業の方から店舗づくりに協力してもらえないかと依頼されたのです。現在の店舗はおよそ25坪ですが、移転予定先の店舗は坪数も増えますので、今後考えていることが実行できると思い、応じることにしました。これまで、詳細を詰めたり、図面を書いたりしてきましたが、ようやく決まりました。
―――新店舗は何坪になるのですか。
権野 約45坪になります。今の店のカフェコーナーは20席余りありますが、それも増やす予定ですし、また、テラス席も設けたいと思っています。
―――テラス席を設ける理由は。
権野 今も、子供たちを対象にしたパン教室を開催していますが、今後はそれだけでなく、テラス席を有効活用して、子供たちの何らかの発表会の場所として提供できたらいいなと考えています。ダンスや合唱もいいかなと思っています。
―――子供たちが喜ぶ発表会ができるといいですね。他にも考えていることはありますか。
権野 マルシェを企画しています。季節の変化に合わせて開催できたらと思っています。既に、千葉県の農家や浦安の八百屋さん、それと江戸川区内の蜂蜜屋さんに依頼しています。他にもジャムやコーヒーを扱う店にもお願いしています。

設備投資で時短実施も

―――営業方法も変わりそうですね。
権野 オープンした時はパンの製造・販売のみでしたが、本当はカフェコーナーも設けたかったんです。ドンクでの修業時代、パンと料理の結びつきなどの大切さを教えられました。お客様に美味しいパンの食べ方を提案したいのです。カフェコーナーの充実は今後の私どもの営業にとって大変重要なことです。
―――すると、営業時間も変わりますか。
権野 パン部門は、今と同様に午後6時に閉店しますが、カフェ部門は夜の営業を充実したいとの意図がありますので、営業時間は長くなると思います。
―――店舗が大きくなった分、設備投資も大変だったのでは。
権野 大変ですけど、設備投資は従業員の労働時間の改善を図るためのものでもあるんです。厨房も広くなりますし、冷蔵庫などの機械も増設します。商品を短時間で作るための設備です。

食材を活かした商品を

―――商品は全て1日1回焼き上げるのですか。
権野 品揃えは80品目です。少量の商品も含めて全商品を製造します。食パン系は午後を中心に焼き上げますが、「食パン」の場合は1日3回焼きます。朝と昼それと昼過ぎです。朝は60斤焼きます。昼以降はその三分の一ずつです。
―――他の商品はどんな具合ですか。
権野 毎日午前3時から仕込みを始めて、午前中には80品目全てを揃えます。その後、午前中の販売状況を見ながら、午後に製造する商品を決めています。
―――ロスを抑えるためですか。
権野 そうです。お客様の来店動向によっては、無理に商品は作りません。夏のこの時期はなおさらですね。
―――地元の食材を使った商品があるそうですね。
権野 「江戸川ブレッド」のことですか。区内の食材である小松菜を入れています。グラタンのような感じの総菜パンに仕上げました。十分に食材を生かしていると自負しています。
―――お薦めの人気商品は。
権野 子供たちにも人気の御養卵使用の「クリームパン」や「メロンパン」ですね。特に「クリームパン」は、栃木県の那須高原にある農家の卵を使用しています。甘みが強くつやもあり、味も濃いと評判の卵です。それをコクのあるカスタードクリームに仕上げました。バニラビーンズもたっぷり入ります。



ゴンノベーカリーマーケットの外観
様々なパンが並ぶ店内。売り場から製造現場が見える
カフェコーナーには20席が設置され、ゆったりとしている
約8割の商品に内麦を活用

―――他にもこだわりの食材を使った商品はありますか。
権野 特別に材料にこだわっているわけではありません。例えば、「パン・ド・ロデヴ」という商品はライ麦から起こした「天然酵母」を使っています。内麦100%使用の商品です。
―――最初から内麦100%で作ったのですか。
権野 そうです。試しに作ってみたのですが、スタッフの受けが良くて、販売に踏み切りました。お客様の反応もよくて安心しました。今では、定番商品の一つです。この商品の生地にマカダミアナッツとチョコチップを加えたショコラの評判がいいですね。
―――内麦を使った商品は他にもありますか。
権野 「キタノカオリ100」という商品があります。まさにキタノカオリの全粒粉を100%使用した商品です。食事パンとして人気の一つです。
―――菓子パンにも内麦を使っていますか。
権野 菓子パンは内麦を使うとしっとり感が出ますね。と言っても、主原料は外麦です。内麦を混ぜることで商品そのものの良さが活かされているなと思われたパンに内麦を利用しています。
 内麦の使用量の違いはありますけど、トータルで見ると約8割の商品に内麦が使われています。内麦の使用量が増えたのは、あくまでも結果です。特に意識はしていません。
―――内麦を使うと価格に影響があるのでは。
権野 確かに値段は少し高くなります。7年前のオープン時と比較すると、原価率は上がっています。とりわけ、新商品を作ったときは少し高めの価格設定になってしまいます。原価とのバランスを取るのは難しいですね。
―――内麦の銘柄は。
権野 キタノカオリとユメチカラです。ユメチカラは食パンに使っています。スタンダードの食パンは外麦のみで製造しています。

ランチでパンの食べ放題も

―――先程ドンクで修業したとの話でしたが。
権野 10年間勤めました。独立して7年になります。
―――3年前には移転の話があるなど順調なようですね。
権野 そんなことはありません。1年目は大変でした。特に8月と9月には苦労しました。転機は2013年の2月にテレビ取材を受けたことです。風向きが変わりましたから。
―――以来順調ということですか。
権野 営業的には申し分ないと思っています。いま、製造担当者は4人です。平日は250人、土曜日は400人以上のお客様に利用していただいています。土曜日は母子連れが多いですね。売り上げ的には横ばいといったところですが、この夏は今のところ、落ちています。
―――カフェコーナーを設置したのはいつですか。
権野 開店して2年目です。隣のバーが店を閉めたので、カフェ用にと手に入れました。朝と昼に食事に利用していただいています。ランチの時のパンの食べ放題がお客様を呼び込んでいるのかも知れません。
―――これまでの積み重ねが新店舗づくりにつながったようですね。
権野 ここは私の地元です。店名は地元の仲間が気軽に来れるようにと名付けました。新たな店舗での商品作りに加えて、パン教室やマルシェなどを通じて、今以上に地域に溶け込めればと思っています。





原価計算女王
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