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| 連載/2025年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ドウコンディショナーをAIで自動制御する方法を分かりやすく解説 - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(98) | |
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前回は、パン生地の発酵状態をAIで判断する仕組みをPythonで構築する方法について紹介しました。今回はいよいよ、AIが実際のドウコンディショナーと連携して自動制御を行えるようにするにはどうすればいいか、その具体的な方法を解説します。
AIとドウコンディショナーをつなぐ AIシステムとドウコンディショナーを接続するには、大きく「データの取得」と「指令の送信」という2つの工程が必要です。前者は、パン生地の状態や環境情報を取得する作業であり、後者は、AIの判断結果に基づき、温度や湿度などの調整指示を機械側に伝える作業です。 データの取得には、温湿度センサーやカメラなどをドウコンディショナーの庫内に取り付けます。市販のUSB接続型の温湿度センサーや、Raspberry Pi(ラズベリーパイ)と組み合わせて使える小型カメラモジュールなどを利用すれば、比較的容易に導入できます。これらの機器から得られた情報は、Pythonなどのプログラムでリアルタイムに取得可能です。 センサーと画像で推定する発酵状態 例えば、温湿度センサーから5秒おきに庫内の温湿度データを受け取り、カメラで定期的に撮影した生地画像を保存するという構成です。こうして収集したデータをもとに、AIは発酵状態を推定します。パン生地の膨らみ具合や表面の気泡の有無などを画像から読み取り、現在の進行状況を判断するのです。 判断結果に応じて「温度を1度C下げる」「湿度を10%上げる」といった指令をドウコンディショナーに送るには、機器側が外部制御用のインターフェース(例えばRSー485など)を備えている必要があります。最近の産業機器ではRSー485などが備わっていることもありますが、一般的なドウコンディショナーでは外部制御機能が搭載されていません。 その場合は、スマートプラグや赤外線信号を発信できるデバイス(たとえばIRKitなど)を用いて、電源のオンオフを間接的に制御する方法があります。 ただし、多くの業務用機器は赤外線リモコンに対応していないため、現実的にはマイコン制御回路の入力端子にリレーを介して信号を送る方法が最も確実です。 スケジュールに応じた温湿度調整も可能 AIや制御プログラムを動かすコンピュータは、ドウコン内に設置可能な小型デバイス(前出のラズベリーパイなど)でも十分対応できます。あるいは、別の部屋に設置したノートPCや小型サーバと無線や有線でやり取りする構成でも問題ありません。AIモデルが大規模でない限り、高性能なマシンを用意する必要はありません。こうしたシステムが整えば、AIはあらかじめ設定された発酵スケジュールに基づき庫内の温湿度を、分単位で自動調整できるようになります。 例えば「翌朝10時半に成形可能な状態に仕上げたい」という目標時間を指定すれば、AIは現在の生地状態から逆算し、必要な温湿度設定を逐次指令としてドウコンディショナーに送信します。 さらに、「成形時間を1時間早めたい」といった予定変更にも、AIは残り時間に応じた最適な調整パターンを再計算し、自動的に指令を出して対応します。これにより、これまで職人が培ってきた経験と勘による繊細な判断と調整の一部を、AIが肩代わりしてくれるようになります。 職人の負担軽減とパンの品質安定を両立 このような制御の仕組みを導入すれば、ベテランに頼らなくても、安定して高品質なパンが作れるようになり、大きな負担軽減とパンの品質安定につながるでしょう。 もちろん、AIも万能ではなく、最初は人間の判断とのズレが生じる場面もあるでしょう。しかし、実際の運用で蓄積されたデータをAIに継続的に学習させていけば、やがては人間以上に安定した判断と操作が実現できる可能性があります。(RO) |




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