あなたの店を地域に住む何割の人が知っていますか?あなたのパンを地域の人たちの評価のまな板にどうやってのせるか? - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(59) - ブランスリー電子版

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連載/2022年5月号

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あなたの店を地域に住む何割の人が知っていますか?あなたのパンを地域の人たちの評価のまな板にどうやってのせるか? - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(59)
 長い間紙媒体と関わってきたせいか、文字や画像を紙に印刷して情報を伝えることについては、論理的にどうのこうのという前に、私の心に直に流れ込んでくる甘い蜜のような魅惑があります。文字や画像がインクによって印刷された紙は、その物理的な匂いや肌触りによっても私を魅了します。
 私がこれまでいろいろなパン屋を取材してきて、最も印象に残っているものの一つに、ある食パンのおいしさを伝える一枚のチラシがありました。そして、あるパン屋に取材に行った時に感じた売り場の重い空気感とオーナーシェフのパンに対するある種の屈折感を含んだ強い想いを、今でもよく覚えています。「うまいパンを作ってさえいれば、客は買っていくんだ」と言い切った彼の眼は少し怖かったように記憶してます。おそらくこの時、彼の店は、売れていなかったと思います。
 そして、数年が経って再び彼の店を訪ねた時の様子も鮮明に印象に残っています。私が店にいる間中、客が途切れることがなく、明らかに繁盛店に変わっていました。売り場面積が10坪にも満たない小さな店で、おそらく日商は30万円を超えていました。(今は80万円を超えているそうです。)
 この潮目の大きな変わりめの場面に、前述の食パンのチラシがあったのです。オーナーシェフはもともと自信作だった食パンにさらに磨きをかけ、勝負に出たのでした。ある人からふとした気づきを得て、「いくらおいしい食パンでも、そのことを伝える努力をしなければ、誰も気づいてくれないし、気づいてくれなければ、おいしいかどうかの判断すらしてもらえない」と悟ったのでした。
 そんな想いのたけを詰め込んだチラシを地道に近くの団地を中心に配りました。一階の集合ポストに入れても見てもらえないと判断し、階段をのぼって、玄関のドアポストに一軒一軒入れて回りました。一軒のパン屋の運命を変えたのは、紙に印刷されたオーナーシェフの想いだったのです。
 本当にすごい人は、自分の作り出すものが他人に評価されるかどうかには一切関係なく、自分がいいと信じる作品を作るためのモチベーションと集中力を一生維持する能力を持っているといいますが、とはいっても、自分がいいと思うものを、ほかの多くの人に評価してもらって、悪い気がする人はいないと思います。
 ましてや、作品がパンであるなら、誰も評価してくれなければ、店は潰れてしまいます。自分のパンはもっと評価されてもいいのではないかと思っているオーナーシェフの方々も少なくないのではないかと思います。
 地域密着のパン屋であれば、評価を仰ぐ人は地域の人たちに限定されるわけですから、あなたの自信作を、地域の人たちの評価のまな板の上にのせるのはそれほど難しくありません。「今さら何を」とおっしゃるかも知れませんが、あなたの店の存在を知らない人は意外と多いかも知れません。
 紙媒体を愛する私としては、チラシのポスティングをお勧めします。そして自分の感性でデザインを考えることをお勧めします。印刷代は今は信じられないくらい安くなっています。スタッフ全員で手分けしてポスティングすれば、費用も掛からないし、スタッフの士気も上がるというものです。
 紙媒体のチラシは絶対お勧めですが、もう一つ私が推奨するのは、SNSのフェイスブックです。オーナーシェフのフェイスブックアカウントを作って、自分のパンへの想いを投稿するのです。地域の多くの人達の目に入るようになるまでにはある程度時間がかかるので、自分の投稿をフェイスブック用の広告として利用することもできます。確か、期間は5日から1週間程度で料金は3000円ぐらいです。安い割には優れものの広告で、見てもらう相手を、「店がある地域の人たち」に限定できるのです。すなわち、あなたの店がある地域に住んでいてフェイスブックのアカウントを持つかなり多くの人にあなたの想いをすぐに伝えることができるのです。
 とにかく一人でも多くの人にあなたの店の存在を知ってもらうことが大切だと思います。(RO)








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