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| 「ブリオッシュアプリコット」(税込230円、左)など | | | 店名が商品名になった「アカリブレッド」(税込330円) | | | 刻んだキャベツを練り込んだ生地にアンチョビバターを包んだ「アンチョビキャベツ」(左、税込み210円) | | | レジ横に2種類のバゲットが並ぶ。麺用粉を配合した生地を、冷蔵長時間発酵をとり、甘味ともっちり感を出した「トラディショナルバゲット」と、石臼粉を配合し、ポーリッシュ種で仕込んだ「レトロバゲット」で、価格はどちらも税込み270円 | | | ホットケーキのようなふわふわの食感の「ブリオッシュ」(税込み230円)。有塩バターと砂糖、生クリームを塗って焼き上げているので、塩気とジューシーさがポイントになっている。乾燥を防ぐため紙に包んで陳列 | | | 「イングリッシュマフィン」(税込み180円)。チェダーチーズとクルミが入っている | | |
売りたい価格をまず決める パンは、店内中央に設置された陳列台と、壁面の棚に並んでいる。 壁面の棚には、「アカリブレッド」(税込330円)と「イギリスパン」(税込270円)の2種類の食パン、「カンパーニュ」(ハーフ税込300円)などのハード系、そして菓子パンの定番と言える「アンパン」(税込160円)、「クリームパン」(税込160円)、「メロンパン」(税込170円)が陳列されている。 中央の台には、「ブリオッシュアプリコット」(税込230円)や「モーンクーヘン」(税込200円)などブリオッシュ生地を使った菓子パンや、「バジルソースフォカッチャ」(税込200円)や「トマトソースフォカッチャ」(税込200円)など惣菜パンが並ぶ。こうして見てみると、食パンや大型のハード系以外の価格はどれも、250円以下に抑えられている。 「何よりもまず、日常買える値段でなければいけないと思っています。ですので最初に、いくらで売るかを決めます。それから原価、材料は何を使うかなどが決まります」(高山さん) 高山さんは製菓学校を卒業後、ホテル、フレンチレストラン、個人のベーカリーと様々な業態の店で働いて17年間を過ごした後、同店を開業した。パンに使う材料も様々で、特に、菓子と同じ厨房環境だったというホテルでは、菓子にも使う材料など、高価なものも扱っていた。 「最初に使う材料から決めてしまうと、売価が際限なくなってしまいます。修行時代にパンを買っていた頃は、勉強のためなので値段は関係なく買っていました。しかし、お客様にとってパンは、日常のお金で買うものですから、無理なく買える値段であることが前提でなければいけません。開業してからは、お客様の感覚を忘れないようにしなければということを、強く意識するようになりました」(高山さん) 高山さんは、製菓学校卒業後に勤務した浅草ビューホテルで、当時シェフだった小倉孝樹氏(現ムッシュイワンシェフ)に従事した。それを機に、開業前は東京・立川市のベーカリームッシュイワンに6年間勤務し、店長を務めた。 「特に売上げ管理をさせてもらえたことがとても勉強になりました。それまで、ホテルなどではできなかったことですから」(高山さん) 食パンだけは閉店するまで切らさない 現在パンは約40種類ある。生地数は10種類ほど仕込む。食パンとバゲット以外の、冷蔵長時間発酵をとる生地は、高山さんが一人で、2〜3日分を一気に仕込むという。 「種類は、食べやすいものを中心に徐々に増やしていきたいです。まずやりたいのは、焼き菓子とサンドイッチですね。デニッシュやドーナツはなくても言われないのですが、『サンドイッチが食べたい』という声はよく伺います」(高山さん) 品揃えで注意していることは、「アカリブレッド」などの食パンを切らさないことだという。 「ベーカリーとしては、焼きたてのパンがあることを重視すべきだと思っていました。ですが、実際開業して感じたことは、いつ来ても食パンのある店にしたいということです」(高山さん) 同店は、午後2時から3時までの1時間一時閉店する。その間製造に徹するのだが、食パンを中心に製造する。 「午後は、翌朝並べる分の食パンも合わせて焼いていきます。閉店まで食パンを切らさないためと、前日焼いたものであれば、スライスして朝から並べることができるからです。焼いた翌日もしっとりおいしく食べられるように、湯だね製法で仕込み、ガスオーブンで焼いています」(高山さん) いつ来ても、食パンだけは必ずあるという安心感を、常連客に与えている同店。常連客にとって同店は、日常生活のよりどころのような存在となっていきそうだ。 SHOP店名:アカリベーカリー 住所:〒186‐0004 東京都国立市中1‐7‐64 電話:042‐505‐4263 営業時間:午前10時〜午後2時、午後3時〜午後7時 定休日:日曜、月曜 品揃え:40品目 スタッフ:製造常時2人、販売常時2人 店舗面積:売り場7坪、厨房10坪 日商:12万円
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この記事の読みどころ
●毎日無理なく買える価格の「日々のパン」。 ●商品を開発するときは、まず価格を決める。 ●厨房からの「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」の声が、売り場の雰囲気を盛り上げる。 ●「焼きたて」より、「いつも食パンがある安心感」。
※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。
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編集部からひとこと:
アカリベーカリーは、毎日無理なく買える価格の「日々のパン」を大事にしています。厨房から聞こえる「いらっしゃいませ」の声に、店の誠実さが感じられます。
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