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| (続)パン屋さん手帖/2003年6月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 第1章販売について - 続パン屋さん手帖(2) | |
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ただ闇雲に商品開発しても、うまくいきません。最も大切なことは、店のコンセプトを明確にして、そのコンセプトを表現するための全体の品揃え脈略の中で、ここの商品について検討することです。
橋本泰之(ベーカリーコンサルタント) 1956年横浜生まれ。新宿の専門学校を卒業後、銀座レストランみかわやに就職。その後センチュリーフーズ、モンタボーなどを経て、1996〜2001年、東京製菓学校教師。2001年10月、有限会社レーヴを設立、現在に至る。 |

| 全体の商品構成を考えて商品開発に取り組もう
店舗に並ぶ姿をイメージして
今回は、商品開発をする上で必要なことについて考えていきます。 まず最初に、商品は思いつきで作るのではなくて、全体の商品構成にきちんとした位置付けを行った上で開発することが必要だ、ということを強調したいと思います。 店舗に並んだ時のイメージを元に全体の商品の流れを把握しましょう。 皆さんは自店ではなく、他の店舗に行った時にどんな事を気にしながら店内や商品を見学しますか? 前回も書きましたが私は製造者ではなく、一般の人としてまず見ます。その時のインスピレーンヨンが全てです。楽しく思わなければ商品は買いません。 楽しいと思わせる理由は店に活気のある事です。 元気があるお店は売り上げも上がっています。 季節感は、色、味わい、形で表現 私が商品に必要だと考えている事柄の一番目が季節感です。 季節を表現するものには何があるでしょうか? まず、『色合い』があります。私がもっとも大切にしているのはこの色合いです。 パンの焼き色はメーラード反応とカラメル反応によるものです。確かにパンは発酵を適度にとってしっかりと焼くと、きれいな黄金色になり、艶や香りも最高です。 しかし黄金色一色だとあまり色彩的に強弱がなく引き立ちません。 私は必ず旬のフルーツや野菜を使用して、パンに色合いを付けて季節感を出します。 全体の商品の中で3種類程度は必ず色のでる物を使用します。 例としてイチゴ、ブルーベリー、ラズベリー、カボチャ、ほうれん草、トマト、にんじん等のビタミン豊富なフルーツや野菜などがあげられます。 こうした材料を使うことにより色の変化が出て、商品のコントラストも良くなります。自然の物を使用して「無添加で健康に良いいですよ」とアピールも出来ます。 一方、『味覚』も季節を表現する重要な要素です。 旬の材料を使用して混ぜ込むか、トツピングすれば、旬の味覚を出すことができます。 桜の時期には桜の花や葉を、秋には旬の丹波の黒豆や栗などを使用したり、その地域で取れる特産物を使用して作るあんこや調理の具材等を使用したりすることによって一年中季節感がお店に感じられるようになります。 季節を表現する上で『形状』も重要な要素です。 1年間には四季に加えて、色々な記念日や年中行事があります。その時々のパンを、形状を変えて作ると良いと思います。 こどもの日には動物パンや鯉のぼりのパン、夏には貝の形をしたパン、秋は石焼き芋の形のパン、クリスマスにはツリーやり−スなど、バレンタインにはハート型のパン、といった具合に、その時々によって色々な形状のパンを作ることにより、季節感を効果的に出すことができます。そうすれば、お客さんがお店に来るのが楽しくなり、来店客数も増えてくることでしょう。 しかし、こうしたパンを作るに当たっては、店のコンセプトがしっかりしていなければなりません。 |

| お客様がパンを食へる状況や店頭での見栄えを考えて
形と大きさに変化を持たせる
商品開発で私が『季節感』と同じぐらい大切に考えているのは、製品の形や大きさなどに変化を持たせることです。具体的に話していきたいと思います。 (1)『大きさの違い』―――お客様の家庭環境は様々です。朝食をみんなで食べる家もあれば、家族の中で一人だけパンであとのみんなはご飯、ということもあると思います。 新鮮なパンを毎日かいに来てほしいと私は思っていますので、1つの品目について必ず大・中・小の3パターンを作るようにしています。 少し食べたい人は小、大家族は大、普通の家族は中、というようにお客様が選んで買えるように商品構成を考えています。 例えば食パンの場合、夫婦2人なら、1日半斤で充分ですし、半斤を毎日買いに来てもらった方がお店としてはありがたいと思います。 半斤の食パンがあれば、普段買いづらい人も気軽に買えるし、パンの回転もよくなると思います。 私は1つの商品について、最低でも必ず大と中は作ると決めています。 (2)『高さの違い』―――パンは並んでいるとほとんど平坦で高さがありません。高さの強弱があると棚に並んだ商品がポイントで目立ちます。 高さのあるパンを作るには、型を使用するのが良いと思います。 (3)『形の違い』―――商品開発を考える上で形のバリエーションを考慮することは非常に大切です。 同じ生地から、丸いパンや細長いパンを作ったり、型で焼いたりして、バリ工ーションを豊かにしましょう。 女性が食べやすい形は特に重要です。細長く袋に入れたパンは、そのままワンハンドで食べられるし、化粧をした口に入りやすい大きさも売れる条件ではないかと思います。 青のりやパセリの粉末は、量が多いと歯について若い女性には嫌がられます。 |

| 他店にはない商品を作ろう。残ったときの再生法も考えて
パンに付加価値を付けよう
パンに付加価値を付けることが大切です。他の店では売っていないようなパン、成形に苦労するパン、時間を掛けて作るパン、色々な付加価値があると思います。コンビニや他店との差別化が大切です。 私が良く講習会等で話している冷蔵法のパンも付加価値をつける方法のひとつだと思います。冷蔵庫を利用して長時間掛けて発酵させることで、パンの味に付加価値を与えるわけです。 それとロス防止のための、パンベルジユのようなパンも、大切な付加価値商品だと思います。 店舗では色々な商品を作ります。そうすると必ず商品は残ります。残ったときには再生して、もう一度商品にして売れるようなパンを作りましょう。 菓子パン、ドーナツ類は混ぜ合わせて色々な再生品を作る、食パンはパン粉やラスク、フレンチトースト、プリンパン等にする、などと、残った品目ごとに作る商品を決めて無駄のないようにしましょう。 こうしたことは表にして貼っておくと分かりやすいと思います。 地域にあった販売価格 商品開発を考える上で『販売価格』も重要です。 (1)『地域にあった価格』―――地域にあった価格は、あなたの店舗の商圏を考えて、「地域のバランスシート」を作ってはじき出します。 (2)『製品全体のバランス』―――製品全体のバランスは「製品表」を作って、それに沿って考えていきましょう。 (3)『貫いやすい価格』―――お客様が買いやすい価格というのが大切です。これらについては、次回、表を使いながら詳しく説明していきたいと思います。 今回は商品を開発する上で大切な事柄について考えてみました。lつの生地から何種類かの製品を作り、そして同じ製品でも食べやすい大きさに形を変えたりすることで、お客様にとっての価値が高まり、お店の活性化が進むと思います。 |

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