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特集/2002年1月号

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ベーカリーに徹底アンケート! - 難波のパン屋さんの売れ筋商品は?

大阪府内のベーカリー30軒に、様々な質問をぶつけた。
菓子パンと食パンが売上の柱になっていること、新商品開発に試行錯誤を繰り返していること、客単価は落ちているが、来店客数を伸ばして売上を維持していること、などが全体の傾向として浮かび上がってきた。

調査の方法
電話帳と購読者リストから大阪府内のベーカリーをなるべく無作為に選び出し、電話でアンケートを依頼した。依頼したベーカリーにFAXがある場合は、FAXでアンケート用紙を送付し、回答してもらった。FAXがない場合は、本誌記者が電話で回答者から直接聞き取った。回答したベーカリーは30軒。
主な質問事項は「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」「流行の商品(もしくは最近出した目新しい商品)で、よく売れているものを2つか3つあげてください」「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)のは何ですか?」など合計10項目。
回答したベーカリーの住所は、すべて大阪府内。
立地は商店街14軒、住宅街13軒、オフィス街、スーパー内、製造卸が各1軒など。



食パンで客を捉えられるか

「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」(有効回答数30)と聞いたところ、「メロンパン」と答えたがベーカリーが11軒と最も多かった。「あんパン」の8軒、「食パン」の7軒、「ピザパン」「カレーパン」「サンドイッチ」の4軒ずつなどと続く。(グラフ1)

グラフ1


これを、パンのカテゴリー別にみると、菓子パン類が30軒、調理パン類が15軒、食パン類が14軒、デニッシュ・クロワッサン類が7軒、ハード系が6軒の順になる。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
一方、「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)のは何ですか?」(複数回答、有効回答数28)と聞いたところ、「菓子パン類」と答えたベーカリーが18軒、「食パン類」と答えたベーカリーが17軒だった。さらに、「調理パン類」の8軒、「ハード系」の5軒、「デニッシュ類」の2軒と続く。
「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)のは何ですか?」との質問に対する回答軒数の、「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問への回答軒数に対する割合が、食パン類の場合だけかなり高い。このことは、品目数が少ないにもかかわらず、売り上げの柱になっているという傾向を示す。
「菓子パン類」を「売り上げの多いパンのカテゴリー」としてあげたのは18軒と、「食パン類」の17軒より多いが、食パン類に比べて品目数がかなり多いのだ。生活者にとって価値ある食パンを製造販売すれば、効率的に売上を伸ばせる可能性があるということになる。
大阪府富田林市のベーカリーオーナーは「食パンで客を捕らえられるかどうかが勝負だ」と話した。
食パンについて「最近の傾向として、甘くないものが好まれる。砂糖が少ないものが伸びている」(大阪府堺市のベーカリー)という指摘もあった。



新商品開発は試行錯誤を繰り返す

「流行の商品(もしくは最近出した目新しい商品)で、よく売れているものを2つか3つあげてください」(有効回答数27)と聞いたところ、様々な答えが返ってきた。そのなかで、「プリンパン」の9軒、「クリスマスツリーパン」と「シナモンロール」の3軒ずつ以外は、ほとんどについて、回答が1軒で、試行錯誤を繰り返している様子が垣間見られる。(グラフ2)

グラフ2


「常に新しい商品、ディスプレイを展開しています」(大阪市東淀川区のベーカリー)、「アイテム数を増やすことで何とか売上微増をキープしています」(大阪府池田市のベーカリー)といった声が聞かれた。
「流行の商品(もしくは最近出した目新しい商品)で、よく売れているもの」としてあがったパンをカテゴリー別に数え上げてみると(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)、菓子パン類が28軒、デニッシュ・クロワッサンなどが12軒、食パン類が4軒、ハード系の食事パンなどが7軒となる。新商品としてデビューするのは菓子パンが圧倒的に多いということがわかる。
調理パン系は、きんぴらベーコンの1軒しかあがらなかった。



1カ月の新商品数は平均2・31

「新商品は、平均すると月に何品目出しますか?」(有効回答数26)との質問に対する回答の平均値は2・31品目だった。
これを、「1年前と比べて売上は(1)伸びた(2)横ばい(3)落ちた、のいずれですか?」との質問に対する回答とのクロス集計でみると、「伸びた」と答えたベーカリーが1カ月に出す新商品の数の平均は、2・24品目、「横ばい」と答えたベーカリーが1カ月に出す新商品の数の平均は、2・86品目、「落ちた」と答えたベーカリーが1カ月に出す新商品の数の平均は、1・83品目だった。「落ちた」と答えたベーカリーは、新商品を出す頻度がやや低い傾向にある。
立地条件とのクロス集計では、「住宅街立地」と答えたベーカリーの平均値は、2・24品目、「商店街立地」と答えたベーカリーの平均値は、2・42回で、両立地間の差はあまりなかった。



来店客を増やして売上を維持する

「1年前に比べて売上は、(1)伸びた(2)横ばい(3)落ちた、のいずれですか?」(有効回答数29)と聞いたところ、「伸びた」が10軒、「横ばい」が9軒、「落ちた」が10軒で、不況下で健闘していることがわかった。
客単価と来店客数についても同じ質問をした。
売上が「伸びた」と答えたベーカリー10軒のうち、客単価が「伸びた」と答えたのは6軒、「横ばい」と答えたのは3軒だった。(売上が「伸びた」と答えた1軒のベーカリーは、卸販売業者で、客単価と来店客数については無回答)
売上が「伸びた」と答えたベーカリー10軒のうち、来店客数が「伸びた」と答えたのは8軒、「横ばい」と答えたのは1軒だった。
売上が「横ばい」と答えたベーカリー9軒のうち、客単価が「伸びた」と答えたのは2軒、「横ばい」と答えたのも2軒、「落ちた」と答えたのは5軒だった。売上が「横ばい」と答えたベーカリー9軒のうち、来店客数が「伸びた」と答えたのは4軒、「横ばい」と答えたのは3軒、「落ちた」と答えたのは2軒だった。
売上が「横ばい」と答えたベーカリーについては、客単価は落ちたが、客数を増やして売上を維持している、という傾向がうかがえる。
不況下で様々な施策を実施するベーカリーも多い。
あるベーカリーは「今年10月末に売り場の改装をした。以前は15年前にオープンしたままの古臭い売り場だったが、色調も落ち着いた感じにし、売り場の囲いも取り去り、オープンな雰囲気に変えた」と話した。
別のベーカリーは「当店はハード系を主体にしようと思い始めたので、現在はハード系を好むお客様が多く来店している。焼きたて商品を夕方6時ごろまで出している。お客様の声を聞き、それに答えるよう努力をしている」と話した。
「必要なパンしか買わない傾向が強くなった」(大阪市此花区のベーカリー)、「店がスーパーの近くにあり、買い物ついでに寄っていくお客様が多く、値頃感が求められる」(大阪府泉北郡のベーカリー)といった声が多く聞かれ、低価格志向が強いことをうかがわせた。

声

●年配のお客さんが多く、やわらかいパンが好まれる。1日1品、日替わりで1割引きで販売している。木曜日は食パンの安売りの日だ。客単価は約400円と落ちている。少し前までは450円ぐらいだった。現在の景気はかなり悪い。ライ麦パンや天然酵母パンなど、特徴のある商品を作っていきたい。大阪市住吉区、住宅街
●今年10月末に売り場を改装した。それ以前は15年前にオープンしたままの古臭い売り場だったが、色調も落ち着いた感じにし、売り場の囲いも取り去り、オープンな雰囲気に変えた。改装に前に比べて客数が増えた。また、商品に高級感が出るようにった。大阪市福島区、スーパー内
●手作りのクッキーを販売しているが、長いことよく売れている。最近商品化して好調なのは、紅茶の葉を練り込んで作った山型の食パンだ。通常の食パンは180円で販売しているが、スーパーなどでは100円で売っており、食パンの売上げは落ちている。景気はかなり悪いと思う。大阪市東淀川区、商店街
●お客様は年配の人が多く、昔からずっと作っているパンがよく売れる。「昔なつかしの味」ということで、ジャムなどをサンドしたコッペパンなどもやったが、あまり売れなかった。ウチが昔から作って売ってきた製品が売れるようだ。大阪市住吉区、商店街
●最近のお客様は、甘さ離れが進んでいる。それと、必要なパンしか買わない傾向が強くなった。販売促進の一環として、購入金額の半分をサービス券で進呈するなどしている。景気はまだ悪くなると思う。大阪市此花区、商店街
●店がスーパーの近くにあるので買い物ついでに寄っていくお客様が多く、値ごろ感が求められる。2年前にセンターテーブルを設置した。アピールしたい商品が置けるので、お客様に伝わりやすくなった。店がせまいので、それまではセンターテーブルを置いていなかった。カードをレジに差し込むと自動的にポイントが記録されるシステムを導入したところ、好評を得ている。1年前に比べて客数は減ったが、客単価が上がったので、売上は横ばいだ。大阪府泉北郡、商店街
●とにかく焼きたてでないと売れない。新商品のPRは積極的にやっている。通りからでもわかるように、チラシを張ったりしている。大きな商品は、お客様が必要な分だけカットしての販売もしている。食パンのスライス1枚でも販売する。「あそこの店に行くとこんなサービスもしてくれる」といわれるようにいろいろとやっている。大阪府高石市、商店街
●全体的には、やわらかなデニッシュパン系が好きなお客様が多いが、当店はハード系を主体にしようと思い始めたので、現在はハード系を好むお客様が多く来店している。季節ごとに売り場のディスプレイを変えている。焼きたて商品を夕方6時ごろまで出し、お客様の声を聞き、それに応えるよう努力をしている。現在のところ業績は安定している。常に新しい商品、ディスプレイを展開している。大阪市東淀川区、住宅街
●年齢層が高い地区なので若者を対象にしたようなものはあまり売れない。経費はかかるが、焼き上げたパンを、パリッとした食感がの方がいいもの以外は、基本的に全品1個ずつ袋に入れている。当店はカフェも併設しているが、どんな商売も今は苦しいのではないか。ただ、私自身昨年2月まで別業態の飲食店を経営していたが、パンは悪いなりに安定しているのではないか。大阪府住吉区、住宅街
●約3カ月前に店をリニューアルし、明るくした。焼きたてを出し、焼きたてのパンは手前に置き、「パンは美味しかったですか」と明るく聞き、はがきを渡して、お客様の意見を尋ねている。売上が倍増した。大阪府富田林市、商店街
●白くてやわらかくて、もちもちしたパンが好まれる。景気はかなり悪いと思う。アイテム数を増やすことでなんとか売上微増をキープしている。ウチは「バイキング」と称して、小型の焼き込み調理パンを3つで150円で販売している。5つの中から好きなものを3つ選んでもらうシステムで、結構好評だ。朝とかお昼に特に女性に受けている。大阪府池田市、住宅街
●昔はよく売れたが、最近はさっぱり売れなくなった。しかし、1枚40円のクッキーはよく売れている。横文字の名前のパンやベーカリーが多いが、ウチは、ジャムパン、クリームパン、あんパンと昔ながらの名前で売っている。食パンは仕入れている。大阪府岸和田市、商店街
●やわらかいパンが好まれる。最近の傾向として、甘くないものが好まれる。食パンでも砂糖が少ないものが伸びている。ハード系も売れ出した。最近ポイントカードを作ったが、客数が増えた。大阪府堺市、商店街
●以前と比べると給料日直後に売れるようになった。景気がいい頃は、給料日の後はかなり売れたが、景気が悪くなって、給料日の後でも売れなくなっていた。すこし、景気がよくなってきたのかな、と感じる。大阪府堺市、住宅街
●パン生地がおいしいといってくれるお客様が多い。甘いパンがよく売れる。フランスパンは別格で、全体の売上の30%以上はある。2年前に電子看板を設置した。あわせて店頭を明るくし、スポットライト(300W×2)も設置した。さらに先週、2万1000円あまりをかけて、「こだわりパン、フランスパン100円より」と書いた宣伝写真を、電子看板の下につるした。景気は全般的に悪いと思うが、大手のコンビニパンとは一味違うということをわかってもらえるよう、今後も努力したいと思っている。レストランがバタールを消費してくれるので、収益上助かっている。大阪市北区、商店街
●やわらかいパンが売れる。最近は天然酵母系が好調。ハード系もやや健闘。景気はやや底打ちか。大阪市住之江区、商店街
●あっさりとした甘さを求められている。食パンを朝一で焼き上げ、焼きたてを買ってもらうようにしたところ、食パンの回転がよくなった。それまでは昼に焼いて次の日の午前中まで売っていた。不景気なので食パンを中心に買い物をして、菓子パンは3つほしいところを、1つで抑えるという感じだ。ここにしかない商品を開発したい。大阪府松原市、住宅街
●ケシの実のペーストをのせて、白いフォンダンをかけたデニッシュを最近出したが、よく売れている。1年半前、割と近くに長時間営業のコンビニができて、影響を受けている。大阪府堺市、商店街
●お客様は流行に敏感だ。甘いパンやケーキっぽいものとか、飾りが多いものとかが好まれる。最近、10枚綴りの30円引き券を配ったが、かなりの効果があった。普段買わないような商品も割引券を使って買う人が目立っている。大阪府富田林市、住宅街
●焼きたてのパンは天板に載せたまま陳列したり、新商品をなるべく多く出すなどして、マンネリ化しないように努めている。イチゴなどを使って、付加価値を高め、客単価を上げる努力をしている。土日はフランスパンがよく売れる。大阪市福島区、商店街
●長期的に見ると流行商品よりも定番商品の方が強い。売上が景気のいい頃の3分の2になり、先行きがわからない。大阪府河内長野市、住宅街
●ハード系の本格的なパンが求められるようになった気がする。珍しいパンについては、クロス販売によるお客様への案内をすることで、定着したものもある。景気は非常に厳しいと思う。本格的なベーカリーや、バリエーションが多いとか特長のあるパン屋さんしか生き残れないのでは。大阪摂津市、卸販売

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