黒ケシの実はドイツパンに欠かせない味わい - ヒンメル - ブランスリー電子版


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タイアップ企画/2017年9月号

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黒ケシの実はドイツパンに欠かせない味わい - ヒンメル
金長暢之オーナーシェフ
「モーンバックマッセ」を使用した「モーンデニッシュ」(税込140円)。細かな層の上に粉糖がかかり洋菓子のような美しさ
看板商品の「クラプフェン」。シナモン味もある
人気商品の「ツォイスシュタンゲン」
「ヒンメル」の外観
大和貿易の「モーンバックマッセ」を使用した「モーンデニッシュ」

ドイツで培った本場の味と技術を生かしてパン作りをする東京・大田区の「ヒンメル」。オーナーシェフの金長暢之さんは、今も毎年一度は自らドイツに渡航し現地のベーカリーで研修を続け、勤続3年以上の社員をドイツでの5日間の製パン研修に送っている。現地のレシピから離れないことを大事に考える同店にとって、ケシの実のペースト「モーンバックマッセ」は、ドイツパンに欠かせない大切な食材のひとつだ。

ドイツ本国で感じ取ったおいしさ

 「ヒンメル」のオーナーシェフ、金長暢之さんは、日本のベーカリーでの修業を経て、ドイツの都市、デュッセルドルフのベーカリーでおよそ2年間修業し、ドイツパンを得意とするブーランジェだ。同店の人気商品の多くは、金長さんのドイツの修業先のベーカリーで食べたおいしいパンを見本にして開発されたものだ。
 開業から9年間継続して一番人気の座をキープする「クラプフェン」(税込170円)もそのひとつ。同商品は金長さんが修業先で「何よりも美味しい」と心を動かされたパンだという。
 小麦粉、バター、卵、レーズンなどを配合した生地を油で揚げ、グラニュー糖をまぶした商品で、からっと揚げられた表面に対し、中は、柔らかな食感となっている。シュー皮のように中に大きな空洞があり、とろっとしたクリームのような皮の内側の食感も心地よい。
 また、青唐辛子と山羊のチーズを生地に練り込んだハード系のドイツパン「ツォイスシュタンゲン」(税込360円)も、ドイツの修業先で作っていた商品にヒントを得て、金長さんが日本で独自にアレンジして再現した商品だ。
 一方で、同店は、ドイツパンの他に、焼き込み調理パン、菓子パン、焼き菓子なども品揃えに加え、約70品目に及ぶ幅広い商品を揃えている。

ドイツで深まったモーンペーストへの興味

 「ヒンメル」では、「モーンバックマッセ」を使用した商品「モーンデニッシュ」(税込140円)も、長年の人気商品として継続させている。
 商品開発への向上心と、品質を重んじる姿勢を貫き、人気商品を次々と生み出す金長さんは、黒ケシの実のペースト(モーンペースト)には、日本での修業時代から興味を持っていたというが、その興味はドイツに行ってさらに深まったという。
 「ドイツパンにモーンペーストの存在は欠かせないですし、食べると美味しくてすごく好きになるんです。ドイツパンが好きなパン職人は、モーンペーストを使った商品を作りたい人が多いのではないでしょうか」(金長さん)
 モーンを食べ慣れない日本の食生活では、ドイツ流のモーンペーストが使われたパンは馴染みが薄いともいえるが、実は、黒けしの実自体は、日本のベーカリーでも、色々なところで使われている。
 「あまり意識されていませんが、黒ケシの実は、割と使われています。当店ではカイザーを5種類作っていて、表面にトッピングしてクープが一番きれいに出るのは黒ケシの実です。あんぱんにケシの実をトッピングするように、飾りでの使い方もありますが、ケシの実の味を楽しむ機会は欧風パンの普及で確実に増えて来ていると言えます」(金長さん)



安価な提供が可能になった - 金長暢之オーナーシェフに聞く
「モーンデニッシュ」の断面。クルミにたっぷりと絡むモーンの上品な甘さが絶妙。高級洋菓子を食べた満足感が得られる
本格的ドイツパンのほかにも、フランスパン、日本のパンなど色とりどりのパンが並ぶ店内
売り場から見通せる厨房。製造現場の見えるベーカリーは客の信頼も厚い
──貴店の「モーンバックマッセ」を使用した商品について教えて下さい。
金長
 「モーンデニッシュ」という商品を長い間作っています。「モーンバックマッセ」とカスターを1対1の比率で合わせて混ぜ、デニッシュ生地で巻いて作ります。
 ドイツでモーンペーストの入ったパンを食べると本当に美味しいんです。自分の店でも商品にしたいと思っていたのですが、材料を探していたら当時とても高かったんです。これでは手頃な値段で売り出せないとしばらく諦めていたのですが、数年後に材料の価格が下がって来て「よし」と、商品化に着手しました。
 私は定期的にドイツに行って、自分のパンが現地の味と離れていないかチェックしています。出来るだけドイツの味に添ったものを日本で提供したいからです。「モーンバックマッセ」はそういう観点から品質がいいと判断して導入しました。
 売れ行きは一日10個程度です。主力商品ではありませんが、5年以上の間、毎日売れますし、固定ファンがついてくれたのだと思います。ドイツパンを扱っているベーカリーですから、モーンの味を提供する商品があるのは大事なことだと思っています。
──「モーンバックマッセ」はどのような使い方をするのに適していると思われますか?
金長
 ペーストの中につぶつぶ感があるのがモーンペーストの魅力です。私はこれをフィリングとして、ある程度素材のまとまった状態でその食感と味を楽しんでもらうのがいいと考えて「モーンデニッシュ」を作りました。別の商品で使うとしても、同じように、モーンの食感と味を提供できる使い方がいいと思っています。
──今後の「モーンバックマッセ」を使った商品開発で、やってみたいことなどがあればお聞かせ下さい。
金長
 ドイツで、デニッシュにホエイとモーンペーストを混ぜたものをクリーム状にして、デニッシュ生地に入れて巻いた菓子パンを見た記憶があります。ドイツでの使われ方をヒントに新しいレシピを考えると面白いでしょうね。
 焼き菓子に入れたり、ライ麦パンのトッピングとして使ったり、サンドイッチに使ったりしたら面白いのではないかと思います。アイデアは色々浮かびますね。生地にモーンペーストをのせて巻くと断面にも個性が出ますし、白あんとも味の相性が良さそうに思います。
 ただ、あまりドイツの商品から離れた創作パンにはしたくないですね。「モーンデニッシュ」も、食べたお客様に「ドイツで食べたパンみたい」「ドイツパンの味ってこうだよね」などと言っていただけると嬉しいですから。
 モーンを初めて食べる人もいるでしょうから、モーンペーストのいいところを提供できるパンがやはり一番いいと思います。これまで日本であまり知られていなかったモーンペーストという食材の美味しさを、本格的なドイツパンを提供できる店が、協力し合って伝えていけたら、お客様にももっとパン食を楽しんでもらえるでしょうね。



黒ケシの実ペースト、モーンバックマッセ
ドイツやオーストリアでパン・洋菓子によく使用される黒ケシの実のペーストです。パイやデニッシュ、シュトーレン等の生地にご使用頂けます。






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