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| 連載/2025年9月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 売上のABC分析と粗利益のABC分析を活用した品揃え戦略について考える - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(99) | |
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ベーカリーの経営においては、どの商品を中心に据えるかが売上や利益を大きく左右します。売上の大きさは集客力を示す一方で、粗利益は収益性を示すため、この二つを組み合わせて評価することが重要です。売上のABC分析と粗利益のABC分析を掛け合わせれば、どの商品が「売れる」だけでなく「儲かる」商品なのかを明確に把握することができます。単純に売上の大きさだけで商品を判断するのではなく、利益貢献度とのバランスを踏まえた戦略立案が重要になります。
クロスマトリクスによる商品分類 売上と粗利益のそれぞれをABCに分類し、クロスマトリクスを作成することで商品を九つのカテゴリーに整理できます。「売上A×粗利益A」の商品は真の主力商品であり、店の収益を支える基盤です。「売上A×粗利益C」の商品は人気はあるが利益が薄い商品で、改善が求められます。「売上C×粗利益A」の商品は販売数量は少ないものの高粗利であり、隠れた稼ぎ頭といえます。「売上C×粗利益C」の商品は不採算に陥りやすく、廃止や改良の検討が必要です。このような分類により、各商品の役割と課題が明確になります。 主力商品と改善対象商品について 「売上A×粗利益A」の主力商品は、安定供給と品質維持が不可欠です。看板商品として打ち出すことで、来店動機を強化し、店全体の信頼性を高めます。一方、「売上A×粗利益B」「売上A×粗利益C」の商品は、顧客には支持されているものの収益性が低いため、値付けや原材料の見直しが課題です。例えば、人気の高い調理パンが原価高で利益を圧迫している場合、サイズや具材の調整によって粗利益率を改善する必要があります。この層の商品を放置すると、売上が増えても利益が伴わないリスクがあります。 育成候補商品と差別化商品の活用 「売上B×粗利益A」の商品は、現状では中堅の位置づけですが、伸ばせば大きな利益貢献が見込める「育成候補商品」です。陳列位置の工夫や販促施策によって主力へ押し上げることが課題となります。また、「売上C×粗利益A」の商品は、高価格帯の商品や特別感のある商品に多く、数量は限られるものの利益率が高いのが特徴です。これらはプレミアム商品や限定商品として扱い、差別化やブランド強化の役割を担わせることが有効です。単に売上規模だけでは評価できない存在意義があるといえます。 不採算商品の整理と収益性以外の価値 「売上C×粗利益C」の商品は、売れず儲からない典型的な不採算商品です。思い切った廃止や商品入れ替えを行い、資源を主力や育成候補の商品に集中させることが望まれます。ただし、季節商品や話題づくりを目的とした商品については、収益性以外の価値も加味して判断する必要があります。 このように、クロス集計は、ベーカリーが科学的に品揃えを最適化し、競争力を維持するための基盤となるのです。 次回は、売上と粗利益に加え、顧客が感じる「価値と価格のバランス(値頃感)」も分析に取り入れるて、より精緻で持続的な商品戦略について考えます。(RO) |




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