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| 特集/2014年4月号 |
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| 特集 ベーカリーのカフェ
ベーカリーのカフェは...
「パンについての質問に答える場」(パン オ フゥ、佐藤崇裕シェフ) 「有償のテイスティングコーナー」(ムッシュイワン、小倉孝樹シェフ) |


| 気に入ったパンをその場で食べ、その味わいを楽しんでもらう空間 - ムッシュイワン | |||||||||||||||||||
東京・立川市にあるハード系主体の人気ベーカリー「ムッシュイワン」。ホテルベーカリーを源流とする高級志向の同店は、店内の20席の客席を「イートイン」と自称するものの、そのクオリティーは趣向性を重んじるカフェと呼ぶにふさわしい。テーブルセットを、内装と調和する暗めの色味で揃え、ベーカリーコーナーの奥にある客席も引き続きムッシュイワンのゆとりある雰囲気を楽しめるつくりになっている。空間を感じる客席は広々とした配置になっており、荷物の置けるバスケットも用意されている。イートインは最低限のスペース内で手早く食事を終える場所としてつくられていることが多いが、ムッシュイワンのイートインの雰囲気は、それとは一線を画している。 同店オーナーシェフの小倉孝樹さんは、この場を「有償のテイスティングコーナー」と見立てている。このコンセプトは開業当時から続くものだ。 「リラックスしたり、長時間過ごしたりする場としてのカフェではなく、店内の気に入ったパンをその場で食べ、味わいを楽しんでもらう空間です。リベイクを味わってもらうこともできますし、こういったコーナーを用意することで、パンの食べ方の提案もしやすいんです」と小倉さん。 ドリンク類もこだわりの品が揃う 同店のイートインで提供される紅茶やコーヒーもまた、一定の水準をクリアしたこだわりの品だ。ポットで提供されるダージリンティー(480円)には、お茶の温度を保ち、見た目もかわいらしいティーポットカバーが添えてある。レギュラーコーヒー(ホット、アイスとも350円、朝11時までは200円)は厳選されたウィンナコーヒーを提供している。 「コーヒーもイタリアンコーヒーを使ってみようかなどと、常に良いものを探していますし、茶葉も専門店から購入しています。パンとの相性を考えて、パンと共に提供するメニューを企画しているのです。なので、スープやサラダも含めて、選りすぐりのメニューの中から好きなものを選んで味わって頂く、フードコート形式といった方が適切かもしれません」(小倉さん) 土日はハード系の試食も行っている。タプナードやオリーブオイル、リエットなどの塗り物を用意し、客に勧める。 「実はイートインコーナーの客入りは、販売スタッフのスキルに掛かっています。いわゆるソフト系のパンは見た目で味わいの想像がつきますが、当店の主軸であるハード系のパンは見た目で味わいの想像ができません。だからハード系を売るにはサービスのスキルが問われます。試食もお客様への提案の意味合いのほかに、販売スタッフのサービスを向上させる目的もあるんです。また、販売スキルが上がるほど、イートインの利用者が増えるものです」(小倉さん) 本格的なナポリピッツアも そんな中、同店でブラッシュアップが進められているのがナポリピッツァだ。現在メニューは3種。「マリナーラ」(380円)、「マルゲリータ」(560円)、「気まぐれピッツァ」(560円)。導入してから1年3カ月、平日土日共に1日約30食売れている。ナポリピッツァについて小倉さんは「ピザというと一般的に宅配ピザのイメージが強いと思います。肉厚な生地にたっぷりの具材がのっていて、大きなサイズをカットして複数の人でシェアして食べるピザですね。それに対して、ナポリピッツァは、トマトソースのベースにモッツァレラチーズとバジルといったシンプルなものですし、小さな1枚をシェアせずに1人で食べきるものです。当店のものはコルチオーネ(ピザの周囲の盛り上がった部分)がしっかり膨らんだ本格派のナポリピッツァです。ピッツァのイメージが刷新されると思います」と思い入れを語る。 価格は500円前後のワンコインをイメージ。宅配ピザと比較して手軽な印象の、手に取りやすいメニューとなっている。また、同店ではナポリピッツァの専用の焼き窯を導入している。注文を受けると、1日熟成させた生地を500度Cの高温で90秒かけて焼成し、焼きたてを提供する。「値ごろ感で手に取ってもらえれば、宅配ピザと比較してシンプルなナポリピッツァの食感の良さと味わいで好きになってもらえるようです。オリーブオイルを使っていますが、食べ応えはあっても胃もたれすることはないので、リピートする方が増えています」と小倉さん。リピーターからはテイクアウトの希望も出るが、焼きたてが最もおいしいことから、小倉さんはイートインで食べることを勧めている。 「少し冷めた程度ならおいしく食べられますが、時間を置いてからご自宅で召し上がる方には、レンジで数十秒のリベイクを勧めています。もちもち感の腰が強くなりますから」と小倉さんはいう。 ナポリピッツアとコーラの組み合わせ ナポリピッツァは、コーラとの相性が抜群だという。小倉さんはナポリピッツァの食べ方の工夫の一環として、ドリンクメニューを研究し、瓶のコーラ(320円)に巡り合った。「ディスペンサーで提供するタイプや缶のタイプよりも、瓶のコーラが味もよくて視覚的にもいいんです。専用のコーラグラスと一緒にお出しします。いい雰囲気になるでしょう」(小倉さん) 夏場はビールや発泡酒とも好相性。もっちりしたコルチオーネの食感とトマトソースの酸味、バジルの清涼感を、炭酸の甘いコーラで味わう組み合わせは絶品だという。 現在、瓶のコーラを卸すルートは多くはないという。小倉さんはこれと思った製品の調達に妥協をせず、1品1品、理想のメニュー実現のために努力している。 独自性を高めていく意欲の現れ そこまで手を掛けるのは、ムッシュイワンの独自性を高めて行くという意欲が強いからだ。イートインコーナーも、リラックスしてもらうことに主眼を置いた無料コーヒーサービスなどで客を迎えるのではなく、有償で価値のある味わいを楽しんでもらい、パンのおいしさを知ってもらう空間として機能させている。 イートインコーナーの利益面については「ランチタイムはピッツァやバゲット盛り合せが出て売上に繋がっています。バゲット盛り合せは当店のラインナップ紹介と試食の役割も兼ねています。しかし、それ以外の時間は主役のテイクアウトコーナーを引き立てるための脇役でいいんです」と小倉さんは話す。 同店のイートインは先払い式の セミセルフサービス。水やコーヒー用ミルク、シュガーなどはセルフコーナーから客が自分で持って行く仕組みだ。リベイクなどの注文の場合は、スタッフが配膳や片付けを行う。販売担当者だけでなく、製造担当者も、手の空いた時には積極的にイートインでのサービスも行う。「お客様とコミュニケーションを取って、お話しすることで、スタッフも気づきがあり、スキルアップします。イートインサービスはその絶好の機会ですね」(小倉さん) ムッシュイワン 住所:〒190-0001 東京都立川市若葉町1−7−1 電話:042−538−7233 営業時間:午前9時〜午後8時 定休日:なし 品揃え:パン80品目、菓子20品目 スタッフ:製造5〜8人、販売2〜5人 店舗面積:売場20坪、厨房25坪 日商:平日20万円、土日40万円 | |||||||||||||||||||


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