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| 特集/2025年10月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 生産性向上と働き方改革
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| 生産性向上と働き方改革で挑む持続的なベーカリー経営の未来 | |||||||||||||||||||
働き方改革を推進していく上で労働時間の管理以上に大変な事は、時間あたりの利益の管理という。 スタッフの労働時間は抑えながら、その中でいかに利益や顧客満足度を高めていくのか、ということはマネジメントしていく上で常に考えなくてはならない問題だ。 「単位時間当たりの利益も労働時間と同じようになるべく『見える化』しています。最近は原材料の高騰により利益が圧迫されるなか値上げもしていますが、最終的な価格は原価のほか、商品のサイズなども考慮して決めています」(大橋社長) 値上げや新商品の価格決定の際は、原価や大きさのほか、看板商品で販売個数が多い商品か、個数は多くないが定番でロイヤルユーザーが多い商品かといった点も考え、総合的に判断した上で価格を決めている。 また商品数も、生産性と品質の維持・向上の両方を考えた上で、80〜100品目くらいに抑えている。季節の変わり目に商品を入れ替える際にも全体を見て品揃えに偏りが出ないようにし、季節商品はなるべく頻繁に入れ替えるようにしている。 また、顧客満足度も考えた上で働き方改革を進めていく際に大切なのは、従業員のモチベーションを日頃から維持していく事だという。 モチベーションのアップが最上の策 他のベーカリーに比べると、「ピーターパン」は入社後に様々な研修や勉強会を経験する機会が多いという。 「研修や勉強会は、世の中の変化に対応しながら、ベーカリーとして求められるものを実現させるために必要です。勉強会や研修会には、技術力を高めるものと人間力を高めるものの双方をバランス良く取り入れています」(大橋社長) 新入社員の研修には、目標を立て自分の未来を具体的にイメージしていくことで実現に近づけるDYF(ディスカバー・ユア・フューチャー)プログラムなども含まれる。目標を立て日々進捗を振り返りながら成長していくことを大切にしているという。 「人の役に立つ事で得られる嬉しさや充実感をモチベーションの軸として掘り起こせるようにしています。一人一人のライフプランの中で自分たちの仕事とどのように向き合い、一生懸命働く事でどのような充実感が得られるのかと言ったことをイメージしてほしいと考えています」(大橋社長) 働き方改革の推進により確かに昔に比べると残業時間は減った。背景には、機械化や社員一人一人の技術力向上がある。しかし、最も必要な事は意識の変化だ。 実は新入社員は入社後、ストップウォッチが大橋社長からプレゼントされる。 「一つの作業の過程を撮影したモデル動画を見てもらいながら、出来る限り作業時間を短くする方法を考えていきます。それぞれの作業を終えるまでのモデル時間が決まっており、品質を落とさずその作業を終えることができるよう徹底的に訓練していくのです」(大橋社長) キャリアを伸ばしながら、自分や家族との時間も大切にしていくためにもこうした訓練の積み重ねは必要だという。 「目標をもって仕事に取り組んで、一つ一つ達成していく事で、それが結果的に人の役に立つという過程で、楽しさを感じてもらえるよう応援し続けたいですね」(大橋社長) SHOP DATA 店名:ピーターパン石窯パン工房店 住所:〒273-0021千葉県船橋市海神3-24-14 電話:047-410-1021 営業時間:午前7時〜午後6時 定休日:木曜(祝日以外の月曜も当面の間は臨時休業) 品揃え:約80〜100品目 スタッフ:平日は製造常時12人、販売常時5人、土日祝は製造常時20人、販売常時8人 店舗面積:厨房46坪、売場20坪、テラス約25席 日商:平日80万円、土日祝160万円 | |||||||||||||||||||

| ピーターパンに学ぶ「生産性向上と働き方改革」 | |
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千葉県船橋市を拠点に10店舗を展開するベーカリー「ピーターパン」は、人手不足や原材料高騰といった業界全体の課題に直面しながらも、生産性向上と働き方改革の両立に挑んでいる。同社の取り組みの中から、特に注目すべき点をまとめてみた。
❶生産拠点と冷凍設備の活用による効率化 「サポートファクトリー」と呼ばれる製造支援拠点を整備し、冷凍生地を全店舗に供給する体制を確立している。定番生地を一括生産して冷凍保存することで、各店は仕上げや焼成に集中でき、労働時間削減と品質安定を両立している。 同じ生地を基にトッピングやフィリングを変える工夫により、在庫リスクを抑えながら新商品の開発や品揃えの拡充も可能になっている。 この仕組みにより、生産効率の向上に加え、顧客に多様性と新鮮さを提供することができ、満足度向上にも結びついている。 ❷柔軟なシフト調整と「見える化」 路面店とエキナカ店の店舗特性の違いを踏まえ、繁忙期が重ならない利点を活かしてスタッフを融通し合う仕組みを整えている。 残業希望時間をスタッフ全員から聞き取り、全店舗の勤務状況を「見える化」することで、公平かつ効率的なシフト管理を実現している。さらにスタッフ間でLINEグループを活用し、天候や混雑状況の変化に応じて即時調整できる体制を築いている。 無駄な残業を防ぎながらも必要な場面で即応できる点は、スタッフの働きやすさと顧客へのサービス水準の向上の両立を可能にし、モチベーション維持や離職防止にもつながっている。 ❸利益と満足度を両立させる商品戦略 原材料費の高騰下でも単純な値上げには頼らず、「時間あたりの利益」の管理を重視している。 価格は原価やサイズだけでなく、販売個数やロイヤルユーザーの存在など多角的な要素を加味して決定している。商品数は80〜100種類に絞り込み、季節商品を頻繁に入れ替えることで新鮮さを維持。過剰な品揃えによる作業負担を避けつつ、生産性向上と品質向上を両立させる仕組みだ。 こうした戦略によって従業員の業務効率が高まり、売上確保と顧客満足度向上を同時に実現する経営基盤が形成されている。 |
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