自店の立地を把握しよう - ブランスリー電子版

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パン屋さん手帖/2003年5月号

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自店の立地を把握しよう

ご自分のお店の立地について知ることで、どんな商品をいつ出したらいいかがわかってくるはずです。キーワードのひとつは「コンビニ」との差別化です。

[パン屋さん手帖(1)] 橋本泰之(ベーカリーコンサルタント) 1956年横浜生まれ。新宿の専門学校を卒業後、銀座レストランみかわやに就職。その後センチュリーフーズ、モンタボーなどを経て、1996〜2001年、東京製菓学校教師。2001年10月、有限会社レーヴを設立、現在に至る。

 今回から月に1回原稿を載せていきます。初回の今回から何回か続けて、商品開発について、私がいつも実行している方法を紹介しながら、考えていきます。はじめに今あなたが働いている店舗、(自分で経営しているお店も含む)の立地について考えていきましょう。はじめに自分の店舗がどのような場所に位置しているのかを把握するとが大切ですから…。
 (1)駅ビルの中の店舗
これは、ムッターローザやヴイ・ド・フランスのように駅の改札の外にある店舗です。乗客は朝と夕方が多く、品揃えも朝と夕方では違ってきます。
 (2)デパートの中の店舗
 デパートの客層にもよりますが商品の単価も高く品揃えも豊富です。アンデルセンやボンパドウル、ビゴの店などの店舗になります。
 (3)スーパーの中に出店している店舗
 バンデロール、モンタボー、麦の家などの店舗です。パンもさることながら、朝、昼、夕食の食材を買いに来るお客様が多いのが特徴です。スーパーの中には大手のホールセールのパンが並んでいますので、それらの商品との違いによる販売に重点が置かれます。
 (4)駅前商店街の店舗
 成城パン、トースト、ドンキーのように駅から近い商店街のパン屋さんです。通勤の帰りにも寄れるし、買い物のついでに買いに来られて、客層も幅広くなります。学校が近ければ朝早く通学前の販売も考えられます。
 (5)老舗
 銀座木村屋、新宿中村屋、ウチキパンなどの古くから営業している店舗で、老舗の特徴を持っています。銀座木村屋は酒種あんパン、新宿中村屋はカリーパン、ウチキパンは前代から続いているホップス種のイギリスパン・・・・・どれも歴史がある代表的なパンです。
 (6)自宅近くの小さなスーパーのそばの店舗
 ぱんどーらなどの店舗で、自宅に帰る前に買ってもらえます。地元密着型でこまめな焼きたてが大切です。
 (7)郊外型の店舗
 サフラン、ピーターパン、モンフェルニエなどの店舗で、このごろパンの雑誌にも良く載っているようです。お店の面積も駐車場も商圏も広く、石窯を入れているケースが少なくありません。車で来店する客の比率が高いのが特徴です。



自店の立地に合った商品を!

 7つの違った立地をあげましたが、各立地で来店するお客様の年齢、買うもの、客単価、売れる時間帯も皆違います。これを参考にあなたの店舗はどこに位置するのかを考えて、出すべき商品を考えてみましょう。
 お客様の年齢層、男女の比率、売れる時間帯、製品の傾向をまず書き出してみましょう。
 例えばお客様の年齢層によって、菓子パンを増やしたり、調理パン、デニッシュを多く作ったり、ドーナツの回数を増やしたりと、色々な案が出てきます。
 女性の比率が多い場合は女性が食べやすい大きさや、口に入りやすい長さと形にしましょう。女性のいやがる歯に付くような青のりやパセリの粉末をあまり使わない方がいいかも知れません。パンに四季の色合いを出すことも大切です。
 売れる時間帯と製品の傾向も、そのお店の置かれている場所や状態によって大きく変わります。
 オフィス街、学校が近い駅前商店街でしたら、コンビ二のサンドはコールドサンドが多いので、朝、温かいドッグやバーガーなどのパンで、手作りのハンバーグやおいしいシャウエッセン、揚げたてのフライものを包んで販売すれば効果的でしょう。



お客様の立場で商品開発を!

 コンビ二やファーストフード店の出来ない付加価値商品を作るべきです。それにはそれなりの準備が必要です。もう一度自分の店舗のおかれている環境や客層、商圏について考え、半径500メートル内にどんな店舗があるかをチェックしてみると、新たな発見につながります。あなたの店舗に合った商品を考えていきましょう。ただ闇雲に作ってもなかなか売れません。毎日一度は製造員ではなく、お客様の気持ちになって考えることが大切です。
 私はパン屋さんにパンを買いに行く時は、パン作りのプロではなくて、素人の立場になります。入った時にわくわくするようでないと買いません。では何が私をわくわくさせるかというと、▼店舗が明るくてきれいであること、▼販売員が明るくさわやかなこと、▼パンに季節感があること(クリスマスの飾りやバレンタインや記念日の飾りがある店もあります)、▼パンの置き方がわかりやすいこと、▼店舗のおすすめコーナーがあること、などでしょうか(まだまだ色々ありますが)。お客様のために色々考えている店舗は見てい
ても楽しいし、買いたくなります。
 チーフを含めた製造員は開店時には、一度店舗の外に出て、お店を外から見てください。ウインドや棚が汚れていたり、プライスカードが付いていなかったりしていないかチェックしましょう。販売員に挨拶をさせてみるのも良いと思います。開店前の声出しは発声練習にもなるし、もし声が出ていなかったら、軽く開店前に注意しても良いと思います。お客様と同じ目線で一度店舗に入ってみると、いつもとは違った発見があると思います。少し商品開発からずれているという人もいるかと思いますが、実はここが商品を作る上で大切な所なのです。私が以前勤務していたモンタボーの開店の時は一番に地域のマーケッティングをします。客層や客単価を考えて、商品の構成を考えます。地域にあった商品でお客様が喜んでもらえる物を、と考えます。
 次回は、商品を作る上で大切な製品の情報(マーケッティング)について考えたいと思います。





原価計算女王
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