2003モバックショウレポート - ブランスリー電子版

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特集/2003年4月号

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2003モバックショウレポート

4日間で6万2371人が来場した2003モバックショウ
製パン製菓の総合展示会、2003モバックショウが
2月20日から23日までの4日間、千葉市美浜区の幕張メッセで開催された。製パン製菓機械や材料のほか、関連する様々なハードやソフトが一堂に展示され、会期中の延べ来場者数は6万2371人に達した。出展社数は248、使用小間数は1396。



会期中、6万2371人が来場。ベーカリーW杯の最終選考会も

2005年のユーロパンで開かれるベーカリーワールドカップの日本代表選手選考会がモバックショウのイベントのひとつとして開催された。
関係者ら380人集めてレセプション
初日の20日、会場入口中央エントランスで、開会式があった。千葉市立船橋高校吹奏楽部の生徒らによるブラスバンドの演奏のあと、午前9時50分、田中利幸実行委員長(三幸機械社長)が2003モバックショウの開会を宣言した。
続いて、牛窪啓詞氏(愛工舎製作所社長)ら主催者執行部役員と、出展社代表のドイツ・ パン工業会ピーター・ベッカー会長により、開幕のテープカットが行われた。
同じく20日、午後5時30分から幕張メッセコンベンションホールで、出展社関係者、報道関係などおよそ380人を集めて、レセプションパーティーが開かれた。
冒頭、主催者である日本製パン製菓機械工業会の梶原徳二理事長が挨拶、続いて経済産業省製造産業局産業機械課の谷澤俊彦課長補佐、(社)日本パン工業会の飯島延浩会長(山崎製パン社長)が来賓として祝辞を述べた。
全国菓子工業組合連合会の 岡本楢雄理事長が乾杯の発声を行い、開宴となった。

W杯の3代表決まる。セミナーも盛況
様々なイベントも開かれた。
仏パリで開かれるベーカリーワールドカップの日本代表選手を決める最終選考会は、モバックショウ併催行事の目玉の一つ。今回は、2005年開催のベーカリーワールドカップに出場する日本代表3選手を決める選考会が開かれた。
パン、ヴィエノワズリー、飾りパンの3部門で熱戦が繰り広げられた結果、パン部門代表にドンク神戸の吉川崇氏、ヴィエノワズリー部門代表にトランブルーの成瀬正氏、 飾りパン部門代表に日本菓子専門学校の橋本高弘氏が、それぞれ選ばれた。
首都圏の製パン製菓専門学校が出展したスクールプラザも人気を集めた。各校の趣向を凝らした作品展示や、各校講師によるパン・菓子作りの実演などがあった。参加したのは東京製菓学校、国際製菓専門学校、日本菓子専門学校など。
毎回、最新のテクノロジーなどが発表されるモバックショウセミナーでは、店舗設計・施工などを手掛けるダイユーや、製パン機械製造販売、輸入販売などを手掛けるツジ・キカイなど14社が、それぞれ自社の技術などについて講演した。



思い思いに製品をPR。リテール向け提案の数々

フライド・オニオンを使った製品(大和貿易)


石窯に取り付けるのぞき窓(フェリス商会)


天然酵母の蒸しまんじゅう(ホシノ天然酵母パン種)


粉末小豆皮を練り込んだ食パン(東京国際産業)


石窯のある郊外大型店を提案(ダイユー)


コンベクションオーブン、ミニマット(ツジ・キカイ)
2003モバックショウには、合計で248社が出展、思い思いに自社の商品をPRした。
粉末小豆皮(東京国際産業=本社・東京・港区、電話03‐3575‐0761)は、煮上げた小豆の外皮の部分だけを粉末にしたもので、外皮に豊富なサポニンやポリフェノールが損なわれずに残っているのが特徴だ。
同粉末を練り込んだ食パンを展示。薄い紫色が印象的で、差別化商品として、注目を集めた。
フライド・オニオン(大和貿易=本社・兵庫県神戸市、電話078-222‐2311)は、水分含有量が少なく、吸水を気にせずにパン生地に練り込める。生地のべとつきがない。オランダの製品で、日本の玉ねぎにはない味と香りがセールスポイントだ。フライド・オニオンを練り込んだハード系のパンなどが人気を呼んでいる。
天然酵母蒸しパン(ホシノ天然酵母パン種=東京都町田市、電話042-734-1399)は、同社が製造販売するホシノ丹沢酵母で作る製品。味や食感、香りに優れているのが特徴。ベーカリーでも簡単に作れ、差別化商品として、導入しているケースも多い。
ダイユー(本社=東京・杉並区、電話03-3325-5171)は石窯を披露。同社は、スペイン製石窯の販売を開始し、納入実績を重ねている。特に同社がプロデュースする郊外大型店舗に納入し、繁盛店になっているケースが多い。
フェリス商会(千葉県鎌ヶ谷市、電話0474-42-1441)は、同社が輸入販売する石窯にオプションとして取付ける「のぞき窓」をPRした。石窯の側面などに取付けて、来店客が、窯の中でパンが焼けていく様子が見られる仕組みになっている。ベーカリーを演出する有効な手段になりそうだ。特許出願済み。
独ヴィースホイ社製コンベクションオーブン、ミニマット(ツジ・キカイ=本社・埼玉県川越市、電話049-225-5005)は、「堅牢でありながら、コンパクト」なのがセールスポイント。スチーム焼成もできる。(モバックショウの展示内容は次号にも掲載します)



ブーランジェ14人が腕を競う。W杯への代表選手を選考

日本代表選手に選ばれた、後列右から、橋本、成瀬、吉川の各氏


パン部門代表・吉川氏の作品


ヴィエノワズリー部門代表・成瀬氏の作品


飾りパン部門代表・橋本氏の作品
吉川、成瀬、橋本の各氏が選ばれる
2005年に仏パリで開かれるベーカリーワールドカップの日本代表選手を決める最終選考会が8号館特設会場で、モバックショウ会期初日の20日から最終日の23日まで開かれた。
 ベーカリーワールドカップは、国対抗でパン作りの技を競うコンテストで、仏パリで3年に1回開催されるパンの総合展示会、ユーロパンのイベントのひとつとして、開かれる。
参加国は、フランス、ベルギー、スイス、アメリカ、日本、韓国など。
 次回の2005年開催のワールドカップに出場する日本代表3選手を選んだ。
パン、ヴィエノワズリー、飾りパンの3部門があり、1次選考と2次選考を突破したパン技術者らが参加。
パン部門は、安倍竜三氏(オクノフードサービス)、井上克哉氏(ドンク東京)、浦山忠臣氏(ドンク東京)、清水肇氏(ドンク神戸)、橋本高広氏(日本菓子専門学校)、吉川崇氏(ドンク神戸)の6人。
ヴィエノワズリー部門は、上野健明氏(神戸屋レストラン)、小池雅樹氏(神戸屋レストラン)、土井史道氏(ドゥースフランス)、徳澤浩明氏(ドンク東京)、成瀬正氏(トランブルー)、森田隆之氏(アンデルセン)の6人。
飾りパン部門は、上野裕久氏(神戸屋)、勝見伸一氏(神戸屋)、橋本高広氏(日本菓子専門学校)、畑中尉夫氏(神戸屋)の4人。
参加者らは、会場で大勢の見学者が見守る中、実際にパンを作り、腕を競った。

明石審査委員長から結果発表
審査結果発表と表彰式は、最終日の23日に行われた。
審査委員長を務めた明石克彦氏(ベッカライ・ブロートハイムオーナー)は「審査員はつらい仕事です。フェラーリにしようか、ランボルギーニにしようかと迷うぐらい迷いました」と前置きした後、「パン部門が吉川崇氏、ヴィエノワズリー部門が成瀬正氏、飾りパン部門が橋本高弘氏!」と、3人の日本代表選手を声高らかに発表した。



「これで終わりではない」「ボリュームを出そうと思った」

代表3選手のコメント
パン部門の日本代表に決まったドンク神戸の吉川崇氏は「精一杯やりました。自分で満足するところまで作れました。皆さんに感謝します。これで終わりではなく、これからが大変なわけですから、さらに腕を磨いて、ワールドカップに望みたいと思います」と目を輝かせた。
ヴィエノワズリー部門の日本代表選手に選ばれたトランブルーの成瀬正氏は「私のわがままをいろいろ聞いて協力してくれたスタッフの方々に感謝します。ありがとうございました」などと話した。
飾りパン部門の日本代表選手に決まった日本菓子専門学校の橋本高弘氏は「いつも使っている機械と違うので、パンの焼き加減にはかなり気を使いました。作品にシャープさとボリュームを出すように心掛けました」と満面の笑みを浮かべながら話した。

先端ハイテク技術を駆使。マシーン、マテリアル、マーケティング

2003モバックショウの開会に当たって、主催団体である日本製パン製菓機械工業会の梶原徳二理事長は次のようにあいさつした。
   ◇
2003モバックショウは関係各位のご支援により、本日ここに盛大に開催の運びとなりました。1971年、大阪にて第1回が開催されて以来、今回で18回目を迎え、製パン製菓産業に必要なあらゆる機械、資材、原材料、関連機器などを網羅した「国際製パン製菓関連産業展」としていちだんと内容の充実を図っております。
わが国の経済は長期にわたるデフレ傾向と実体経済の低迷により、企業の設備投資や個人消費の回復の遅れが目立ち、依然として厳しい状況が続いております。
また、食品業界においても、BSE問題や虚偽表示などに端を発し、消費者の食に対する不安、不信感が高まるなど、極めて厳しい状況下に置かれておりますが、我々のユーザー業界である製パン製菓業界においては、HACCPおよびGMPなどに積極的に取り組むことにより、食の安全、安心の回復に徹底的な努力を重ねております。
 我々機械設備メーカーも新製品、新技術の開発を通じ、ユーザー業界の皆様と連携して新市場開拓に努力すると共に、食の安全、安心を必須テーマとして品質マネジメントシステムの構築に務めてまいる所存です。
このような環境の中で開催される2003モバックショウでは、先端ハイテク技術を駆使し、いちだんと高品質化、多機能化、省力化され、安全・衛生に配慮した最新鋭の機器、システム、パン菓子を彩る様々な原材料、副資材やマーケティング情報など、248社もの出品社による創意に富んだ製品が一堂に展示されます。マシーン、マテリアル、マーケティングという3つのMを柱に、パン菓子に関するありとあらゆるものがトータルに展示される関連産業展として、必ずやユーザー業界の皆様のご期待にお応えするものと確信いたしております。

原価計算女王
原価計算女王
個性が尊重される時代、リテールが果たす役割は大きい - モバックセミナーレポート

ツジ・キカイ小田洋子社長
 家庭では、6時とか6時半に朝食を食べるが、例えばスーパーのインストアベーカリーは10時の開店に合わせてパンを焼くので、その日に焼いたパンをその日の朝食べることは困難だ。
 焼きたてパンを販売するチャンネルは、パン専門店、インストアベーカリー、ベーカリー以外で焼きたてパンを出す場所、の3通りがある。
 コンビニは配送便がさらに進化して店内焼成になるだろう。
 個が追求される時代になった。大量生産されるものは敬遠される。話題の店がテレビで紹介されると、一度は足を運んでみたくなる。
 個性が尊重される時代において、リテールベーカリーは重要な役割を果たす。
 例えば、丹波の黒豆やフランスのどこどこのバターなどと、材料のひとつひとつにこだわったりすることが、消費者から歓迎される。
 パン屋さんで、パン以外のものをどんどん入れていくと、何屋さんなのかわからなくなってしまう。何でもかんでも手をつけると、消費者から見ると、何も訴えていないことになってしまう。
パン屋さんは食材を吟味しなくてはならないと思う。
これまで画一的なフィリングが出回ってきたが、果たしてそのフィリングでいいのだろうか。
ひとつひとつの食材を吟味できるだけの食材についての知識が必要だ。
消費者のライフスタイルに合ったパンを提供しなくてはいけない。提供の仕方が大切だ。
パンだけを提供するのか、それとも「このチーズと食べてください」と提案するのか、レシピも付けるのか、などについて考えなくてはならない。
冷凍生地を使って焼きたてパンを実現するためのポイントは、プロジェクトに対して、どのレベルの冷凍生地が最善かを吟味することと、パン生地についての知識を持つことだ。
職人がいないから、冷凍生地を使う、というのは好ましくない。アルバイトでもマニュアルがあればできる、と考えるのは間違えだ。
担当者にパンの知識をきちんと与えてやらなくてはならないと思う。

商品の立地適合性を考慮。地域一番商品を作り出す - モバックセミナーレポート

ダイユー星野良信社長
私どもは、ベーカリー新規出店の総合プロデュースを手掛けているが、大事なことは店を地域一番店にすることだ。
まず、品揃えだ。大手のすばらしい技術を学んだ人が独立して店を出すと失敗するケースが多い。それは、商品の立地適合性というのがあって、一等地で売れていた商品が、住宅地で売れるとは限らないからだ。
では、下町に出店したら、フランスパンは焼かないのかというと、そうではない。商品構成の比率と価格を変えるということだ。
こんな場所でよく売れているな、と思う店がたまにあるが、そういう店は、単品で200個、300個売れる看板商品が必ずある。
しかし、看板商品を意識して作っていくのはなかなか難しい。ブレイクする可能性のある商品をPRしなくてはならない。
まず、お客様に食べてもらうようにすることだ。ある店は店名がクリームパンで、クリームパンが店内の目立つ場所に置いてある。お客様は1度は食べてみようと買っていく。もちろん、そのクリームパンは洋菓子店で使うようなカスタードクリームが入っている差別化商品だ。
数が多く出るようになると、焼きたてが出しやすくなる。ますますおいしいということになる。こうなれば、売上げは悪くて3割増、うまく行けば倍増する。
地域一番商品を作って、数多くプールされてくると、その地域ではその店だけが伸びていくことになる。
私どもは、製造応援スタッフを抱えている。例えば、日商20万円を想定した場合、初日、2日目は、60万は売れる。しばらくは30万円分の商品をお客様は要求する。
お昼を過ぎたらシャッターを下ろさざるを得ない、ということになってしまうと取り返しがつかない。
開店時の運営を間違えると、本来は20万の店が、7万の店になってしまうのだ。

製パン工場の生産性はなぜ低い? IT化で生産性は飛躍的に向上 - モバックセミナーレポート

テクノバ弘中泰雅社長
製パン工場の労働生産性が低いのは、日配商品で日々の生産量の変化が大きく、しかも受注生産で中長期の生産計画が立てづらいからだ。しかも、多品種少量生産で、多数便の出荷配送を行なっているために効率的な生産順序で生産できないときている。従業員の手待ち時間の増加をもたらす。
例えば1ラインで10品目生産するとしよう。その生産順序の組合せは360万通り以上にもなり、もし20品目以上生産すればまさに天文学的数字になってしまう。人の能力でその効率的な生産順序を検証することは不可能だ。  
このような製パン工場の実態から脱却し、生産性を向上させるために、Accelerando(アッチェレランド)は、日々の注文数に基づく生産数量から、合理的な生産パターンを生産工学的手法で算出し、対話形式により工場の実情に合った生産パターンを提案する。ラインごとの特性や、工程ごとの人数などのリソースを考慮に入れた判断もできる。 実際に生産する前に生産パターンをシミュレートすることもできるし、固定的な順序で工程ごとの所要時間や終了時間も算出できる。この他、原材料の所要量も算出するので、実使用(出庫量)との比較により原材料の無駄の監視や、適宜材料単価を更新していけば、製造原価の算出もリアルタイムでできる。
すなわちIT技術を製パン工場に取り込み、生産性を向上させることを目的としたシステムだ。


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