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| お店拝見/2003年4月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 不思議な魅力 - ふるーる | |
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6坪ほどの売り場に、客がひっきりなしに入ってくる。棚に並んだ様々なパンがどんどんなくなっていく。大阪府岸和田市のベーカリー、ふるーる。外装、内装ともウッディにまとめた店舗の中は、活気に満ち溢れている。閑静な住宅街の中の「おとぎの国」といった趣で、人をひきつける不思議な魅力がある。
住所 大阪府岸和田市下松町421-1 電話 072-438-4748 営業時間 午前7時〜午後7時 定休日 火曜日 |

| 自分がおいしいと思うパンだけを作ってきた。 | |
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ふるーるは、1999年7月にオープン。歩いて5分ほどの距離に、有名ベーカリーがある場所への出店だった。オープン当初は5万円前後だった日商が、すこしずつゆっくりと上昇していって、今では30万円を越すまでになった。
「繁盛の理由は?」の質問にオーナーの大島孝之さんは「わかりません」と一言。「心掛けていることは、自分が食べておいしいと思うもの、スタッフがおいしいと言うものだけを出すようにしています」 同ベーカリーは、JR阪和線・下松駅を降りて5分ほどの静かな住宅街にある。「ログハウス風の店にしたかった」という大島さんは、外装、内装とも木材をふんだんに使って店舗を作り上げた。店舗正面も木の温かな感じが漂っていて、ひきつけられる。大きなオーブンが、売り場と製造スペースの境に設置されていて、店舗の外からもはっきりと目に入ってくる。金属製だが、木で満たされた空間の中で逆に生き生きとして見える。オーブンの前では、大島さんや久美子夫人、スタッフらきびきびと、楽しそうに動き回っている。こんな雰囲気をもったベーカリーはあまりない。 客が途切れることがあまりないので、商品がどんどんなくなっていく。パンを頻繁に焼き上げ、頻繁に店頭に並べなくてはならないので、スタッフの動きが多くなる。テンションも自然と上がってくる。しかし、殺気立ったりはしない。大島さんの親しみのもてるキャラクターが、店内に満ちていて、スタッフらはその中でやりがいを持って、生き生きと一生懸命に働く。 |

| 販売数量が多い商品が目立つ。売れないときの我慢が大切 | |
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大島さんは「なぜか知りませんが、少しずつ売上げが伸びてきました」とあくまでも謙虚。
同ベーカリーは、販売数量が多い看板商品が多い。その筆頭は、角食の「食パン」(1斤180円)だ。3斤棒で1日100本は焼くというのだ。その7割以上に予約が入る。同食パンは、ある製粉会社が用意した専用のミックス粉から作る。大島さんは、アーバンマスターズという、ベーカリー仲間どうしで作る研究会に属していて、同研究会が会員専用に製造を依頼したミックス粉だ。練りに練った配合で、しかも計量などの手間がないもがメリットだという。 「あんぱん」(80円)も、同研究会が、あん製造業者にかけあって、独自の材料で会員専用に作らせている特性あんを使用。製パン工程管理の関係から製造数が50限定だが、売れ残ることはまずないそうだ。 カスクートも、1日50個作って完売する人気商品。ソフトフランスパンにハムやレタス、バターをサンドしたシンプルな商品だが、売れている。 「なめらかプリン」(130円、製法を10ページに紹介)も看板商品のひとつ。なめらかな食感の焼きプリンで、品揃えに華を添えている。製造数は1日70個で、毎日完売。 最近始めた「メンタイフィッセル」(230円)も売れている。23個作って、毎日10数個の予約が入る。これも毎日完売の状態だ。 大島さんは、月1〜2回のアーバンマスターズの会合に出席する。「新商品はすべて、研究会で教わったものです。それを忠実に作って発売します。最初に売れて、すこしたって売れなくなったときに、我慢して品質を落とさずに作り続けていけるかが勝負だと思います。また、続けるかどうかの判断も大切です」と話す。「続けるかどうかは、自分が本当においしいと思うか、そして、スタッフがおいしいと言うかどうかで決めます」 |

| 予約して買いに来る顧客が多い。スタッフ全員が生き生きと働く | |
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大島さんは、大阪の製菓学校で洋菓子を学んだ。卒業後、洋菓子職人を志し、就職するが、パン部門に配属され、洋菓子作りに関われなかった。
あるとき、アーバンマスターズを主宰するあるベーカリーオーナーに出会い、パンの世界に強く惹かれるようになった。 同ベーカリーオーナーの元で修業を積み、4年前に現在の場所にベーカリーを開業。 製造スペース10数坪、売り場約6坪。レジが1台しかなく、2人で対応しても、混雑時には15分以上待たせてしまうこともあるが、クレームはほとんど出ない。 予約して買いに来る顧客が極端に多いのもふるーるの特徴だ。 製造スタッフは大島さんを中心に、久美子夫人とアルバイトが6人の合計8人。販売スタッフは、アルバイトが3人。製造のアルバイトが販売にまわることもある。働きやすい環境らしく、全員が生き生きとしているのが印象的だった。 |

| 冷たくて、おいしい!
取材メモ ふるーるの取材を終えて、そのまま新幹線で東京へ。会社に直行し、記事執筆開始。
購入したパンは、いくつかは新幹線の中で食べ、あとは会社へ持ち帰りました。記事もほぼ書き終え、小腹がへってきた深夜、「『ささがきごぼう』(製法を11ページに紹介)が残っている」と気付き、袋から出してみると、寒かったせいか、かなり冷たくなっていて、形も少し崩れていました。 しかし、食べてみると「おいしい」。「冷たくてもおいしい」というより、「冷たくておいしい」と感じさせるほどでした。 取材時のメモをもう一度細かく読み直してみると、大島さんのある一言を発見しました。 「次の日食べてもおいしい、と言ってくれます」。ピーンときました。「次の日でもおいしいパン」とはよく言いますが、これほどのパンはそうそうない。そういえば、ふるーるのパンをすべて、冷めた状態で食べましたが、どれもおいしかった。そうか、焼きたてのときより、時間がたったときの味を考えてパンを作ればいいんだ、と思いました。 |
| 豚の鼻に似た愛嬌たっぷりの焼きカレーパン | |
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ぶたのはな
豚肉をたっぷりと使ったカレーを包んだ焼きカレーパン。クープを2つ入れて焼き、豚の鼻に似せている。80円。 【配合%】 強力粉(カメリヤ)…………………………100 三温糖…………………………7 塩(シママース)……………1・8 脱脂粉乳………………………3 生イースト………………………3 マーガリン………………………7 水…………………………63〜 【工程】ミキシングL3分M4分(マーガリン投入)L3分M3分H1分、捏ね上げ温度28度C、発酵(フロアタイム)1時間、分割50グラム、ベンチタイム20分、成形→カレーフィリングを包んで、表面にパン粉をまぶし、切りこみを2つ入れる。ホイロ36度C83%50分、焼成上火220度C下火210度C10分(白っぽく焼く) ※カレーフィリングは豚肉をたっぷりと使用したもの。 |
| 限りなくなめらか! 品揃えに華を添える。 | |
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なめらかプリン
なめらかな食感が特徴の焼きプリン。品揃えに華を添えている。130円。 【配合%】 プライム(濃縮乳)………………………………100 トワホイップ(生クリーム)………………………300 水…………………………………………………75 グラニュー糖……………………………………20 卵黄………………………………………………50 【作り方】(1)プライム、トワホイップ、水、グラニュー糖10%を合わせて加熱する(60度Cぐらい)(2)卵黄、グラニュー糖10%を混ぜ合わせる(3)[2]に[1]を徐々に加えながら、泡立たないように混ぜ合わせる(4)[3]を裏ごしする(5)プリンカップに[4]のプリン液を注ぐ(6)天板にお湯をはって150〜160度Cのオーブンで約30分間焼成する(7)焼き上がったら表面にグラニュー糖をふり、ガスバーナーで焦がす(グラニュー糖がキャラメル化するように) |
| パンと焼き海苔は相性が抜群! | |
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ささがきごぼうの焙煎ごまあえ
焼き海苔とパンは意外に合うと思いつき、商品化した。ごぼうとの相性もいい。 【配合%】 強力粉(ブリザード)………………………………100 三温糖……………………………………………13 塩(シママース)……………………………………1・6 脱脂粉乳……………………………………………3 生イースト……………………………………………3 全卵………………………………………………15 水………………………………………………48〜 マーガリン…………………………………………10 【工程】ミキシングL3分M3分H2分(マーガリン投入)L3分M2分H2分、捏ね上げ温度28度C、発酵(フロアタイム)28度C、分割40度グラム、ベンチタイム20分、成形→丸め直して生地を7号のマドレーヌアルミホイルの大きさまでのばす。ホイロ38度C85%1時間、焼成上火200度C下火220度C10分 ※ホイロ後、焼きのりをのせて、その上にささがきごぼう(茹ででマヨネーズであえたもの)をトッピング。さらにマヨネーズを絞る。 ※ホイロは若目で出す。 |
| ちぎりながらぱくぱくと食べられるパンがあったらいい。 | |
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ちぎりブレッド
ちぎりながらぱくぱくと食べられるパンがあったらいい、と考え商品化した。人気商品のひとつ。130円。原価はかなり高いという。 【配合%】 強力粉(カメリヤ)………………………………100 生イースト…………………………………………5 三温糖……………………………………………20 液糖………………………………………………10 塩(シママース)…………………………………1・2 脱脂粉乳…………………………………………3 全卵………………………………………………30 バニラオイル……………………………………0・3 バター……………………………………………30 水………………………………………………22〜 【工程】ミキシングL3分M2分H2分(バター投入)L3分M4分H1分、捏ね上げ温度26度C、発酵(フロアタイム)28度C1時間40分、分割40グラム×3、ベンチタイム15分、成形→丸めなおして型に3個詰める。ホイロ38度C85%1時間、焼成190度C約12分 ※ホイロ後、卵を塗り、斜めに切れ目を入れる。 |
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