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| 海外情報(39=最終回)/2004年4月号 |
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| 「アメリカにおけるフードサービス」最新情報
高橋秀尚 �螢僖鵐錙璽襯病緝充萃�役、海外情報研究会主宰
「フードサービス」なる用語が日本でも使われ始めたのは、最近になってからだと思う。筆者は時間をやりくりして一年に数回ではあるが英文情報紙「ジャパン フードサービスニュース」を既に12年間ほど発行し、主としてアメリカの食品製造、販売メーカーに郵送したり、展示会に出掛けた時に無料で配布しているが、始めた当時はフードサービスという用語は日本でもまだ珍しかったように記憶している。 余談になるが、この英文ニュースは主として「アメリカ企業が日本国内でどのような動きをしているか」を英文で彼らに伝える目的で筆者の無料奉仕として始めたものだ。例えばアメリカ系のファストフード店の国内展開やスーパーマーケット業界の動きなどを彼らに伝えている。これにより日本の製パン業界はアメリカに次ぐ世界第二位の市場である事を彼らが知り、日本を見る視点も良い意味で変わった事を今までに幾度か経験している。私たちは英語で書かれたニュースや情報を理解できるが、日本語を理解できるアメリカ人は極めて少ない。情報はお互いに交換し合うものだという認識で始めたこのささやかな行動を、彼らが評価してくれているのは有り難いと思う。 食品流通全般を考える必要性 それでは「フードサービス」の適訳は何だろうか? 筆者も今までいろいろ考えてみたが適当な訳語が見あたらないので、今後もそのまま使う事にしたい。少し説明を加えるならば、今までは主として食商品の製造および販売に重点を置いて考えれば十分であったものが、最近では顧客サービスや顧客満足なども加味した食品流通全般を考える事の必要性を認識するようになったという事であろう。 ここ5年来、アメリカのスーパーマーケットの見学で以前と変わった点は何かというと、入り口近くに作られている「カスタマー サービス カウンター」である。そこで処理されるのはお客が持ち込んだクレーム(正しくはコンプレインと言う)、販売した商品に関する意見から始まるお客と交わす種々さまざまなやりとりである。 ちなみに筆者がアメリカのスーパーマーケット店舗見学に出掛けた時は、まずこのサービスカウンターに行って店の担当者を呼び出してもらう。また見学が終わって宿泊ホテルに帰るためのタクシーも呼んでもらう。あらゆる種類のお客の要望を処理してくれるのが彼らの役目である。このようなサービスというのは無限であるから評価が難しいが、フードサービスという言葉の重みをよく考えてみよう。 さてアメリカではフードサービスという領域に、どのような業種が含まれるのであろうかを、筆者なりに考えてみた。 ▼スーパーマーケットの店内飲食部門▼調理済み惣菜とインストア ベーカリー▼ファストフード▼サービス レストラン▼ケータリング サービス、などが考えられると思われる。 2002年度末で2億9000万人が住むアメリカは一体どのような食生活を送っているのだろうか? つまり彼らが受けているフードサービスとは、どのようなものだろうか? まず今年の景気見通しはどうなのだろうか? 最近のアンケート結果を見てみよう。 ▼景気は上向き25%▼昨年と同じ35%▼景気は悪化する30%、と概ね楽観視をしている。 一般にフードサービスの伸び率は景気の伸びと密接な関係があるとされる。NRA(全米レストラン協会)が昨年末に発表した「2004年度の市場見通し」では3・9%伸びて年商総額は1240億ドル(約14兆円)に達すると予測される。この数字を単純に総人口で割ると一人あたりの年間支出額は約4万8000円にもなる。さらに別の市場調査ではアメリカ人の72%がこの種の支出を今後はさらに増やすであろうと予測している。 しかしながらこの統計には落とし穴がある。つまり物価の高騰である。アメリカにはCPI(コンスマープライス インデックス、日本で言うところの物価指数)を示す統計があり、食品類のCPIも毎年発表されている。おそらく、この統計調査が始まったのは1982年度と思われるが同年から84年までの物価指数を基準値の100とし、以後毎年の調査結果が発表されている。 以下に2003年11月の数値を示す。これにより、各種食品類の価格変動が分かる。 ▼ホワイト プレッド219・8 ▼その他のブレッド…220・9 ▼ロール、ビスケット…120・3 ▼ケーキ類…………204・2 ▼クッキー…………204・5 ▼スイートロール……205・3 ▼クラッカー…………239・5 ▼朝食用シリアル……201・6 この調査で20年間にブレッド類の価格がほぼ2倍に増えている事が分かる。また昨年度はアメリカ市場で小麦粉と卵の価格が上がったが、リテールベーカリーを対象とした「ベーカリー商品の販売価格についてどう対処するか」というアンケートの回答は以下の通りである。 ▼既に販売価格を上げた……………………………13・2% ▼販売価格を上げる予定………………………………6・6% ▼販売価格を上げる事もある………………………14・2% ▼販売価格を上げる予定なし………………………66・0% つまり約3分の2のリテールベーカリーは原料価格の高騰にもかかわらず販売価格は上げない、という苦しい決断をしている事が伺える。 ただしベーカリーに限定してはいないが「買い物をする予定で目指す店に行ったら買いたい商品が値上がりしていた。さて、どうするか?」という質問に対する顧客の回答は次の通りだ。 ▼値上がりしていても買う…………………………………79% ▼買わない………………21% また「代替品があれば買うか?」との質問には次のように回答している。 ▼買う……………………63% ▼買わない………………37% このあたりは買い物客の心理を十分に理解、研究する必要があろう。 また「今後の経営見通しをどう見るか?」というアンケートには次のように回答している。 ▼予測通りに経営が順調……………………………34・2% ▼ほぼ順調……………36・6% ▼経営が悪化する……29・2% つまり3分の2以上のリテールベーカリー経営者は今年の経営予測を楽観視している。少なくともアメリカのリテールベーカリー業界に関して見れば、ほぼ順調と思って良いのだろう。 なお庶民の懐具合を見る「年度末の買い物調査」と言う資料があるが、昨年度の結果は以下の通りだ。 ▼年度末の買い物は前年より増えた…………………27・3% ▼前年度と同じ……41・0% ▼前年度より減った…31・7% |

| フードサービスは複雑な要素を持つ
フードサーヒスを提供する業態
さてアメリカの消費者は、どのようなタイブの店舗(業態)で食品類を購入しているのだろうか? 実はこのテーマの調査結果は国ごとに異なり、興味あるものだ。例えば個人経営の「個店」の現象、長い間にわたって食品販売チャンネルの主流を占めてきたスーパーマーケット領域へのスーパーセンターの進出、CVSにおける食品開発のアップスケール化など、最近の市場変化を見ると多くの事が分かってくる。 2003年度のアメリカの小売業売上総額は3兆7800ドル(約427兆1400億円)の巨額に達するが、その中で食品類の売上は23%の約8694億ドル(約98兆2422億円)である。さらに、この23%の内訳は次の通りである。 ▼フードサービス関連…9・5% ▼食品販売業態……13・5% そのフードサーヒスをどのような業態が提供しているのだろうか? 以下の資料を見ると業態別のシェアが分かり、今後の伸び率が予測できる。 (アメリカのフードサービス業態、市場シェア、伸び率予側の順で記述) ▼リミテッドサービスレストラン(ファストフード)、32・8%、3・0% ▼フルサービス レストラン、29・7%、3・5% ▼業務用ケータリング、6・3%、マイナス2・0% ▼社内レストラン、4・7%、マイナス2・0% ▼スーパーマーケット店内飲食、4・4%、3・0% ▼CVS、3・6%、3・0% ▼その他、18・5%、省略 フードサービスの今後を予想してみよう。 1.「リミテッドサービス」と呼ばれるファストフード業態はこれからも健在と思われる。ただし、その内容は激変するだろう(筆者予測)。 「フルサービス レストラン」も伸びるが同様に大きく変化するだろう。例えば健康志向メニュー、価格帯の広がり、サービスの迅速化など。 2.CVSのフードサービスは独自性の高いメニュー投入競争が激化しよう。 3.スーパーマーケットにおけるフードサービス戦略は大きな曲り角にある。それは人件費の高騰、商品開発競争の激化、フードセーフティに関連する食品衛生管理の諸問題の解決、などである。 |



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