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| お店拝見/2001年10月号 |
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| 伝統と人情味、下町のパン屋さん - マルキパン | |
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東京・葛飾区のマルキパンは、創業70年の老舗中の老舗。
2代目の荒井憲一さんは、1974年に事実上、父親から店を引き継いだ。 荒井さんは「長い間培ってきた伝統を大切にしつつも、新しいものを積極的にとり入れてやってきました」と振り返る。 ベンチタイムを長くとるという独特の製法で、多くの顧客に愛されるパンを作りつづける。5年前に始めた移動販売も、売上げ増に貢献している。 東京都葛飾区東立石3−25−13 電話03-3694-3337 営業時間 午前6時〜午後9時 月曜、第3火曜定休 |

| 皮が薄くて、ソフトな食感のパン。ベンチタイムを長くとる | |
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マルキパンのパンの特徴は表皮が薄くて、クラムがソフトなことだ。これは、ベンチタイムを長くとることに起因するのだという。
「ウチは、分割したあとのベンチタイムを、普通のパン屋さんの倍程度はとっていると思います」と荒井さんは説明する。ただ、ベンチタイムをとりすぎると、例えば食パンの場合、ケーピングがおきやすくなり、菓子パンは、生地だれを起こしやすくなるという。 「生地を上に伸ばそうと思うと、ベンチタイムは控えめの方がいいのですが、硬い感じのパンになってしまいます。そのバランスがとても大事なんです」と荒井さんはいう。 どちらかというと、「可能な限りベンチタイムを長くとり、限りなくソフトな食感を追求する」という考え方だ。 「ベンチタイムをしっかりととったパンは、日がたっても硬くならないという利点もあります」と荒井さんは話す。 例えば、マルキパンの人気食パンである「ハイトースト」(250円)は、ベンチタイムが40分、コッペパンもベンチタイムが40分とかなり長い。この製法は、先代が創業して以来の同ベーカリーの製法なのだという。 しかし、生地の配合は少しずつ変わってきている。 以前と比べると、全体として、砂糖の配合量が減り、油脂と卵の配合量が多くなる傾向があり、「お客様は、味的にさっぱりしていて、さくっとした食感のパンを好むようになってきたように思います」と荒井さんはいう。 親しい仲にも礼儀あり 顧客との付き合い方についても、荒井さんは先代からの教えを守り続けてきた。地元に深く根を張り、人情味溢れる付き合いを続けてきたのだ。 「親子孫3世代にわたって、付き合っている家族も多くいます。顔と好みがすぐに一致するお客さんも多いですね」と荒井さんはいう。 町内会の活動にも積極的だ。荒井さんは、立石大通商店会の副会長も勤め、地元商店街の様々なイベントの企画に深くかかわっている。 しかし、荒井さんは、「いくら親しい顧客が多いといっても、あくまでお客様であることを忘れてはなりません。お客様は神様ですから」ともいう。 |

| 調理パンの品揃えがかなり充実。カツ、マヨネーズなどは自家製 | |
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マルキパンは調理パンやサンドイッチの品揃えが充実している。ドッグパンに、野菜サラダをサンドした「ヤサイドッグ」(100円)や同じくドッグパンにポテトサラダをサンドした「ポテトドッグ」(100円)、バンズにハンバーグ、ロースカツ、鶏のササミなどをそれぞれサンドした「ハンバーガーバンズ」(170円)、「ロースカツバーガー」(200円)、「鶏のササミカツ」(200円)などが陳列棚に所狭しと並ぶ。特に昼時は、これらの調理パンを買い求める顧客でごった返す。
ヤサイドッグの野菜サラダとポテトドッグのポテトサラダなどは、サラダだけでの販売もしている。 「野菜サラダの作り方には、ちょっとしたノウハウがあります」と荒井さんはいう。キャベツやレタス、きゅうりなどをカットしたあとに、少量の塩をまぶして、水に浸しておくのだという。こうすることで、野菜から水分が出て、マヨネーズなどを絡めたときに、味が染みやすくなるのだそうだ。さらに、野菜の食感がまろやかになる利点もあるという。 カツサンドもマルキパンの人気商品のひとつだ。「ヒレカツサンド」(700円)や「ヒレカツミックスサンド」(600円)、「ローズカツミックスサンド」(500円)などを販売している。 カツサンドのカツはもちろん自家製だ。近所の精肉店から肉を仕入れ、一から作っている。 調理パンに使うマヨネーズも自家製。ただ、「ウチで作るマヨネーズは、味は上品なのですが、インパクトにかける欠点があるので、市販のマヨネーズと混ぜ合わせて使っています」と荒井さんはいう。 最近商品化して人気を集めているのは、三角サンドイッチだ。丹精込めて作った様々な具をサンドした三角サンドは、価格も200〜280円と比較的リーズナブルなこともあり、よく売れているという。「それまでウチは、サンドイッチに高級感を出したいという思いもあって、パック詰めの長方形にカットしたサンドイッチしか作っていなかったのですが、お客様の強い要望があって始めました」と荒井さん。 |

| パンの移動販売にも積極的。車1台、1日2時間で5万円の売上げ
荒井さんは5年前から、パンの移動販売も始めた。現在は火曜日から土曜日までの5日間、荒井さん自身が、パンを入れた番重をワンボックスカーに積み込んで出かける。販売コースは週5日で5コースある。午前11時から、午後1時頃まで販売する。出かける時点で焼き上がっているパンは、全種類積み込み、1日5万前後の売上げがあるという。
「最初、近所の病院の前に車を留めて、販売したところ、30分ぐらいで2万円のパンが売れてしまったんです。有望な販売方法だと思いました。それと、移動販売は何かイベント的な雰囲気があって、おもしろいんです」と荒井さんは笑う。 始めた当初はコースの数も少なく、1コースでの販売ポイントも少なかったが、客の要望に応えていくうちに徐々に増えていった。 荒井さんは「各コースには、核となる販売場所があります。最初はそこだけで販売していたのですが、離れた場所から買いに来てくれるお客様などの『ウチの近くにも寄ってほしい』という声に応えていくうちに、1コースでの販売場所が徐々に増えていったんです」と説明する。 洋菓子店も展開、「カフェも開きたい」 マルキパンは、京浜急行線・立石駅から徒歩10分の距離。古くから住んでいる人たちが多い地域で、同ベーカリーは、荒井さんの父親が1931年に創業した。すぐ近くに、洋菓子店、ら・マルキも営んでいる。 マルキパンは、売り場面積が約15坪、製造スペースも約15坪。日商は移動販売も入れて「およそ40万円」(荒井さん)だ。製造スタッフは荒井さんを入れて5人、販売スタッフは常時2人の体制。ゆくゆくは、客がくつろいでパンとコーヒーなどを味わえるカフェも開きたい、と考えている。 |
| 40年間売れ続ける食パンの超ロングセラー | ||||||||||||||
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ハイトースト
マルキパンの超定番商品のひとつで、40年前に発売したロングセラーだ。「ソフトでコクガある」(荒井社長)のが特徴。250円。 【配合%】
【工程】ミキシング(スパイラルミキサー使用)L2分(コンパウンドマーガリン投入)L3分30秒H6分、捏ね上げ温度26度C、発酵50分、分割200グラム×5、ベンチタイム40分、モルダーでナマコ型に成形し、2つ折りにして、食型(長さは3斤棒と同じで、幅と高さは短めの特注のもの)に5つ並べて入れ、蓋をする。ホイロ38度C85%50分、焼成上火180度C下火220度C45分 | ||||||||||||||
| 材料がよくなかった昔の味を今の材料で再現! | ||||||||||||||||||||
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コッペパン
「ノスタルジックなコッペパンの味と食感を再現した」(荒井社長)製品。薄力粉やショートニングなどを配合して「サクい食感」を出している。「昔は材料の質が今ほどよくなかったので、昔の材料で作ったパンの味と食感を、今の材料を使って再現しました」と荒井社長はいう。ジャムをサンドした「ジャムコッペパン」(160円)や粒あんをサンドした「アンココッペパン」(170円)、ピーナッツバターをサンドした「ピーナツコッペ」(160円)を販売している。 【配合%】
【工程】ミキシング(縦型ミキサー使用)L5分(ショートニング投入)L2分MH7分、捏ね上げ温度27度C、発酵40分、分割100グラム、ベンチタイム40分、成形→ナマコ(両端を細く尖らせる)、ホイロ38度C85%50分、焼成210度C10分 | ||||||||||||||||||||
| 季節のフルーツのデニッシュも! | ||||||||||||||||||
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デニッシュ
「調理パンが美味しい」と評判のマルキパンだが、デニッシュも充実している。近くに洋菓子店、ら・マルキも構えるだけあって、トッピングのフルーツにもセンスが光る。ダークチェリーデニッシュ140円、デニッシュポワール140円など。 【配合%】
【工程】ミキシング(縦型ミキサー使用)L5分(マーガリン投入)L2分MH7分、捏ね上げ温度27度C、発酵40分、大分割1800グラム、折り込みバター600グラム、3つ折り3回、成形→(1)シート生地を5ミリ厚にのばして、細長い短冊状にカットする(2)[1]をツイストしながら渦巻状に丸める。ホイロ30度C80%50分、焼成210度C12分 ※ホイロ後上面にカスタードクリームを絞る。 ※焼成後、ダークチェリーやイチジク、洋梨、マロンなどをトッピングし、ナパージュをかける。 | ||||||||||||||||||
| いちど焼いたものを保管し、客足を見ながら順次揚げる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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ケンちゃんカレーパン
いちど焼成したものを、上面を下にして番重に保管して、客足を見ながら、順次揚げていくカレーパン。冷蔵庫や冷凍庫に保管しておけば、いつでも揚げたてが出せる。カレーフィリング、パン粉はいずれも完全自家製。商品名は、荒井さんの愛称の「ケンちゃん」からつけた。1個130円。 【配合%】 《中種》
《本捏ね》
【工程】 《中種》ミキシング(スパイラルミキサー使用)L4分、捏ね上げ温度25度C、発酵28度C(室温)8時間 《本捏ね》ミキシング(スパイラルミキサー使用)L3分30秒(ショートニング投入)H4分、捏ね上げ温度27度C、発酵15分、分割55グラム、ベンチタイム25分、成形→▼カレーフィリング55グラムを包む。ホイロ38度C85%40分、焼成200度C10分(浅めに焼く) ※焼成後、上面を下にして番重に並べ、保管する。必要に応じて、溶き卵をくぐらせ、パン粉をつけて揚げる。フライ温度は180度C。揚げ時間は片面1分ずつ。 ▼カレーフィリング [材料グラム]
[作り方](1)ジャガイモとにんじんは細かく切って茹でる(2)玉ねぎをみじん切りにして豚肉と炒める(3)[1]と[2]を水500ccの中に入れ、沸騰させる(4)[3]に鶏がらスープの素、粉末カレー、すりおろしにんにく、カイエンペッパー、ホワイトペッパー、SBカレー粉、砂糖、塩を加えてさらに煮込む(5)最後に小麦粉を水で溶いたものを加えて混ぜ合わせ、固さを調節する | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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