異空間 - 石窯パン工房パンデモルデ - ブランスリー電子版

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お店拝見/2004年7月号

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異空間 - 石窯パン工房パンデモルデ

石窯パン工房パンデモルデの外観
5月中旬、千葉県我孫子市に、石窯パン工房パンデモルデがオープンした。店内に大きなスペイン製の石窯を設置。オープンカフェ風のスペースやキッズコーナーなども設け、顧客らを楽しませている。キーワードは、「異空間」。イタリアンのシェフだった湯川剛志店長の総指揮のもと、製造、販売のスタッフらが、さまざまな試みを実践している。

住所 千葉県我孫子市天王台2-3-25
電話 04-7181-8970
営業時間 午前9時〜午後8時



「流れを作り出し、途切れないようにしなくてはならない」

厨房は、売り場から製造スタッフの足元まで見えるようになっている。


入店してすぐ右手に大きなスペイン製の石窯がある。焼き上がったパンの仕上げは、石窯の前の作業台で行う。


屋外にはオープンカフェ風のスペースがある。


約20坪の売り場は通路が広くとられ、ゆったりとパンを選べる。
「お客様にとっての異空間を提供することがポイントだと思っています」。
石窯パン工房パンデモルデの湯川店長はこう話す。
大きなスペイン製の石窯を外に半分突き出す形で据えた。店内の顧客にも間近に迫ってくる。石窯の前ではスタッフがパンの窯出しや仕上げ作業をてきぱきと行う。厨房と売り場の仕切りはガラス張りになっていて、売り場から厨房の様子が見えるようになっている。
イートインやオープンカフェ風のスペースもあって、購入したパンを食べられるようになっている。子供が遊べる「キッズコーナー」もある。湯川さんは「店には流れみたいなものがあって、それを作り出し、途切れないようにしなくてはなりません」という。
それを実現するためには、こうした数々の仕掛けのほかに、きめ細かな接客が必要だ。「パンが焼き上がって、それを売り場に運び陳列棚に並べる際に『〇〇パン、焼きたてです』と声を出すのは当たり前。それ以外の焼きたてのパンがどこにあるのかも同時に伝えられなければなりません」と湯川さん。
さらに「基本は、パンについての知識です。ですから、販売スタッフは、全てのパンについてどんな材料を使ってどう作っているのかを知っていなくてはなりません。そのための情報はこちらから提供して、それをどう接客に活かしていくかは、各スタッフに考えさせています」。
製造スタッフも、顧客を念頭に置かなければならないのは同じだ。
「売り場から厨房で働くスタッフが見えるということは、製造スタッフからも売り場のお客様が見えるということです。私はいつもお客様の目線を意識しなさいと言っています」(湯川さん)



2時間以内に販売するためのさまざまな工夫

多くのパンが並ぶ店内。レジは2台だ。


店長の湯川剛志さん。


子供が遊べるキッズスペースも作った。
「2時間以内に売りさばく」がパンデモルデの目指すところだ。
「いつ来ても焼きたて」のコンセプトを徹底させているのが「自家製のカレーパン」。入店してすぐの目立つ場所に置かれた金属製の背の高いしゃれたスタンドに陳列されている。
カレーパンは、基本的に30分ごとに少量ずつ揚げている。1日20回前後揚げることになる。カレーフィリングを包んでパン粉をつけた状態で冷蔵庫に入れておき、必要に応じて出して常温に戻し、ホイロをとって揚げる。冷蔵庫から出して、店頭に並ぶまで約1時間30分。
コロッケパンなどの調理パンも、売り場のトレーを見ながら、順次追加していく。もちろんコロッケなどの揚げ物もそのつど揚げる。「温もりがあるうちに食べてほしいですから」(湯川さん)
こうした新鮮なパンに加えて、販売スタッフらの「売るトーク」(湯川さん)が、来店客らの購買意欲を刺激する。
湯川さんは、元々はイタリアンのシェフだった。イタリアで修業したこともある。「レストランでは、常連さんにその場で『お味はいかがでしたか』と料理を作ったシェフが聞きに行きます。ベーカリーもそうしたことが大切だと思うのです」(湯川さん)
湯川さんのこうした経験を生かして、イタリアンテイストの惣菜をサンドしたサンドイッチにも力を入れて入れている。
「アイデアを出し、時期によっていろいろなサンドイッチを作っていこうと思っています」
石窯パン工房パンデモルデは、1号店を千葉県印西市に昨年11月にオープン。今回取材した天王台店は2号店だ。
コンセプト作りや店舗の設計施工は、店舗設計・施工のダイユーが関わった。
天王台店はオープンからまだ1カ月だが、1号店に比べて、高齢者のニーズが多いのが特徴だそう。「こしあんぱん」(100円)や「塩豆大福あんぱん」(140円)など、木製のトレーが似合う商品が多い。
とはいっても、来店客の年齢層は幅広く、子供から年配者まであらゆる人たちに愛されるベーカリーを目指している。
厨房が約30坪、売り場が約20坪。スタッフは、湯川さんの総指揮のもと、製造スタッフが5〜6人、販売スタッフは常時4〜5人の体勢。
品揃えはおよそ90品目。窯は、石窯のほか、ミベのオーブン(3段)が1台あり、石窯ではおもにハード系など全体のおよそ6割のパンを焼いている。
「パンの匂い、石窯、キッズスペース、パラソル、コーヒーの無料サービス、販売スタッフのトークなどで、異空間を創造したいですね」(湯川さん)



商品編


自家製のカレーパン
いつ来ても揚げたてが並んでいるように、1回に揚げる量を少なくし、30分に1回の頻度で揚げるよう努力している。
揚げ上がるたびに、販売スタッフが、店頭に運び、「揚げたててです」の声と共に陳列するので店内に活気が出る。値段は1つ120円。

豆ぱん、塩豆大福あんぱん
石窯パン工房パンデモルデ天王台店の客層は幅広く、子供から、年配者まであらゆる年代の人が来店する。
豆ぱんや塩豆大福あんぱんは年配者の需要を見込んだ商品。
豆ぱんは、金時豆と大納言小豆を菓子パン生地に練り込んだ商品で、1つ120円。
塩豆大福あんぱんは、塩豆を練り込んだソフトフランスの生地であんと牛皮を包んで焼き上げた商品で、1つ140円。



イタリアンツナボール
ピクルスのみじん切り、ツナ、塩、胡椒などを和えたフィリングを包んで、十文字にカットを入れ、トマトとパセリをトッピングして焼き上げる。「ツナが乾かないという利点があります」と湯川さんはいう。ソフトフランスの生地を使用している。1つ150円

カントリーチリドッグ
ライ麦を配合したカンパーニュを使ったサンドイッチ。ポップには「ちょっぴりスパイシーなチリソースとジューシーなソーセージのサンド」とあった。1つ240円。チーズなどを入れて焼いた錦糸玉子やレタスなどもはさんでいる。
「カンパーニュの食べ方を提案する意味合いもこめて商品化しました」と湯川さん。



レドンドブレッドオレンジ
「レドンド」とはスペイン語で「丸」の意味。ネーミングも独自性を出す手段のひとつだ。
食パンの棚の近くに陳列されていて、食パンを買おうとしている人が、同商品に視線を向けるのに気づくと、湯川さんは「オレンジマーマレードを折り込んだ丸い食パンですよ。たまには浮気をしてみませんか」といって勧めるそうだ。
ハーフカット210円。

パンデモルデ
店名がそのまま、商品名になった食パン。「パンデモルデ」とはスペイン語で「食パン」の意味だそう。1斤190円。食パンの中でも最も一般的な商品の名前に「店名」を採用した。

原価計算女王
原価計算女王

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