フランスのパンを昇華して、日本のパン食文化 - レジオン - ブランスリー電子版

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お店拝見/2001年12月号

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フランスのパンを昇華して、日本のパン食文化 - レジオン

レジオンのカフェを通りから臨む
神奈川県横浜市都筑区のレジオンは、フランスなどで修業を積んだ藤巻正夫シェフが切り盛りするブーランジュリ・パティスリーだ。
店舗はフレンチテイストに溢れ、晴れた日にはオープンカフェが、町並みに華を添える。しかし、藤巻シェフは
「日本独自のパン食文化を発信してもいい時期に来ているのでは」といい、国産の様々な材料を使用するなどして、日本のパン食文化の創造を目指している。

神奈川県横浜市都築区中川中央1-37-23
電話045-910-2345
営業時間 午前9時〜午後7時30分
水曜定休



フランスのパンを理解した上で、日本独自のパンを作りたい

フランスで購入した陳列棚に「レジオン」を始めとする大型のハースブレッドが並ぶ。


小型のハースブレッドは、入店して正面のショーケースに並ぶ。


レジオンの店内
「フランスのパンをそのまま再現するのではなく、製法を完全にマスターした上で、日本独自のパンを作っていきたい」
藤巻シェフは、コートドール地方やフランシュコンテ地方などフランスの田舎町数カ所などに合計で4年間滞在した。各地方のレストランや菓子店などで修行を積んだ。
レジオンの店構えは、「フランスのブーランジュリ」といった感じで、入店すると正面に、フランスで購入したという陳列棚があり、パンがセンスよく陳列されている。店内のあちこちに、フレンチテイストが溢れている。
しかし、藤巻シェフはフランスを単に模倣しているわけではない。「体を作る主食になるパンに力を入れていきたい。国内産小麦や、地元神奈川でとれる材料などを積極的に使っていきたいですね」と話す。


藤巻正夫シェフ



「できるだけ国産の材料を使いたい」。「レジオン畑」でとれる食材も使う

レジオンの入り口


食パンは、「パン・ドゥ・ミ」「パン・オ・レザン」「はちみつパン」など。


ちりめんじゃこや青のりなどを練り込んだパン・ペイザン


大型のハースブレッドは、好きな大きさにカットしてくれる


ブリオッシュやデニッシュなどのほか、アンパンやレーズンジャムパンなど藤巻シェフ流のヴィエノワズリーも並ぶ。
レジオンの店名がそのまま商品名になった「レジオン」は2750グラム分割の巨大なパン。粉は、北海道産小麦粉、岩手県産南部小麦粉、ドイツ産ライ麦粉を使用。このほか、玄米やもちきび、ひえ、はと麦など雑穀8種類が入っている。酵母は天然酵母、塩は天然塩、水は「生体エネルギー水」を使用している。基本的には国産の材料を使用。
「レジオン」は100グラム120円で量り売りしている。顧客は「10センチぐらい」「300グラム」などと注文して買う。
「パン・ペイザン」は「レジオン」の生地にさらにちりめんじゃこ、青のり、くるみを練り込んで作る。「山の幸がたくさん入っている「レジオン」の生地に、海の幸を入れたら、完全食品になると考えて、商品化しました」と藤巻シェフはいう。ちりめんじゃこの独特の塩味が青のりの香りとあいまって、雑穀などの食感と響きあい、独特の味をかもし出す。「口に入れた時にできる味と食感の構図」を考え抜いたパン、という感じだ。このパンも量り売りで、100グラム150円。
あんこを巻き込んだカンパーニュもある。北海道産小麦粉、岩手県産南部小麦粉、天然酵母、自然塩などを捏ねたカンパーニュ生地に、粒あんとくるみを巻き込み、表面に黒ごまをまぶして焼成する「パン・ド・サン」だ。1つ700円。ハーフカットが350円、4分の1カットが175円。
レジオンに並ぶハースブレッドは、ライ麦粉を除いてはすべて国産小麦粉を使用。酵母は天然酵母、塩は自然塩、水は、「生体エネルギー水」を使っている。これらに、5種類の黒い穀物などの粉を混ぜ合わせた「黒五」、ちりめんじゃこ、くるみ、小豆、ケナフの葉の粉末など、藤巻シェフが厳選した材料を、様々な形であしらって作るパンは、バラエティー豊かだ。「レジオン畑」と称する畑もあり、きゅうりやトマト、なす、木苺などを栽培していて、ここで収穫される材料もふんだんに使う。


小豆とくるみを巻き込んだパン・ド・サン


様々な焼き菓子も製造販売。



日本人に馴染みの深い材料をハード系の食事パンに加える

入店して正面の位置に、サンドイッチのメニューや、パンのイラストと説明、パンの材料の説明が掲げられている。


販売スペースからカフェに通じる通路には、レジオン通信や書籍などが置かれている。カフェだけで出す菓子「ピュイ・ダムール」についての説明も掲げられている。
様々な副材料を使うのは、藤巻シェフが、ハード系のパンをもっと多くの人たちに食べてほしいと考えた結果でもある。
「最初の頃は、カンパーニュなどシンプルなハースブレッドはあまり売れませんでした。なんとかこのおいしさをわかってもらいたいと考え、日本人に親しみのある材料をいろいろな形で加えてみたんす。そのせいかどうかはわかりませんが、徐々にそうしたパンが売れるようになり、しかも、プレーンなカンパーニュも同時に売れるようになりました」と藤巻シェフはいう。
「ハード系の食事パンが浸透してきたのは、サンドイッチを提供するようになったからかも知れません」ともいう。
レジオンでは、ある時期からサンドイッチを商品化した。ベーカリーで作るハード系の食事パンをスライスして、様々な具材をはさんだ製品だ。

スライスした「レジオン」で、チェダーチーズ、レタス、トマト、たまごなどを挟んだ「レジオンサンド」(350円)や、同じくスライスした「レジオン」で、スモークチキン、野菜、自家製味噌マヨネーズ、たまごなどをサンドした「レジオンプーレ」(380円)、黒五カンパーニュで、無添加ロースハム、レタス、トマト、たまごなどを挟んだ「黒五サンド」(780円)などを提供している。
店頭に製品のメニューを貼りだし、顧客の注文を受けてから作る。
「とにかく食べてもらわなくてはなりません。サンドイッチを食べておいしいと思っていただければ、私どものパンを買ってご家庭でサンドイッチを作っていただけると考えました」と藤巻シェフは話す。



サンドイッチはカフェのメインメニュー。フランスで味わったカフェ文化を伝えたい

カフェはたくさんの人で賑わっていた。
サンドイッチは、レジオンのカフェのメインメニューでもある。同店には、約30席のカフェスペースがある。通りに面して一面のガラスドアになっており、天気のいい日は、ドアを開け放って、オープンカフェになる。
カフェは、4年間のフランスなどでの修行時代に藤巻シェフの生活の一部だった。
「フランスではカフェなしに日常生活は成り立ちません。私にとっても生活の一部でした。みんなゲームに興じたり、本を読んだり、おしゃべりを楽しんだりと、思い思いにすごしています。何時間いても誰も文句を言いません」と藤巻シェフは振り返る。「出勤途中に立ち寄って、お昼休みには昼食を食べに来店し、帰宅途中にも寄る、という人が多いんですよ」
レジオンのカフェには、こうした体験を、日本の人たちにも味わってもらいたいという思いが込められている。
カフェのメニューは、様々なサンドイッチのほか、ケーキセット(570円)、コーヒー(380円)、エスプレッソ(360円)、紅茶(400円)などがあり、地元の人たちなどに親しまれている。

いつも笑顔を絶やさない

顧客に積極的に話しかける藤巻シェフ(左)


藤巻シェフはもともとはパティシエだ。約30品目の洋菓子を製造販売。
藤巻シェフは笑顔を絶やさない。レジオンが発行している「レジオン通信」の14号には「出会うすべての人々の気持ちを明るくし、自分の印象をプラスに残すためには、笑顔がとても大切だということにあらためて気付きました。私は、心はいつも笑顔でいるように努力してきたつもりですが、顔もいつも笑顔でいられるようにしようと思います」と記している。積極的に店頭に出て、顧客に笑顔で話しかけることを怠らない。取材中も、近くを通るほとんどすべての人に笑顔で言葉をかけていた。
◇
レジオンは、横浜市営地下鉄のセンター北駅下車徒歩3分の距離。製造スペースが20坪、販売スペースとカフェスペースなどを合わせて20坪。製造スタッフは、藤巻シェフを含めて7人、販売スタッフは、カフェのホール担当も入れて5人の体制。洋生菓子、焼き菓子、パンなどを製造販売する。
「お菓子パン教室」も開いていて、藤巻シェフは「人と環境を考えた食作りを考えながら、楽しくお菓子とパンを作ることが目的です」などと、教室の案内に記している。

原価計算女王
原価計算女王
ブリオッシュ生地を使ったレーズンジャムパンやアンパン - 商品編

左から、クリームパン、レーズンジャムパン、アンパン


左から、アンパン、レーズンジャムパン、クリームパン
アンパン、クリームパン
レーズンジャムパン
レジオンには、アンパン、クリームパン、ジャムパンもある。しかし、見た目も味も食感も、一般的な製品とは違う。ハースブレッドの隣に並べても違和感がなく、「小ぶりで、気高い」という表現がしっくりとくるような製品なのだ。3製品ともブリオッシュ生地を使用。フィリングはアンパンが、「有機肥料、低農薬」(藤巻シェフ)の小豆から作った粒あん、クリームパンは自家製カスタードクリーム、ジャムパンは、自家製杏ジャムとカランツを混ぜ合わせたレーズンジャムだ。ホイロ後にたまごを塗って焼成し、独特の艶と焼き色を出す。
【配合グラム】(24個分)
強力粉……………………………………350
生イースト………………………………………9
牛乳………………………………………125
全卵………………………………………100
天然塩………………………………………10
無精製糖……………………………………25
発酵バター…………………………………100
【工程】ミキシングL1分MH10分(バター投入)LM3分、捏ね上げ温度25〜26度C、発酵45分後、ガス抜きして5〜6度Cの冷蔵庫で17時間程度熟成させる。分割30グラム、成形→フィリングを20グラム包む(あんパンとレーズンジャムパンは、ブール形、クリームパンは小さななまこ形)。ホイロ32度C1時間30分、焼成200度C10分
※ホイロ後、たまごを塗る。


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