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| 連載/2025年7月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| Pythonで始めるAIによるドウコンディショナーの制御入門 - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(97) | |
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前回は、AIを利用した製パン機械の開発の可能性について、ドウコンディショナーを例にとって書きました。
今回は、いよいよ「Python(パイソン)」という言語を使って、AI制御の仕組みをどう作るかについて書きたいと思います。 といっても、AIについての専門的な知識がないと無理という話ではありません。今は、AI開発に必要な道具や仕組みが揃っていて、意外と簡単に始められる時代になっています。 Pythonで始めるAI開発 まず、Pythonとは何かについてですが、これは、AIの世界でよく使われている「コンピュータに命令を出すための言葉(プログラミング言語)」です。Pythonは世界中で人気があり、実はChatGPTもPythonで作られています。特別な道具がなくても、普通のパソコンに無料のソフトを入れればPythonでの開発ができるようになります。 その無料ソフトの代表が「Anaconda(アナコンダ)」というツールです。名前はちょっと怖そうですが、実際はとても親切なソフトで、AIを動かすための道具が一式そろっています。しかもすべて無料。ダウンロードしてパソコンにインストールすれば、すぐにPythonを使ってAIシステムの開発が始められます。 Pythonを使えば、カメラやセンサーで集めた画像や温湿度のデータをもとに、パン生地の発酵状態をAIで判定する仕組みを作ることができます。 「ゼロからAIを作るのは大変なのでは?」と思う方もいるかも知れませんが、そんなことはありません。 現在は、すでに多くのAIモデルが「学習済み」の状態で公開されており、誰でも無料で使うことができます。 ただこの状態では、例えば画像処理のAIモデルであれば、犬、猫、車、建物、人などの一般的な画像による学習はしていますが、パンの画像による学習はしていません。しかし、画像を見て特徴を抽出する能力には非常に優れているため、この能力を土台にして、様々なパン生地の発酵状態の画像を与えて学習させてやれば、比較的簡単にドウコンディショナー用の画像認識AIモデルができてしまいます。 このように、画像処理の基礎教育が徹底的に施された優秀な頭脳に、専門的な分野の追加学習をさせることを「ファインチューニング」といいます。 ファインチューニングでAIを育てる ファインチューニングでは、実際にカメラで撮影したパン生地の画像と、そのときの温度・湿度などの記録をセットで蓄積し、「このときの状態がちょうどよい発酵だった」という判断基準をAIに教えていきます。たとえば、数分おきに撮影した画像と環境データを日々記録していけば、「こういう条件のときにはこう膨らむ」といった関係を、AIが学び取れるようになります。このようにして、あなたのお店や製品にぴったり合った判定ができるAIが完成するのです。 ファインチューニングが完了した状態のAIとそれを制御するシステムが完成すると、「生地を夕方5時にセットし、翌朝10時半に成形したい」などとAIに伝えると、学習済みのデータと照らし合わせて、その生地に合った温度と湿度のスケジュールをAIが自動的に組み立ててくれます。 さらに、途中で予定が変更になった場合でも、「正午に成形するタイミングを変更したい」などと指示すれば、その時点から逆算して、最適なタイミングで発酵が終わるように調整してくれるのです。 ここで重要なのは、AIが「自分で判断してスケジュールを調整してくれる」という点です。これまでのように、人がすべてのスケジュールを手動で設定しなくても、AIが生地の状態や状況の変化に合わせて、柔軟に対応してくれるのです。 実際の運用では、ドウコンディショナーに温度センサーやカメラなどを取り付け、完成たAIシステムと繋げる必要があります。次回はその方法について書きたいと思います。(RO) |



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