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連載/2019年12月号

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伝統的製パン法を本質的に進化させる - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(31)
 製パン技術は日々進化しています。低温長時間発酵も以前は今ほど普及していませんでしたし、もっちりした食感を極めるための湯種法も、今は小麦粉の5倍の量の熱湯を加えてじっくりと練ってどろどろの湯種を作る方法が注目を集めているといいます。
 パンの焼成も、コンベクションオーブンを使って、クロワッサンやデニッシュだけではなく、食パンやハード系の食事パンも、機動的に焼いてしまおうという人たちが増えているといいます。パン生地の発酵管理についても、大勢の人がかかわる場合は、温度、湿度、時間と職人の感性で管理する方法よりも、生地の中心の温度で管理した方が、出来上がりのパンの品質が安定するという人たちもいます。
 先日取材した製パン講習会の講師は「手間暇かけて美味しいパンを作るのは誰でもできる。手を抜くところは抜いて効率的に美味しいパンを作ることこそ難しい」と話していました。
 また、別の講習会で講師を務めた有名ベーカリーのオーナーシェフは、「大御所が培ってきたクラシカルな製法は、素晴らしいが、それに手足を縛られてしまっては、時代に向き合っての進化が止まってしまう。労働環境や人手不足の問題など、今の課題を解決できるような、そして、パン職人の大御所の人たちが培ってきた製法のエッセンスをおさえつつも、それを超えるような新しい製パン法を開発していかなくてはならないと思う」と力説していました。まさにその通りだと思います。
 かつて日本にパン食が飛躍的に普及していった時代に、製パン工場での大型製パン機械を使った自動化ラインの大量生産というソリューションは、飛躍的に増大していたパンの需要を満たす手段の切り札でした。大きな横型ミキサーで大量に生地を仕込み、ラインに乗せて分割機で生地を分割し、オーバーヘッドプルファーで発酵をとり、モルダーで成形を施して、巨大なトンネルオーブンの中を通して、一気に焼き上げるという製法は、まさに文明の利器だったのだと思います。
 時代は進んで、今は人々の価値観が無限に多様化している世の中です。かつて文明の利器がもたらした大量生産大量消費のシステムは今なお世の中の主流ではありますが、人々は大手を振って、それを誇りとはしなくなりました。
 人々はむしろ、大量生産大量消費以前の価値観にかかわることを誇りとするようになっています。パンの世界でいえば、豊かさの象徴だった大型スーパーで買うカナダ産小麦の白い食パンよりも、個人経営の専門店で買う国産小麦の薄く色のついたパンの方に誇らしさを感じるようになりました。
 リテールベーカリーは、大量生産大量消費以前のクラシカルな価値を提供しているのだと思います。そして、そうした価値を改めて評価し、必要とする人たちが着実に増えています。
 この価値を共有する消費者たちのために、リテールベーカリーは、製パン技術を進化させていかなくてはなりません。この価値を提供するにあたって立ちふさがる労働環境や人手不足などの問題を解決するためにも、かつての大量生産の手法とは一線を画した、クラシカルな製パン技法をさらに進化させた新しい製パン技法を開発していかなくてはなりません。(RO)


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