サンセリテ高田知明氏による製パン特別講習会 - 日本食生活文化財団 - ブランスリー電子版


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講習会/2019年9月号

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サンセリテ高田知明氏による製パン特別講習会 - 日本食生活文化財団
和の断面
ソフトプレッツェル
塩バターロール
講師を務めた高田知明氏
講習会の様子
 一般財団法人日本食生活文化財団は6月12日、埼玉県戸田市の愛工舎製作所で、「サンセリテ高田知明氏による製パン特別講習会」と題したセミナーを開いた。講師を務めた埼玉県狭山市のベーカリー、サンセリテの高田知明社長は、繁盛店として定評のある同ベーカリーの売れ筋商品の製造実演を行った。講習品目は、抹茶をふんだんに使ったデザート感覚の食パンの「和」、ソフトプレッツェルのブーム時に商品化して以来未だに売れ続ける「ソフトプレッツェル」、同じく長く売れ続けている「塩バターロール」など。



ホシノ酵母を使った売れるパンの数々
講師を務めた高田知明氏
 高田知明講師の話 今日は当店で実際に作って販売し、よく売れている商品を紹介します。当店はすべてのパンにホシノ酵母を使っています。油脂や砂糖の配合量が多いパンはイーストを併用していて、それ以外のパンはホシノ酵母だけを使ってます。ホシノ酵母だけで作るパンは発酵をオーバーナイトで長くとります。この生地は、分割できるタイミングが長く続くのが特徴です。前日の同じ時間に仕込んだ生地を翌日の午前5時に分割しても午前10時に分割しても同じ味のパンができます。イーストだけの生地の場合はそうはいきません。小麦粉の旨味を最大限に引き出してくれるのがホシノ酵母だと思っています。
 うちの店は、保育園で子供を対象にパン教室を行います。子供たちと一緒にアンパンマンパンを作ります。子供パン教室で撮った写真を使ってパンのカレンダーも作っています。美味しいパンを作るだけでは、繁盛店にはなれません。いろいろ販促活動を地道にやって、地域に浸透して、初めてパンは売れるようになります。



切り口は抹茶と黒ごまの渦巻き模様
写真1
写真2
写真3
写真4
 抹茶と黒ごまのハーモニーをフィーチャーしたデザート感覚の食パン。

【発酵種配合%】
内麦粉(北のかおり)‥‥‥‥‥24
ホシノ丹沢酵母パン種生種‥4・8
天日塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・4
三温糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥2・4
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥24
【工程】
手で混ぜ合わせ、20度Cのドウコンディショナーに14〜16時間入れる
【本仕込配合%】
内麦粉(ゆめちからブレンド)‥76
三温糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥15
天日塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・2
豆乳‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
豆乳ペースト(マメマージュ)‥10
ホシノ丹沢酵母パン種生種‥‥10
発酵種‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥全量
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥20
【工程】
ミキシング‥‥‥L3分M8分(豆乳ペースト投入)L1分M2分(生地をいったん取り上げ、2分割して、半分の生地(3300グラム)に、大白ごま油75グラム、狭山抹茶22グラムを合わせて、もう半分の生地(3300グラム)には、黒ごまペースト300グラムを合わせて、それぞれL1分M3分ミキシングする)
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥26度C
一時発酵‥‥‥‥‥38度C1時間
分割‥‥‥狭山抹茶入りの生地(抹茶生地)、黒ごまペースト入りの生地(黒ごま生地)とも200グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥30分
成形‥①抹茶生地と黒ごま生地を綿棒でそれぞれ縦25センチ、横20センチにのばして(写真1)、2枚を重ね合わせる②黒ごま生地を上にして大納言小豆80グラムをのせ、太巻きの要領で巻く③別途抹茶生地と黒ごま生地を綿棒でのばして重ね合わせロールし、包丁で薄くカットする(写真2)④黒ごま生地を薄くのばし、その上に(3)を少し重なり合うように(魚の鱗のように)並べ(写真3)、綿棒で薄くのばす(写真4)⑤(4)を(2)の上にかぶせるようにしてのせ密着させる⑥(5)を焼成型に入れる(写真5
ホイロ‥‥38度C1時間(写真6
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火180度C下火250度C35分〜
 高田講師のコメント 狭山茶で有名な埼玉県狭山市でパン屋を営んで40年になる。その狭山茶を使用した製品だ。抹茶と相性がいい豆乳と黒ごまを使用した。どれも和の食材で、健康的なイメージがあり、栄養豊かな食材だ。家族や友達同士で分け合って食べる団らんのシーンをイメージして、本体をスライスした際に現れる渦巻き模様と、上にのせた生地の渦巻き模様で「輪」も表現した。酵母も和にこだわり、麹の酵母であるホシノ酵母を使用した。3時のおやつに生クリームなどを添えて食べてほしいデザート食パンだ。



写真5
写真6

ソフトプレッツェル
ソフトプレッツェル
写真7
写真8
写真9
 ブームになった時から作っていて、今だによく売れている商品。

【配合%】
強力粉(イーグル)‥‥‥‥‥‥70
フランスパン用粉(リスドオル)‥30
三温糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8
天日塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・5
ホシノ丹沢酵母パン種生種‥‥8
▼ホシノ加糖ポーリッシュ‥‥25
ショートニング‥‥‥‥‥‥‥3
モルト‥‥‥‥‥‥‥‥‥0・5
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥43
【工程】
ミキシング‥‥‥‥L4分M8分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥25度C
フロアタイム‥‥‥‥‥‥‥‥‥
‥‥‥1時間(その後5度C一晩)
大分割‥‥‥‥‥1900グラム
成形‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥①1900グラムの生地を8ミリ厚にまでのばし、2つ折りにしたものを、短辺に沿って紐状に16等分する②(1)をまっすぐにしてさらにのばし(写真7)、プレッツェルの形にして(写真8)、重曹10%の水溶液に浸し(写真9)、天板に並べる
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火300度C下火300度C6分(焼成後溶かしバターに浸ける)
 高田講師の話 ずいぶん前からやっているが、今だによく売れる。成形してすぐに焼けるので、追加がしやすいのが利点のひとつ。原価は非常に安いが、結構いい値段がとれるのも利点。

塩バターロール
塩バターロール
写真10
写真11
写真12
 さくっとした食感とぱりっとした食感を併せ持った個性豊かな製品。

【配合%】
強力粉(モンスティル)‥‥‥‥‥90
内麦粉(北のかおり)‥‥‥‥‥‥10
三温糖‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥10
天日塩‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1・8
ホシノ丹沢酵母パン種生種‥‥‥6
ショートニング‥‥‥‥‥‥‥‥3
水‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥55〜
【工程】
ミキシング‥‥‥‥‥‥‥‥L3分M5分(ショートニング投入)M5分
捏ね上げ温度‥‥‥‥‥‥‥22度C
フロアタイム‥‥20度C12〜14時間
分割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥60グラム
ベンチタイム‥‥‥‥‥‥‥‥30分
成形‥‥‥‥‥‥長くのばして、端にバター10グラムをのせ、巻き込む
ホイロ‥‥‥‥‥‥‥‥‥38度C1時間(写真10、ホイロ後岩塩をふる)
焼成‥‥‥‥‥‥‥‥‥上火250度C下火230度C10分(写真11、焼成後溶かしバターを塗る=写真12
 高田講師のコメント クロワッサンのようにバターが溶けない温度でではなく38度でホイロを出しているので、ホイロ終了時にはバターが生地の表面にしみ出してくる。そこに軽く霧をふいて、岩塩をふって焼成する。1個ずつ入れるための浅い溝があるローパン用の天板で焼いているが、しみ出してきたバターがその溝にたまって、それをオーブンに入れて焼くと、バターで揚げたような感じになって、ぱりっとして、同時にさくっとした食感に仕上がる。


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