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| 店主の吉野誠志さん。扉に描かれているのは笑顔が印象的な同店のイメージキャラクター |
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| 駅前広場に面した場所にベーカリー「99kuku Bread(ククブレッド)」はある。店名の「99」は掛け算の九九から付けたもので、食材の掛け合わせだけでなく、客とパンを掛け合わせると最高の笑顔になるという思いを込めている |
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| 窓側の上段の陳列台は天井から吊るす造りになっている |
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| もちもちとふわふわの食感が楽しめる食パン「ククブレッド」(税込340円)(サークルカットは、「ククブレッド」の断面) |
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| 「ククブレッド」を使用した「フレンチトースト」(税込200円) (サークルカットは、「フレンチトースト」の断面) |
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| メロンパンは「ふわふわメロンパン」(左、税込210円)と「ミルクティーメロンパン」(右、税込270円)の2種類(サークルカットは、「ふわふわメロンパン」の断面=上と「ミルクティーメロンパン」の断面=下) |
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駅前の居抜き物件を自分の店に再生 東京との県境にある神奈川県川崎市の京王相模原線若葉台駅南口の駅前広場に面した3階建てのビル1階に、ベーカリー「99kuku Bread(ククブレッド)」はある。昨年2月にオープンした。
「駅の反対側、大型商業施設のある北口に人の流れができているので、駅前立地とは言え、まだ認知度を上げていかないといけない段階ですね」
こう話すのは店主の吉野誠志さん。大学卒業後に始めたアルバイトをきっかけにベーカリーへの就職を決め、20年ほど修業した後、同店を開業した。
「夫婦二人で営むベーカリーで働かせてもらったときに自分の将来像が見えてきました。店の規模や人間味のある接客や、溶岩窯で焼き上げるおいしいパンなどがいいなと思ったんです。こういう店を作りたいと開業を志すようになりました。その後、東京・国立市の「プチ・アンジュ国立」でお世話になり、津金社長には開業準備だけでなく、開業後の諸問題なども相談にのっていただいています」(吉野さん)
物件探しでは、同店舗を見付けてから契約まで1年を要した。ベーカリーの居抜き物件という点での懸念事項を、解決していかなければならなかったからだ。
「異業種の企業が経営するベーカリーだったこともあり、納得いく形での譲渡契約に漕ぎつけるまで、時間がかかりましたね。また、すでに付いているイメージを一新して営業していけるかということも課題でした」(吉野さん)
オーブンとミキサーは新たに購入したが、それ以外の機械や設備は引き継ぎ、内装も壁や照明などはそのまま利用した。
「ガラリと雰囲気を変えたかったのですが、開業資金を抑えるために改装は最小限に留めました。そんな中で、陳列台を天井から吊るす造りにしたことや、溶岩窯の購入などは外せませんでした」(吉野さん)
定番商品のおいしさを追求していく 製造は吉野さんが一人で行っており、パンの種類は開業時は約30だったが、現在は目標の40まで増えた。売れ筋は食パンの「ククブレッド」(税込340円)、「ぶどうパン」(税込650円)、「チーズフランス」(税込760円)、「とろーりクリームパン」(税込260円)、「カレーパン」(税込280円)、「ふわふわメロンパン」(税込210円)など。
「特に食事系の売れ行きが好調です。猛暑の影響もほとんどなく、年配のお客様が毎日のように『ククブレッド』を半斤ずつ買いに来て下さるのが嬉しいですね。直接『食パンおいしいね』と声をかけて下さる方もいます」(吉野さん)
「ククブレッド」は高温短時間で焼き上げ、もちもちとふわふわの食感が楽しめるのが特徴。改良を重ね「開業時よりふわふわ感は増してきたが、もっときめの細かさを出していきたい」(吉野さん)という。「ククブレッド」を使用した「フレンチトースト」(税込200円)も人気だ。
「『フレンチトースト』は他のスタッフから高評価を受けて、それを機においしさをさらに追求しました。以前は二次加工品のイメージがあり、冷凍保存のロスパンを使用することもありましたが、鮮度の良いパンと比較すると違いが感じられたので、専用にパンを確保するようになりました」(吉野さん)
メロンパンは「ふわふわメロンパン」と「ミルクティーメロンパン」(税込270円)があり、両製品とも型に入れて焼き上げる。底面に敷いたクランブル生地の部分はザクザク、中はしっとり、外側はカリカリとしていて、食感のコントラストが楽しめる。
「メロンパン2種は、見た目の形は似ているのですが、実は外側のクッキー生地だけでなく中の生地もそれぞれ違うので、食べるとかなり味わいが違うんですよ。類似品とひとくくりになってしまうのはつまらないので、それぞれタイプの違うメロンパンに仕上げました」(吉野さん)
「とろーりクリームパン」と「カレーパン」はどちらも見た目は定番の形で、たっぷり入っているフィリングは自家製だ。同店の商品すべてに共通することだが、大きくてフィリングもたっぷりでボリュームがある。
「開業前、商品はここでしか買えない変わったものを作らなければと気負っていました。ですが、修業先を訪ねた時にクリームパンやあんぱんなどの定番商品の魅力に気付かされたんです。見た目はよくある形だけど、とてもおいしそうに見えるし、食べたらやっぱりおいしいんです。当たり前の形にも意味があることや、基本の大切さを改めて実感しました」(吉野さん)