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| 講習会／2026年1月号 |
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| ホシノ酵母と特徴ある粉との組み合わせ - 新商品開発セミナー(ホシノ天然酵母パン種×ニップン 共同開催) | ||||||||||
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ホシノ天然酵母パン種（菅沼則夫社長）はニップンと共催で１２月２日、埼玉県蕨市の愛工舎製作所講習会場で、「新商品開発セミナー」と題した講習会を開いた。小麦の香ばしい香りが特徴の小麦粉「麦色」とホシノ酵母が作り出す特徴ある香りと味が特徴の「ホシノ天然酵母パン種ベーグル」や、焙煎ライ麦全粒粉を配合したビスケット生地を使用した「ホシノ天然酵母パン種メロンパン」などの製造実演を行った。講師は、ホシノ天然酵母パン種カスタマーサービス部の森田英俊課長が務めた。
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| ホシノ天然酵母パン種ベーグル（ストレート法） | ||||||||||
麦色（外皮を除いた全粒粉、ニップン）………………………………………１００ ▼ホシノ天然酵母パン種生種…………８ 天日塩………………………………１・５ 水…………………………………………56 【工程】 ミキシング…………Ｌ４分Ｍ10分Ｈ４分 捏ね上げ温度………………………30度Ｃ 発酵…………………………28度Ｃ２時間 分割…………………………１３０グラム 成形………………………………………棒状にのばしてねじってリング形に成形。綴じ目は水を塗ってしっかりとつける ホイロ……………………28度Ｃ80％10分 焼成………上火２４０度Ｃ下火２００度Ｃ20分（スチームを可能な限り多く注入） ▼ホシノ天然酵母パン種生種 【配合グラム】 ホシノ天然酵母パン種………………５００ 30度Ｃの温水………………………１０００ 【工程】 材料を混ぜ合わせて28度Ｃで24時間発酵させた後、4度Ｃで冷蔵保存 森田講師のコメント ベーグルは、ホシノ天然酵母パン種生種と「麦色」を使用し、粉、塩、水だけを加える非常にシンプルな配合で仕込む。砂糖や油脂を入れず、小麦粉と酵母の風味を前面に出す設計で、塩は甘みを消さないよう1.5％に抑えている。加水は、ミキシングできる最小限の量に設定し、かなり硬い生地になっている。業務用ミキサーで強く捏ねてグルテンをしっかり出しつつ、あえてオーバーミキシング気味にして目を詰まらせ、発酵は最小限に抑える。分割は130gで、丸めずに棒状にのばして、リング状にして、継ぎ目に水を付けて接着する。ねじることで焼成時の割れを防ぐ。ホイロは28度Ｃ、80％で10分程度。乾燥させないのがポイントだ。本来は90度Ｃ前後のお湯で2〜3分ボイルしてから焼くのが望ましいとされるが、今回はスチームベーグル方式を採用した。オーブンの温度は機種に合わせて調整しつつ、高めの上火で短時間焼成し、小麦粉と天然酵母が織りなす香ばしさともっちりした食感を引き出している。 | ||||||||||
| ホシノ天然酵母パン種メロンパン（ストレート法） | ||||||||||
イーグル（強力粉、ニップン）…………１００ ▼ホシノ天然酵母ぶどう種生種…………10 天日塩………………………………………１ 上白糖………………………………………25 無塩バター…………………………………10 全卵…………………………………………12 水……………………………………………38 【工程】 ミキシング……………………Ｌ３分Ｍ８分 捏ね上げ温度…………………………23度Ｃ 発酵……………………………19度Ｃ15時間 復温………38度Ｃ１時間（生地芯温25度Ｃ） 分割…………………………………60グラム 成形……………………………丸めて▼メロン皮50グラムを被せ、グラニュー糖をまぶす ホイロ………………28度Ｃ50％１時間30分 焼成…上火２４０度Ｃ下火１６０度Ｃ16分 ▼ホシノ天然酵母ぶどう種生種 【配合グラム】 ホシノ天然酵母ぶどう種……………５００ 30度Ｃの温水………………………１０００ 【工程】 材料を混ぜ合わせて28度Ｃで24時間発酵させた後、4度Ｃで冷蔵保存 ▼メロン皮 【配合％】 ハート（薄力粉、ニップン）………………80 焙煎ライ麦全粒粉（ニップン）…………20 ベーキングパウダー………………………１ 天日塩………………………………０・５ 上白糖……………………………………50 全卵………………………………………20 無塩バター………………………………20 水…………………………………………20 【工程】 ①バターをクリーム状にして、天日塩と上白糖を加え、クリーミングする ②全卵を少しずつ加えて混ぜ合わせる ③水を少しずつ加えて混ぜ合わせる ④一緒にふるっておいたハートとベーキングパウダーを加え、混ぜ合わせる ⑤50グラムに分割し、3時間以上、4度Ｃで冷蔵保存する 森田講師のコメント メロンパンの下生地は、強力粉（イーグル）、全卵、無塩バター、上白糖、ホシノ天然酵母ぶどう種生種を配合して仕込む。ホシノ天然酵母パン種より風味が穏やかなホシノ天然酵母ぶどう種を選ぶことで、小麦粉と上掛け生地の焙煎ライ麦の香りを邪魔せず、軽い食感を狙っている。生地は約60グラムに分割して丸め、ベンチは最小限とし、ホシノ酵母の性質を踏まえてホイロを1時間とやや長めに取る。メロン皮は薄力粉「ハート」に焙煎ライ麦全粒粉を加えたビスケット生地で、「ハート」のしっとり感と、焙煎ライ麦のほうじ茶、きなこの様なローストの香りを活かして大人っぽいビターな風味と茶色い色合いを出す。粉類はベーキングパウダーと共にふるい、最後に焙煎ライ麦を混ぜるだけで香りが立つ。網目模様は付けず、焼成時に自然にひび割れさせるデザインで、メロン皮は冷蔵で数時間〜半日休ませると扱いやすく割れも安定する。ホイロ時は湿度を低くして、バターがだれないよう注意し、下火が強いオーブンでは天板を重ねて調整しながら焼き上げる。 | ||||||||||
| 森田講師、ニップン担当者らの提案内容
生種起こしで一番大事なのは、混ぜ方よりも24時間を28〜32度Ｃにキープすることだ。焼き上がりが酸っぱくなる主因は酵母ではなく容器の雑菌汚染なので、次亜塩素酸ナトリウムなどでまな板と同じレベルで確実に殺菌してから使うことが重要だ。生種づくりを感覚だけでやらず、温度と衛生の管理を数字とルールで行うことが、安定した天然酵母パンの第一条件だ。
麦色（外皮を除いた全粒粉）、焙煎ライ麦粉（香りの強い焙煎ライ麦全粒粉）、ホシノ天然酵母パン種とホシノ天然酵母パン種ぶどう種のそれぞれの特長を踏まえて配合を組んでいる。 「麦色」は外皮を除くことでえぐみを抑えつつ栄養価と甘みを出し、「焙煎ライ麦粉」は少量添加で香りと色を付ける「ひとひねり素材」として使っている。 ホシノ天然酵母パン種は旨味と香りを前面に出したいパンに、ホシノ天然酵母ぶどう種は粉や具材の風味を主役にしたい生地に、それぞれ使用し、役割を分けている。 どの粉とどの酵母を合わせるかを決め、塩や水、油脂などの配合を「目指す味」から逆算することでどう決めていくかが、商品差別化の鍵になる。 レシピの配合と工程は、各自の設備や好みに合わせて変えてよい。ベーグルの生地の硬さや加水をどうするか、ベーグルを茹でるかスチームで済ませるか、メロン皮を当日仕込みにするか生地玉冷蔵で割れを減らすか、などについては、いずれも各自の店のオーブン、ミキサー、仕込み量、販売時間などによって最適解が変わる。 大事なのは、提示されたレシピをまずは素直に試し、その上で「自店の条件だとどこをいじれば作業性と品質が両立するか」を考えて微調整を重ねる習慣だ。レシピを鵜呑みにして「言われた通りやったのにうまくいかない」で終わらせず、自分の頭で考えて工程を設計し直すのが、プロのパン屋だ。 現場で最も重要なのは、理想の品質と実際の作業性をどう両立させるかという視点。講師の説明には、理論上は望ましいが現場では難しい工程がいくつも登場する。たとえばベーグルは本来ボイルが必須だが、店舗オペレーションが許さなければスチーム方式で代用してもよい。メロンパンの皮も本来は当日仕込みが香りの面で最良だが、割れを安定させるために生地玉冷蔵を挟む方法もありだ。 どちらも「品質を最適化する方法」と「作業負荷を減らして安定させる方法」を比較し、店の規模、人員、オーブン特性を踏まえて最適解を決めるというプロの判断になる。レシピの理想論に縛られず、自店のオーブンの癖や焼成枚数、仕込み時間帯、スタッフの熟練度など、現場の制約を前提に工程を設計することが、安定しておいしいパンを毎日作れる店を実現する。 |
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