親子のコラボレーション - ゾンネンシャイン - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2003年5月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


親子のコラボレーション - ゾンネンシャイン

ゾンネンシャインの外観
2003年3月、ゾンネンシャイン(Sonnenschein)が東京・大田区にオープンした。商店街を歩いていくと緑の看板に「Sonnenschein」の文字。ヨーロッパのパン屋さんというイメージだか、入ってみると、菓子パンや焼き込み調理パンが目に飛び込んでくる。しかし、本格的ドイツパンかたくさん並ぶ棚も・・・。



プルンダーと菓子パンが人気。ハード系にも着実な需要

竹田忍さん(左)と薫さん(右)


主に菓子パンや調理パンなどが並ぶ棚


主にドイツパンが並ぶ棚


プルンダーやミルクちぎりなどの売れ筋商品が並ぶ棚。
 JR京浜東北線・大森駅の駅前商店街にゾンネンシャインはある。店構えは欧風のイメージで、看板の店名も「Sonnenschein」とだけ書かれている。入店すると、すぐに「さつまいものプルンダー」(160円)「ブルーベリープルンダー」(160円)などのプルンダー(デニツシュ)類や「ミルクちぎり」(260円)、「紅茶のメロンパン」(120円)などが目に飛び込んでくる。同店の売れ筋商品を集めた柵だ。「ミルクちぎり」や「紅茶のメロンパン」のようにTVに幾度となくとり上げられた人気商品も多い。
 さらに「野沢菜パン」(130円)や「ごぼうサラダ」(160円)などの焼き込み調理パンなどが並ぶ柵が続く。
一方で、「カイザーゼンメル」(90円)や「モーンブロートヒェン」(100円)、「プレッツエル」(130円)などのドイツパンが並んだ柵もあって、「ドイツ、フランスetc、ヨーロッパのパンEuropa Brot」とポップが掲げられている。
 製造を担当するのは店長の竹田薫さん、父親の竹田忍さんら3人。販売は、竹田薫さんの母親の加代子さん、姉の好さんらが担当する。
 実は竹田忍さんと加代子さん夫妻は、ゾンネンシャインがオープンするまで、すぐ近くで「ちっくたっく」という別のベーカリーを約20年間営んでいた。雑誌などのメディアに頻繁にとり上げられる人気店だった。
 「ミルクちぎり」や「紅茶のメロンパン」などは、忍さん夫妻が生み出した商品で、多くの馴染み客から支持されていたのだ。
 ゾンネンシャインは、場所を移しての新装オープンで、親子のコラボレーションだった。



小さい頃から両親を手伝った。とにかく狭い店だった

竹田薫さんがドイツで学んだカイザーゼンメルやモーンブロートヒェンなども並ぶ。


ちっくたっく時代からの商品の天然酵母くるみ&レーズン。


竹田薫さんがドイツで買ってきたブレッドウォーマーが店内に飾られている。
 竹田薫さんは1998年、東京のパンの学校を卒業した。その後ドイツで2年間、パンの修業を積んだ。パンの学校もドイツでの修行も、自分でこつこつと貯めたお金で費用をまかなった。帰国後、複数のべ−カリーでさらに修業を積む。
 両親とは別にベ−カリーを出店することも考えたが、結局両親がそれまで営んでいたべーカリーをたたんで、共に新店舗をオープンすることになった。
 竹田薫さんは小さい頃から両親の手伝いをしているうちに、自分もパン職人になりたいと思うようになった。べ−カリーを維持していくことの大変さもわかっていた。
 「とにかく狭い店だったので、大変だったと思います。リバースシーターも狭くて入れられなかったし、冷蔵庫も小さくて、大変でした。クロワッサンをスクラッチで作れたらいいな、といつも思っていました」と振り返る。
 1996年にちっくたっくの2号店を出した。「2号店は1号店よりは広かったのですが、それでも大変さはあまり変わらなかったように思います」(竹田薫さん)。
 今回出店したゾンネンシャインは約23坪(製造スぺ−ス約13坪、販売スぺ−ス約10坪)だ。冷蔵庫のスぺ−スも充分にとれたし、もちろんリバースシーターもある。冷凍庫の容量も充分だ。竹田忍さんと薫さん、もうひとりの製造スタッフの3人が伸び伸びとパン作りに励んでいる。



場所を移して新装オープン。顧客数が倍以上になった

 父親の忍さんは「以前の店の常連客に加えて、新しいお客様がかなり増えました。むしろ新しいお客様の方が多いと思いますね」と話す。
 母親の加代子さんによると、ゾンネンシャインの近くには富裕層が住む地区があるが、現在の店を出す前は、同地区の人たちをとり込めていなかったのだそうだ。
 この点について竹田薫さんは「ちっくたっくの時代は、2号店の近くに値ごろ感をセールスポイントにするスーパーがありました。お客様からはウチのパンも安さがポイントだと思われていたと思います」という。
 富裕層の人たちの行動範囲の中に入れていなかったというのだ。
 また、ゾンネンシャインが出店した場所は、以前もベ−カリーが入っていて、ハード系にもカを入れていたという。その客をそのままとり込めた可能性もある。



ドイツで覚えた本場のプレッツェル
プレッツェル
竹田薫さんが修業していたドイツのベーカリーのプレッツェルを再現したもの。ドイツではラウゲン溶液にくくらせてから焼成していたが、ゾンネンシャインでは、重曹を溶かしたお湯で代用している。1個130円。
【配合%】
リスドォル(フランスパン用粉) 100
天塩 2
上白糖 1
生イースト 4
BBJ 0・05
牛乳 56
ラード 3

【工程】ミキシング(縦型ミキサー使用)L2分M3分(ラード投入)Ll分M5分、捏ね上げ温度26度C、フロアタイム30分、分割60グラム、ベンチタイム15分、成形=プレッツェル形、ホイロ30度C75%30分、焼成(ガス式固定窯使用)上火230度C15〜16分(スチーム注入)
※下火は切って焼成する。また、天板を2枚重ねて焼成する。
※プレッツェル独特の焼き色を出すために、ホイロ後、重曹液(熱湯に重曹を5%溶かしたもの)に生地を漬して焼成する。

本格的ドイツパンも地道に提案していきたい
ヴァイツェンミッシュブロート
同じく、竹田薫さんが修業していたドイツのベーカリーの製品を再現したもの。竹田さんによると、ドイツでは、ブロートと称するには、生地重量が1ポンド(約454グラム)なければならないそう。しかし、日本人には多すぎるので、350グラム分割にしている。ホール360円。ハーフカットもある。
【配合グラム】
リスドォル(フランスパン用粉) 700
ライ麦粉 200
サワー種 200
塩 20
イーストフード 1
生イースト 40
水 550

【工程】ミキシング(縦型ミキサー使用)L5分M2分、捏ね上げ温度27〜28度C、分割350グラム、成形=ナマコ形、ホイロ28度C70%30〜40分、焼成(ガス式固定窯使用)250度C30分(スチームをたっぷりと注入)
※ スチームは、生地投入から2分が過ぎた時点で、ダンバーと扉を開けて逃がす。
※焼成前にクープを入れる。
※サワー種は、ライ麦粉と水から約1週間かけて起こしたもので、それを毎日種継ぎして使用している。竹田薫さんが修業していたドイツのベーカリーで覚えた方法だ。
※成形時は、生地をしめる度合いを強くする。

原価計算女王
原価計算女王
フランスパンの仕込み量がかなり増えた。

紅茶のメロンパン


バタール(左)とフィセル(右)
紅茶のメロンパン
 ちっくたっく時代からの超人気商品。メロン皮に紅茶が練り込んであって、パンの中には紅茶入りのカスタードクリームが入っている。1つ120円。

バタールとフィセル
「新しい店(ゾンネンシャイン)になって、フランスパンの仕込み量がかなり多くなりました。それほど残ってはいないので、販売量もかなり増えていると思います」と竹田薫さんはいう。バタール230円。フィセル120円。

外から見える場所に陳列したらデニッシュが人気商品に!
りんごのプルンダー
ゾンネンシャインではプルンダー(デニッシュ)が人気だ。ある材料問屋の薦めで、外から見える位置に陳列するようにしたら、一気に売れるようになったという。
「りんごのプルンダー」(160円)は、カスタードクリームとりんごをトツピングした商品。
このほかにも、「アプリコツトプルンダー」(160円)、「フルーツプルンダー」(160円)、「ダークチェリーのプルンダー」(160円)など品揃えが充実している。


2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら