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お店拝見/2020年8月号

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オンライン販売でロス対策 - パンデュース本店
パンデュースの米山雅彦シェフ
「パンデュース本店」の外観
農家直送のほうれん草をたっぷり使用した「ほうれん草とゴルゴンゾーラのガレット」(税込350円)
ネギとブルーチーズのタルティーヌ」(税込480円)
赤、黄、オレンジ色の色鮮やかな野菜がのった「チョリソーのドックパン」(税込390円)
提携農家直送の食材を活かすパン作り

大阪市中央区のビジネス街にあるベーカリー「パンデュース本店」。2004年の開業時から、国産小麦と農家直送野菜のおいしさを引き出すパン作りを行ってきた。
 「当時は国産小麦を使う店は少なく、国産小麦のパンは、業界内でも品質や味の面でまだ認められていないところがありました」
 こう話すのは、シェフを務める米山雅彦さん。同店で使用する小麦やライ麦は100%国産だ。北海道や熊本の小麦農家とは直接交流を重ねており、毎年畑へスタッフらと一緒に訪ねたり、反対に農閑期に同店へ来てもらうなどしている。
 こうした親交の深い農家が、有機栽培した「ゆめちから」と「ミナミノカオリ」の全粒粉を使用して作る「パン・オ・ルヴァン」(4分の1サイズ税込430円)や「カントリーブレッド」(4分の1サイズ税込450円)などは、いずれもリーンな材料であるからこそ、小麦由来の風味が豊かに感じられる製品となっている。小麦は、同店の石臼で、使う直前に挽いて使うものもあり、風味の良さを大切にしている。
 野菜の生産農家とも、長い付き合いで築いた信頼関係は厚い。直送で届く野菜は、農家一押しの旬野菜として受け止め、一つひとつ活かし方を見極めて調理する。出来上がった製品は、畑の今を伝える季節商品となって、同店の売り場を彩る。
 こうした野菜は、ガレットやタルティーヌ、ピザなどのトッピングとして多用される。例えば、「ほうれん草とゴルゴンゾーラのガレット」(税込350円)や「ネギとブルーチーズのタルティーヌ」(税込480円)などだ。使用されている野菜は色味が活かされ、見た目にもボリュームがあり、わき役というより主役といえる存在感を放っている。「チョリソーのドックパン」(税込390円)も、赤、黄、オレンジ色の色鮮やかな野菜のトッピングが、チョリソーを覆い隠すかのようだ。

多店舗展開と労働環境の改善

 「パンデュース」は本店を合わせて大阪市内に5店舗あるが、どの店舗も出店場所が百貨店内や駅構内といったように立地の特徴が異なり、それに合わせて業態を変えている。例えば2店舗目となった商業施設内の2階にある淀屋橋店は、レストラン機能が主体となった「ブーランジェリー・ダイニング」で、メニューはパンを使ったもの以外に、パスタやグラタン、ピッツァなどのメニューが揃う。パンは、販売もしており本店から配送している。
 「2店舗目を出すとき、声をかけてもらうまでは積極的に考えていませんでした。そして出店するならパン屋ではなく、レストランとか違った形式の店がいいと思っていました」(米山さん)
 駅構内に立地する店舗は2つある。JR大阪駅の店は製造販売、JR新大阪駅の店は販売のみをそれぞれ行う。JR大阪駅の店は、立地的に厳しい条件をクリアしてでも、オールスクラッチにしたいという強い希望があったという。
 「駅構内という限られたスペースにわざわざ厨房を設けた一番の目的は、職人が毎日、粉を浴びて作っている姿を見てもらうためです。うちの店に限らず、パン職人は手作りで一所懸命作っているということを、伝えられる場になればと思いました。ですので店の造りは、前を歩く人から厨房の様子が見えるようにしています。出店して8年くらい経って、今振り返ってみても、よくやったなと思います」(米山さん)
 店舗を増やしたことは、労働環境の改善につながったという。
 「拠点を増やすことになってスタッフの負担になると考えていましたが、分母を増やして経営面の安定を図ることによって、休みの年間の日数は、目標を達成できました。ですが、時間数の達成はまだこれからです。働き方の改善は、本店を開業してから約15年間、ずっと課題となっています」(米山さん)



冷凍便で届く「パンデュースのハード系セット」。商品には礼状が添えられている。
「パン・オ・ルヴァン」(4分の1カット税込430円)
「カントリーブレッド」(4分の1カット税込450円)
オンラインショップで高品質なパンの提供

 今回の緊急事態宣言による休業要請が出て、約1カ月間休業を余儀なくされた店舗は4店舗。駅構内や商業施設内の立地であったためだ。路面店の本店のみ、営業を続けられた。
 「本店もビジネス街にあるので影響は大きく、リモートワークをする人が増えるなどし、商圏内の人口減少をまざまざと感じました。でもわざわざ家から買いに来てくださる方がいたり、休業している4店舗の常連さんに来てもらえたりして、本店だけの売上げとしては維持できました」(米山さん)
 休業要請が解除となり、現在は全店が営業しているが、依然として厳しい状況は続いているという。
 「特に新大阪駅構内は人がまだ少ないですし、すぐに元通りとはいきませんね」(米山さん)
 こうした事態を想定し、3月下旬からオンラインでの販売を始めたのだが、ロス対策のために企画していた商品が役立った。
 「日本の食品廃棄率が高いことが問題になっていますが、当店でも削減できるよう取り組んできました。その一環として、ロスとなってしまった商品を詰め合わせて『もったいないセット』として格安で販売するということを昨年から計画していました。現在、オンラインで通常の商品と『もったいないセット』の販売をしていますが、どちらも好調です」(米山さん)
 オンラインで販売するパンはすべて冷凍している。この冷凍の仕方が重要だという。
 「焼成後冷凍や生地冷凍の用途で、3〜4年前に購入し、テストしていた特殊な冷凍庫があります。食品が劣化しないよう、離水を防いだりする特徴があるので、パンの風味や食感が、店頭で購入したときと同等の品質を保つことができます」(米山さん)
 特に同店人気の野菜を使ったパンには、同冷凍庫の特徴が発揮されるという。解凍時に野菜の水分が染み出てパンがべちゃっとすることを防げるのだ。
 「今後オンラインで各ショップの競争が激しくなっていく中で、当店はクオリティーの高さを打ち出していきたいと思っています」(米山さん)
 オンラインショップで先日、提携農家の小麦を使用した同店オリジナルブレンドの小麦粉の販売も開始した。商品の独自性も大事に、オンラインショップの充実を図っていきたいという。

SHOP DATA
店名:パンデュース本店
住所:〒541‐0047 大阪府大阪市中央区淡路町4-3-1
電話:06‐6205‐7720
営業時間:午前7時〜午後8時(土日祝は午後6時まで)
定休日:日曜
品揃え:約100品目
スタッフ:厨房常時7人、販売常時2人
店舗面積:売り場9坪、厨房9坪
日商:約25万円



この記事の読みどころ

●国産の野菜と小麦を大事にする姿勢が、パンの表情に明確に表れている。
●パン職人がひたむきにパンを作る姿を多くの人に見てほしかった。
●コロナ禍で本店以外は休業を余儀なくされ、ネット販売を始めた。
●ネット販売では、ロスパンのセットの格安販売も。

※あくまで編集部からの提案です。このほかにも様々な読みどころがあると思いますので、読者の皆様の視点で、エッセンスを抽出してください。




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