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| 特集/2001年8月号 |
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| 追跡取材 - ベーカリーが推すパンの素材
魅力溢れる商品を作りたい!
ベーカリーに「最近使用して成功したパンの素材は?」 「今、注目しているパンの素材は?」と聞き、回答数が多かった素材や、名前が上がった素材で、おもしろいと思われるものについて、製造元に取材した。ベーカリーは、それぞれの価値基準から、「何かおもしろい素材はないか」と目を光らせている。パンの主原料、副材料など様々な種類の材料の名前があがったが、そんな中に「あなたにとってピンとくる」材料があるかも…。 本誌7月号で実施したパンの素材についてのベーカリーに対するアンケート調査で、名前があがった素材のうち、おもしろいと思われるものについて、紹介する企画です。 |

| フランス産小麦を石臼で挽く。でん粉質の違いが香りの違い - フランス産麦石臼挽小麦粉「ムール・ド・ピエール」 | |
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フランス産小麦を、オーストリア製の大型石臼で挽いた小麦粉。フランスパンやカンパーニュなどの硬焼きハースブレッド、クロワッサンやデニッシュなどのヴィエノワズリーを作るのに適した小麦粉だ。
製造元の熊本製粉によると、フランス産の小麦は、でん粉の質が通常の小麦とは違い、パンにした時に香りの違いとなって現れるという。石臼でゆっくりと挽くことで、熱の発生を抑え、でん粉などが変質することを防ぐ。フランスで、フランスパンに最も多く使われる「タイプ55」という小麦粉の挽き方と基本的に同じ方法で挽いているという。 同小麦粉でフランスパンを作ると、クラスト(皮)がサクサクと歯切れがよく、クラムはモチモチとした食感になるという。クリーム色の内相のパンができるのが特徴。 灰分0・55%、粗蛋白10・5%。荷姿は、15キログラム紙袋。 石臼挽き小麦粉は、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含むという。また、旨み成分であるグルタミン酸などを多く含んでいて、コクがあるパンができるという。 ▼問合わせ=熊本製粉(電話096-355-1223) 香りが違う。発酵は長めにとる 推薦者のひとり、板垣眞二さん(サン・ミシェル=東京・品川区)の話 通常のフランスパン専用粉7に対して3の割合で配合しているが、香りが違う。「自然の香り」というか素朴な香りがする。 クラストがパリパリで、クラムがしっとりしたフランスパンができる。これが本当のフランスパンの味か、と思う。 焼き上がった時はもちろん、ある程度時間がたっても、その香りは残っている。 ただ、窯伸びがやや少ないので、発酵を少し長めにとっている。 この小麦粉100%でフランスパンを作ると、内麦粉で作ったものと同じような食感になる。 |

| 小麦の粒をパフ化して挽く。3〜4%配合で食感が向上 - アルファー化内麦粉「KDー1」 | |
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長野県産小麦のシラネを膨化させてアルファー化し、挽いた小麦粉。ポップコーンを作る要領で、小麦の粒をパフ化したものを挽くのだという。
こうすることで、水分を多く含むようになり、パン生地に3〜4%配合すると、さくっとした口溶けのいいパンができる。シラネは、中力粉に分類される。 柄木田製粉は、シラネ以外にも様々な種類の小麦について、パフ化によるアルファー化小麦粉を製造販売している。 KD‐1は、25キロ、20キロ、10キロ単位で販売している。 ▼問合わせ=柄木田製粉(電話026‐292‐0890) 口溶けのいいパンができる 推薦者、品田宗久さん(高原のパン屋さん=長野県南佐久郡)の話 業者の担当者がウチの熱湯処理した小麦粉を見て、「こういう商品があります」と言って持ってきたのがこの小麦粉だった。 食パンに10%配合してテストしてみた。湯捏ね法のパンのようにもちっとした食感になるのかと思ったが、実際は口溶けのいいソフトな食感のパンができた。ソフト感が長持ちする、ということもわかった。 2〜3日はしっとり感とソフト感が変わらない。 添加物を配合せずに、しっとり感のあるパンができるのが嬉しい。 長野県産小麦であることも魅力だ。できるだけ地元でとれる材料を使っていきたいと考えている。 内麦粉のパンに配合してうまくできるかどうかテストしてみたい。 現在、価格について業者と交渉中だ。 |

| 玄米を焙煎して微粉末化。焼成後のパンの保水性を高める - リブレフラワー | |
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玄米の全粒粉。玄米のビタミン、ミネラル、食物繊維などが豊富に含まれている。
玄米を特殊な方法で焙煎して微粉末化する。玄米は粉末にすると酸化が激しいとされてきたが、特殊な製法により、酸化しない「玄米微粉末」を実現した。 同製品を配合したパン生地は、吸水が多くなる。焼成後の保水性も高く、パンのしっとり感やもちもち感が長持ちするのが特徴だ。 パンをかびにくくする効果もあるという。 一般的にはパン生地に5〜30%配合する。 ▼問合わせ=シガリオ(電話03‐5511‐8871) 新しいおいしさ発酵促進の効果も 推薦者のひとり、鈴木恒美さん(ベルウッド=東京・足立区)の話 独特のもちもち感と香りは、これまでのパンでは味わえなかった新しいおいしさだ。「小麦粉のパンとは、食感が違うので食べずらい」という人もいるが、その違いこそリブレフラワー入りパンのおいしさだと思う。 ライ麦パンと小麦粉のパンが違うのと同じだ。 リブレフラワーを配合した生地は、発酵のスピードが速くなる。発酵している時の熱の発生量が多いからだと思う。リブレパンには天然酵母を使っているが、一次発酵は、3時間と、他の天然酵母パンと比べて、短くしている。 リブレフラワーを初めて使った人から、『うまくできない』という相談をよく受けるが、よく聞いてみると、過発酵になっていることが多いようだ。 |

| 砂糖使わずパイン本来の味いかす。パンの練り込み用素材として最適 - ドライゴールデンパイン | |
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パイナップルの中でも味と香りがいいとされるゴールデンパインを乾燥させて作る。
通常のドライパインとは違い、「砂糖を使用せず、本来のパインの風味をいかした製品」(デルタインターナショナル)だ。 新陳代謝を活発にするとされるビタミンB1、カルシウムの吸収を促進するとされるマグネシウムを多く含む。 パイナップルを輪切りにして熱風乾燥させる。 ワインなどに漬け込むと香りがさらによくなり、パンの練り込み材料として最適だ。 パンの練り込み用材料としては、パイナップルは珍しく、新鮮味がある。 ▼問合わせ=デルタインターナショナル(電話03‐3472‐3330) 新鮮味がある。夏向きのイメージも 推薦者、板垣眞二さん(サン・ミシェル=東京・品川区)の話 セミハード系の生地に練り込んで、ナマコ型の新商品を作ろうと思っている。パイナップルは、パンの素材としては珍しいので、おもしろいのではないか。夏向きのイメージもある。 すでに、ハードロール生地にクランベリーとカシューナッツを練り込んだ製品を作っているが、比較的よく売れている。 お客様を飽きさせないためにも、いろいろな材料を使ってパンを作りたいと考えている。 材料が入手でき次第、試作して商品化したい。 |
| 丹沢山系で採取した酵母を培養。発酵力強く、ソフトなパンができる - ホシノ丹沢酵母
神奈川県丹沢山塊で採取した天然の酵母を小麦粉や米などで培養した酵母。培養方法は基本的に従来のホシノ酵母と同じだという。
発酵力が強く、すだちのいいソフトなパンができるのが特徴。吸水も従来のホシノ酵母を配合した生地に比べて3%程度多くなる。 従来のホシノ酵母で発酵させて作るパンとは違った独特の深い味わいのパンができる。 冷蔵耐性が高いのも特徴。 食パン用とフランスパン用がある。 ▼問い合わせ=ホシノ天然酵母パン種(電話042‐734‐1399) 味と香りがいい。洗練されたおいしさ 推薦者のひとり、鈴木清剛さん(小麦工房ベル=千葉県船橋市)の話 味と香りがとにかくいい。とげとげしさがなく、まろやかでかぐわしい。 より上品になったという感じがする。 これまでのホシノ酵母には独特の旨みがあったが、それとは別のおいしさというより、それが進化して洗練されたという感じだ。 より多くの人に好まれる味になったと思う。 私は、より多くの人がおいしいといってくれるパンを作りたいと考えている。 バターや卵を入れたパンに使うと、特においしい。 バターのコクとホシノ丹沢酵母が作り出す味が響き合って、独特のおいしさをかもしだす。 別の酵母を配合したバター入りの生地には絶対にないおいしさだ。 発酵力も強くなった。ただ、私の場合は、時間と手間をかけて作ることにリテールベーカリーの存在意義があると考えているので、温度を低くして、発酵時間は同じにしている。 |
| カナダ産のメープルを使用。伸展性、耐熱性に優れている - メープルシート | |
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カナダ産メープルを混ぜ込んだ折り込み用シート。「自然の甘みが生きた豊かな味わいがあり、メープルの懐かしく香ばしい味のパンができる」(製造元のソントン食品工業)という。
ソントン食品工業によると、最近はカラメルなど、ローストした香りがある素材に人気が集まっているという。メープルの場合も、原液を濃縮する工程で、熱が加えられるので、メープル独特のローストした香りが出てくるのだという。 伸展性、耐熱性に優れ、カッティングしやすいのも特徴という。同シートを折り込んだパンは、ソフトな食べ口に仕上がるという。 ▼問い合わせ=ソントン食品工業(電話03‐5976‐5731) メープルの香り強い。上品な甘さ 推薦者、佐藤重明さん(オーロール町屋店=東京・荒川区)の話 焼き上げた時にメープル独特の香りが強く感じられる。味も上品な甘さで好ましい。 メープルシートを折り込んだ1・5斤型のブレッドを出している。ひとつ500円で、1日平均して10個程度売れる。生地重量70グラムの小物も出している。 メープルシートを折り込んでのばし、6等分する。折り込みは3つ折り2回。6等分した一つひとつをツイストし、1・5斤型に3つ並べて入れて、ホイロをとって焼成する。 小物には、マドレーヌ生地をかぶせて焼いている。 |
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