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| 連載/2022年1月号 |
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| 売上額は客数掛ける客単価。客数がゼロなら客単価は存在しない。商売は客が来て初めて成り立つ - 私の販売集大成ノート(16) | |
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閉店時間の午後8時になっても来店客はなし
デパートの地下食品売場のメイン通りに面したポンパドウルでは、午前10時の開店に向けて皆が忙しく働いていた。製造販売のメンバー全員が出席しての朝礼時に60万円の売上目標がマネージャーから指示された。全ての陳列ケースには品質も良く見栄えのするセンスの良い製品が見事に陳列されていた。品種も豊かで選ぶ楽しさに満ち溢れていた。店の床も輝きゴミ一つ無い清潔な状態だ。活気ある接客コールの練習も終えたばかりだ。製造メンバーは焼きたて、出来たての製品を提供しようと皆一生懸命だ。メンバーにやる気満々の表情が見られた。準備はポンパドウルの販売マニュアル通りで非の打ち所のない状態であった。開店を知らせる音楽が食品売場に流れると同時に、お客様は思い思いの店に向かう。開店後1時間が過ぎ、3時間、4時間経ってもポンパドウルに来店客はない。他の店は多くのお客様で賑わっている。時は進み夕方のピーク時が過ぎ、閉店時間を告げる音楽が食品売場に流れた。午後8時を迎えて9時間、誰一人として来店はなかった。その日初めて稼働するレジスターは、当然売上ゼロ円を記録した。 客が来なければ商売は成立しない 私はこの架空の例を販売課長時代、販売会議や研修時に多用した。お客様に来店して頂き、お買い上げ頂く事が如何に大切であるかを説く為であり、販売に必要な仕事は何かを説く為であった。売上額は客数掛ける客単価である。一方がゼロであれば当然売上額もゼロである。客数が無ければ客単価は存在しない。商売は客数があって初めて成り立つことを理解して貰うために、敢えて来店客ゼロというミステリアスで極端な例を用いた。来店客が無ければ店はパンがやたらと置いてあるただの部屋に過ぎない。 今、この状態に近い事をコロナ感染拡大の中で我々は実感している。人流や就業形態の変化に伴う、売上の大幅ダウンを多くの店で実体験している。お客様は神様であると言った人がいる。名言だと思う。あるいは、お客様は仏様かも知れない。 客数が減少する要因と客単価が減少する要因 客数が減少する要因にはどの様なものがあるか挙げてみた。「晴、雨、雪、気温等の天気の状況」「地震、台風の自然災害」「世界中に襲い掛かるコロナなどの疫病」「交通アクセス障害」「周辺競合店の品種、価格、イベントの動向」「自店のアピール度合い」「パブリシティーの露出度合い」「食中毒等のクライシス状態」「サービス、接客、製品へのクレーム発生による信頼喪失」「品種、品数不足」「購買傾向に合わない品揃え」「時の経済状況」等々。 一方、売上を構成する客単価が減少する要因はどうか。「オーダーミスによる中間欠品やピーク時のチャンスロス」「周辺競合店の品種、価格、イベントの動向」「購買傾向に合わない品揃え」「関連商品の販売状況」「イベント、陳列等での販売提案不足」「品質の不安定」「時の経済状況」等々。 以上、客数と客単価の減少要因に絞って一般的な要因を挙げたが、地域性や立地条件などで他にも様々な要因があると思われる。 客数減、客単価減の外的要因と内的要因 こうしてみると客数減、客単価減のいずれにも外的要因と内的要因がある。外的要因の対策は、外の状況変化に対して情報網を広く持ち早い対応をする事である。例えばオーダー作成時に、台風の進路予測を聞き、必要な対応を直ぐに実行することなどだ。 内的要因の対策は仕事の無理、無駄、むらをなくすことだ。仕事内容をチェックし改善することが求められる。 売上がダウン傾向になったら、客数が、客単価がどのように変化しているかを分解する事から始めて、売上げを阻害するボトルネックが何かを早急に確実に掴み、そこに集中的に対策を打つ事だ。 「現状は、いずれも昨対で、客数が90%、単価が100%。今月末迄に客数を最低昨対100%にする為に、新製品の売り込み強化をします」 売上を上げろの一点張りの掛け声だけでは無く、このように、何をどの様にどこ迄改善するかを明確にして成果に結び付けなくてはならない。 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。 |




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