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| 特集/2001年10月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ベーカリーに緊急取材 - 材料販売業者とどう付き合っていますか?いい材料を入手するコツは…
顧客に支持されるおいしいパンを作るには、いい材料を使うことが必要条件だ。
特にリテールベーカリーの場合、独自性を打ち出すことが、生き残りのカギとされ、それに必要な材料を、必要な量だけ安定的に仕入れるルートの確保が重要になる。 ベーカリー3軒に、材料販売業者などと、日々、どう付き合っているかなどについて、取材した。 |

| 同じ志の仲間と共同で仕入れる。お互いの信頼関係が基本 - ベルドール
特注でベースミックスを調達する
大阪府富田林市のベーカリー、ベルドールは、小麦粉などの基本的材料の仕入れ方法に工夫を凝らしている。小麦粉については、ある問屋を通じてメーカーに働きかけ、指定した配合でベースミックス粉を作ってもらっているのだ。 これには仕掛けがある。ベルドールの奥光義社長は、同じ志を持つベーカリーのオーナーを組織して、様々な活動を行っているが、その団体の会員のベーカリーが共同で仕入れ、一定の使用量を確保しているのだ。 「ある程度の使用量がないとメーカーさんも、特注で作ってくれませんから」と奥社長はいう。 特注のベースミックスを実現させた最も大きな理由は、材料の計量ミスをなくし、製造の効率を向上させ、パンの品質を安定させることだったという。 「1袋が10キロ入りなので、ちょうど食パンの1回の仕込み量になります。砂糖や脱脂粉乳などの銘柄や配合量も我々が指定した通りに作ってもらっています。食パンだけではなく、菓子パンやロールパンなど様々なパンに使えます」と奥社長。このベースミックスを導入したことによって、パンの品質が安定し、製造の効率もかなり上がったという。価格的メリットもあるという。 粒あん、マヨネーズも工夫して入手 粒あんについても、会員が共同で、特注品を仕入れている。小豆は北海道十勝産の有機栽培のものと指定し、糖度や硬さなども独自の仕様にしている。 マヨネーズについては、問屋のPBを実現させたことで、価格的メリットを享受しているそうだ。 問屋を巻き込んだ様々な活動 「こうした取り組みが成功しているのは、問屋さんの尽力が大きいですね」と奥社長はいう。会員どうしで徹底的に話し合った末の要望を細かく聞き取って、メーカーに掛け合ってくれるのだという。 メーカーとしても、一定の販売額が保証されているので、対応がしやすいのだそうだ。 問屋とは持ちつ持たれつだ。例えば、ほかのベーカリーで作っているパンのフィリングが気になっている時に、その商品を買って、問屋に渡すと、どこのメーカーの材料を使っているかを調べてくれ、あらゆる方法を使って調達してくれるという。 逆に問屋の方で、処理に困っている材料がある場合は、使い方を工夫して、引き受けることもあるそうだ。 奥社長は「信頼関係が大事です」と話す。会のメンバー、問屋の担当者との深い付き合いがあって初めて、こうした取り組みは実を結ぶのだという。 「お互い何を求めてどんな価値観で仕事をしているかがわかっていれば、安心して頼めるし、相手の頼みも聞けます」と奥社長はいう。仲間と飲み明かすことも多いそうだ。 ベルドールでは現在、問屋1社を中心に据えて、粉専門の問屋など、そのほかに4社と取引している。 気になる材料があるときは、無料サンプルを取り寄せ試作する。どうしても無料サンプルが入手できない場合もあるが、その場合でも、有償サンプルは必ず手に入るという。 |

| 最初に、作りたいパンがあって、材料の入手先が決まる - アン・トゥ・タン | |
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ハルユタカの原麦を安定的に入手
「石臼を導入して、ハルユタカの原麦がどうしてもほしいと考え、いろいろと当たった結果、月25キロ程度を、安定的に仕入れるルートが確保できました」 東京・品川区のベーカリー、アン・トゥ・タンの磯部政利オーナーは、嬉しそうにこう話す。同ベーカリーは、店内にオーストリア製の石臼を設置、定期的にハルユタカを挽いて、自家製の全粒粉を作っている。できた全粒粉は、ハード系のパンに配合している。 使いたい材料があって業者が決まる 同ベーカリーは、パンの材料の仕入先が6〜7社ある。作りたいパンがあって、それに必要な材料を入手できるようにと、試行錯誤を重ねた結果だ。 磯部オーナーは、最も基本的材料である小麦粉について、ある製粉会社のものを使いたかった。しかし、多くの問屋は、別の製粉会社の小麦粉をメインに扱っていて、磯部さんがほしい小麦粉は手に入らなかった。結局、小麦粉や砂糖などを専門に扱う業者に仕入先を決めた。 「どうしても使いたい材料があって、それを必要なだけ届けてくれる業者さんをまず決定して、それらの業者から、自分に必要な材料を探すといった感じです」と磯部オーナーはいう。 多少高くついても必要なら調達する デニッシュペストリーに使うクリームチーズは、あるデンマーク産の製品を使いたかった。複数の問屋に依頼したところ、ある問屋が、探してきてくれた。別の問屋は指定した銘柄とは違ういくつかの製品を提案してきた。 磯部さんは「業者さんによって対応がまったく違ったりします。それと、同じ業者でも担当者によってまったく対応が違いますね。やはり、自分が使いたい材料を探してきてくれる業者さんが、いい業者さんということになります」と話す。 酒種あんパンの酒種を作るための麹にもこだわった。「『板麹』と呼ばれる、板状に固めたものなら簡単に手に入るのですが、粒状の麹の方が絶対にいい、とある人から言われ、必死で入手先を探しました」と磯部オーナーはいう。 パンの材料でポイントになるような大切なものについては、多少高くついても入手する、という方針だ。 高くてもいいから少ロットでほしい 多少高くても必要な量だけ入手できるものはいいが、そうはいかない場合もある。磯部オーナーはあるチーズのシュレッドをどうしても使いたくて、探したところ、最低ロットが必要な量よりかなり多かった。仕方なく、業者が指定した最低ロットを購入したが、使い切るのに4〜5カ月かかったという。 アン・トゥ・タンは、材料に何を使いたいかがはっきりしていて、それを必要な量ずつ提供してくれる業者と付き合ってきた結果、業者をうまく使い分けるという現在の形になったのだ。 |

| 珍しい材料でも、早めに注文すればOK。信頼できる販売業者と付き合う - パン工房HANA | |
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問屋は1社の方が何かと便利
「他の店であまり使わない材料を入手しようと思うと、何日も前に注文しなければなりません」 東京・日野市のベーカリー、パン工房HANAの田村洋子社長はこう話す。 同ベーカリーは、小麦粉などの一般的材料以外に、珍しい雑穀類など、こだわった材料も比較的多く使っている。そうした材料は、問屋が在庫を持っていないケースも多く、取り寄せになることがあるという。 一方で、田村社長は「こちらからもあちらからもと、いろいろな問屋さんからとるよりも、信頼できる問屋さん1社から、調達する方が、何かと便利です」とも話す。 「一般的な問屋さんでは入手しずらいような材料を扱う問屋さんとお付き合いしていたこともありましたが、どうしても頼む量が少なくなるので、なんか申し訳なくて、今はそこからは買っていません。1週間早めに注文すれば今の問屋さんからでも手に入りますから」という。 パン教室での仕入先からも入手 同ベーカリーは、パン教室も開いている。教室で生徒が使う材料の仕入先は、ベーカリーの仕入先とは別だ。 「ロットが小さい代わりに、割高になりますが、私がベーカリーで使いたい材料も多くあります。問屋さんから入手できない場合は、こちらから手に入れることもありますね」と田村社長。 「いろいろな情報を提供してくれる」 田村社長が現在、付き合っている材料販売業者は、パン業界についての様々な情報を提供してくれるという。 「よそのパン屋さんで売れている商品などが載っている小冊子みたいなものを持ってきてくれるんです。一生懸命だなと思いますね。やはり熱意が感じられると、たくさん買ってしまいます」と田村社長はいう。 |

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