パンのフィリング、トッピング - ブランスリー電子版

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特集/2025年8月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


パンのフィリング、トッピング




ダシにこだわったカレーパン 深い味わいで独自性を確立 - パンの家 あ・ら・もーど
店長の野田満由樹さん(左から2番目)と「パンの家 あ・ら・もーど」のスタッフ達
東京・あきる野市にあるベーカリー「パンの家 あ・ら・もーど」
様々なパンが並ぶ「パンの家 あ・ら・もーど」の店内の様子
「とろーり半熟たまごのキーマカレーパン」(税込388円)
看板商品の「秋川牛カレーパン」(税込356円)
「秋川牛カレーパン」には特製のカレーフィリングがたっぷり
元コックが作る惣菜フィリング

 「フィリングのベースとなるダシはお店のカラーになると考えているので特に力を入れて作っています。食べた瞬間に『この味、何だろう』とふと思ってもらって、食べ終わったら『また食べたい』と思ってもらえるような、そんなパンを作りたいと思っているんです」と東京・あきる野市のベーカリー「パンの家 あ・ら・もーど」の店長、野田満由樹さんは話す。自家製の具材やフィリングは、一番作りたくてしっくりくるものが作れるという意味で、大きな武器になると考えている。
 「パンの家 あ・ら・もーど」は、JR五日市線の秋川駅の北口を出て徒歩30秒ほどの場所にある。駅前だが、広い視界の向こうに、うっすらと奥多摩の低い山の連なりが見えるこの場所で、1998年から野田さんはパンを作っている。そんな野田さんがこだわりを持って作り続けているのが自家製のカレーやビーフシチューなどのフィリングを使った惣菜パンだ。
 実は野田さんは27歳の頃まで洋食のレストランでコックを勤めていた。しかし料理に合ったパンを作りたいとの気持ちが募りパン職人としての修業も始めることになる。
 「料理に添えるパンも自分で作りたいと考え、パンの修業を始めましたが、結局、パン職人の仕事を続けることになり、レストランの仕事には戻りませんでした。パンの仕事を始めて5年位した時に縁あって、たまたま空いたこの物件を紹介されたので、パン屋で自分の店をオープンすることとなりました」(野田さん)

思い出の味を再現したカレーパン

 現在同店の看板商品で店の売り上げの25%を占める「秋川牛カレーパン」(税込356円)のパッケージには「#あの日食べたカレーパンが…」という印象的な一文が記されている。野田さんにとっての「あの日」は、高校時代におじの中華料理店でアルバイトをしていた時に食べた賄いのカレーと、洋食屋でコックをしていた時に出していたカレーと出合った日だ。
 「賄いのカレーは簡単なようで身近に感じる味がすごくおいしくて、洋食の店のカレーは前日から12時間かけて出したダシの味わいがすごくおいしかったんです。頭にこびりついて離れませんでした。だからいつか、こうしたカレーの味を再現したカレーパンを作りたいと思うようになりました」(野田さん)
 転機は開業して10年が経った2008年に店舗の大規模な改装を行った時だった。
 ちょうど空き家になった隣の店舗のスペースを活用して厨房を拡張した。これにより、それまでスペースの都合で厨房の中でできなかった自家製のフィリング作りが思う存分できるようになった。
 「もともとの専門だった洋食のノウハウを活用できるので、惣菜パンのフィリング作り、特にカレーパンのカレー作りにはどんどんはまって追求していくようになりました」(野田さん)
 その結果生まれたのが現在の看板商品の「秋川牛カレーパン」だ。野田さんが研究をし尽くして生まれた秘伝のブイヨンに、二日間かけて炒めて煮込んだ野菜や肉を合わせて作る。
 肉はA4、A5ランクの黒毛和牛である秋川牛を地元あきる野市内にある近くの牧場から仕入れて使用。パンもホシノ天然酵母を使用した油が染み込みにくい生地で包み込んで揚げる事で、外はカリッとしながら中はもちもちした食感をカレーフィリングと合わせて楽しめる。
 「秋川牛カレーパン」は、日本カレーパングランプリのキーマカレーパン部門で5年連続で最高金賞を受賞。
 今では、週末には、遠方からわざわざ買いに来る人も見られるようになったという。



スープの仕込みからこだわる絶品フィリングの秘密
玉ねぎや人参など具材となる野菜を炒めている鍋の様子
カレーパングランプリで金賞を受けたことを大々的に店内で訴求
ビーフシチューを入れた「ビーフシチューパン」(税込388円)
「ビーフシチュー」(税込800円)も販売している
「とろーりクリームパン」(税込270円)
妻の久恵さんが好きな「秋川牛チーズカレーパン」(税込356円)
改良を重ね進化を続けるカレーパン

 「秋川牛カレーパン」は現在に至るまで常に改良を続けている。決まったレシピで毎回繰り返して作るのではなく、どんな味にしていくかを常に考えながら作り続けている。カレーフィリングは、特製のトロっとしたスープをベースにして作られる。
 特製スープの作り方はこうだ。玉ねぎや人参など具材となる野菜を炒めて一晩オーブンでコトコト煮込みながら、鶏がらやそのほかのダシの隠し味となる食材もいくつか入れ、旨味たっぷりのブイヨンに仕上げる。併行して、別の鍋で秋川牛とフルーツを合わせて炒め、ニンニクやナツメグなどの香味野菜を入れながら一晩煮込む。その後、この二つの鍋を合わせると、秋川牛を中心に中に入れた様々な食材の旨味がたっぷり染み込んだトロッとしたスープになる。
 同店ではこの旨味たっぷりのスープをベースにカレーフィリングのほかビーフシチューも調理。ビーフシチューは「ビーフシチューパン」(税込388円)のほか、丸いフライパン型のプラスチック容器に入れてそのまま販売する「ビーフシチュー」(税込864円)としても提供し、好評を得ている。
 「開発当初から、カレーなどの洋風のフィリングに、日本人に親しまれてきた味噌汁のような発酵食品の風味も加えたいと考えていました。そこで、味に深みを持たせるために、さまざまな秘伝の食材を使ってダシを取り、独自のブイヨンを作る方法を工夫しました」(野田さん)
 パンに合うカレーという視点も大切にしたかったので、同じキーマカレーでも濃い目で、どろどろしたものに仕上げた。パンはそのカレーフィリングに合うように油が染み込みにくい天然酵母を使用したパンを使用している。

自家製フィリング作りのモチベーション

 同店ではこうしたカレーパンやビーフシチューのパンのみならず、ほとんどの商品で、100%自家製でなくても何らかの形で手を加えて独自性を出したフィリングやトッピングを使用している。
 カレーパンに次ぐ人気商品である「とろーりクリームパン」(税込270円)は、奥多摩の「東京牛乳」を泡立てて作った自家製のバニラクリームとカスタードを二層に包み込んでいる。
 「明太フランス」(税込356円)は明太子と合わせたバターに日本人好みの和風だしとニンニク、醤油、マヨネーズなどを加え独特の味わいを出した。また「あんぱん」(税込226円)など餡を使用した商品では、餡にポマード状にした北海道産バターを練り込むなどして、柔らかく食べやすい味わいにしている。
 こうした何でも一手間加える作業を店全体で推し進めていくためには、スタッフのモチベーションを上げていく必要が常にあるという。
 「それぞれの商品の価値を知ってもらうことで、手間をかけて作る作業に対して必要性を感じ、モチベーションを上げる事ができるのではと考えています。そのために積極的に行っているのが、地域イベントへの参加ですね。秋川駅前で行われている夏祭りや11月に開催される秋川産業祭などで主にカレーパンを販売しています。自分達が作ったものを店の外でも喜んで買ってもらう様子を見てもらうことで、目標を少しずつ達成したい気持ちになってもらえればと思っています」(野田さん)
 同店のスタッフの定着率は決して低くはないが、10年以上長く勤めてくれているスタッフと、3年位で独立に向けたスキルアップのために移籍していくスタッフに大きく分かれるという。皆で力を合わせてパンを作るには、働きやすい環境づくりにも努める必要があると感じている。
 また商品数はある程度絞ることも必要だと感じているという。
 「今はパンの種類を増やすよりも、本当に必要なものをより丁寧に作る方向にシフトしている感じです」(野田さん)
 定番の「秋川牛カレーパン」の派生商品として、「秋川牛チーズカレーパン」(税込356円)や「とろーり半熟たまごのキーマカレーパン」(税込388円)なども販売している。
 「秋川牛チーズカレーパン」は中にカレーと合わせて2種類のチーズを入れ、パンの表面に粉糖や蜂蜜をかけた商品。表面の甘さがアクセントとなり、中のカレーとチーズの旨味が引き立ち、人気があるという。
 二人三脚で苦境を乗り越えてきた妻の久恵さんは「チーズカレーパン」が好きだという。
 「カレーに2種のチーズを合わせ、それらが、表面にかけた粉糖や蜂蜜の甘さと対照的に調和していて、普通のカレーパンとは違う楽しみがあるんですよ」(久恵さん)



昨年12月に開催された秋川産業祭に出店した時の様子
とうもろこし農家の小澤揚徳さん(右)と野田さん
地元産の食材を積極的に活用

 具材やトッピングは、自家製であることのほか、なるべく地元あきる野、秋川産の食材を使用するようにしている。時には地域住民との共同開発で商品を企画するなどして、この地域ならではの商品として打ち出せるようにしている。
 この春はあきる野市の特産品である「のらぼう菜」を使ったピザやカレーパンも発売。「季節野菜のカレーパン のらぼう菜入り」(税込378円)は近隣の小学校と共同開発した商品の一つで好評だった。
 また「とろーりクリームパン」(税込270円)は、数年前から地元の大学とコラボし、学生がパッケージや販売戦略などを企画してくれた。「フランボワーズクリームパン」(税込270円)なども地元の大学とのコラボ商品だ。
 秋川といえば五日市街道沿いに広がるとうもろこし畑が有名だが、この秋川産のとうもろこしを活用した商品を地元農家の協力を得て開発。
 取材した当日には初夏の暑い日差しが照りつける中、野田さん自らがトウモロコシ畑に車で向かい、農家の人と一緒に新鮮なトウモロコシを収穫。持って帰ったとうもろこしを練り込んで作った「とうもろこしパン」(税込540円)や「とうもろこしのおやき」(税込280円)はとうもろこしの甘みが引き立つ商品となり喜ばれていた。

SHOP DATA
店名:パンの家 あ・ら・もーど
住所:〒197-0804東京都あきる野市秋川1-1-16
電話番号:042-550-6505
営業時間:午前8時〜午後7時
定休日:木曜
品揃え:約90品目
スタッフ:製造常時4〜7人、販売常時2〜5人
店舗面積:売り場(イートイン含む)約19坪、厨房(休憩室などを含む)約24坪
日商:平日35万円、土日祝50〜60万円



丁寧に作る優しい味わいアイデアを加えて幅を広げる - リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー
津別産の小豆からあんぱんなどに使用するあんを作る
子供の頃からパン職人になるのが夢だったという店長の古宮義和さん
千葉県船橋市のベーカリー「リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー」
小豆あんは津別産の小豆を店で一から作っている
対面販売形式の売場の様子。左が常温、右が冷蔵ショーケース
ソフトフランスに練乳クリームを挟んだ「ミルク」(税込250円)
小規模店の自家製フィリング

 千葉県船橋市のベーカリー「リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー」では、元パティシェの店長、古宮義和さんが作る自家製のフィリングを活用した菓子パンや惣菜パンが好評だ。
 同店は最寄りの京成船橋駅から徒歩5分ほど、駅前の繁華街からは少し離れた「本町通り」と呼ばれる旧市街地の通り沿い付近にある。敷地面積7坪ほどの土地に建つ2階建の小規模店のため、2003年の創業以来、約50品目あるパンの製造は店長の古宮さんがほぼ一人で行っている。
 「基本的になるべく何でも手作りで、作っていますね。無添加で減塩、生地は全粒粉を配合し、フィリングは素材の味を大切に、クリームや季節のジャム、あんこ、カレーなどを自家製で作っています」(古宮さん)
 子供の頃からパン職人になるのが夢だったという古宮さん。しかし少し幅を広げて学びたいとの思いから学校は洋菓子の専門学校に進学、卒業後はパティシエとしてホテルに3年間勤務したあと、7年ほど各地のベーカリーで修業を重ね、2003年に同店をオープンした。
 「パティシエ時代に生クリームやチョコレートなど洋菓子素材を扱う作業をたくさん経験したので、菓子パン系の製造は、他のパン職人の方より得意かも知れません」(古宮さん)

パティシエ時代の経験を活かす

 小規模店である同店は2坪ほどの空間にショーケースの対面販売形式の売り場を設置。ショーケースは、常温の商品を入れた左側の木製の棚と冷蔵の商品を入れた右側の棚に分かれている。
 木製の棚には季節の果物にカスタードクリームを合わせたデニッシュパンや、あんこを使った商品、クリーム、チョコレートなどを合わせながらアイデアを加えて幅を広げた菓子パンなどが並ぶ一方で、焼きカレーパン、ハムロール、明太フランスなどの惣菜パンや、食事パンのバゲットなどもある。
 いずれも小ぶりだが丁寧に作られたことがわかるパンが集まっており、特に菓子パン系は洋菓子店のように可愛いらしく綺麗な並びが目を引く。売り場全体のセンスが光るインテリアの中で、パンが丁寧に可愛いらしく並べられている。
 右側の冷蔵ケースには、サンドイッチや飲み物などと合わせて、細長いソフトフランス生地に練乳クリームを挟んだ人気商品の「ミルク」(税込250円)やオリジナルピーナッツクリームにカリカリのピーナッツを入れた「ピーナッツピーナッツ」(税込250円)など、冷蔵が必要なクリームを使ったパンや生菓子、無添加のジャムなどが置かれている。
 「生クリームもある程度扱いに慣れていないと自家製で口溶けのよいものを作るのは難しいですね」と古宮さんは話す。
 「ミルク」は古宮さんのパティシェ時代の経験を生かした格別な製品。口溶けの良い練乳クリームの味わいが歯切れの良いパン生地によく合わさって、同店では不動の人気商品になっている。長く通っている常連客の中にはこの商品が一番好きという根強いファンも多いという。

素材を活かす工夫が光るフィリング

 古宮さんのおすすめはあんこを使った商品で、同店では粒餡を使ったシンプルな「あんぱん」(税込150円)のほか、クッキー生地にあんバターを挟んだ「あんバターサンド メープルクッキー」(税込480円)なども人気だ。あんこは船橋市の交流都市である北海道津別町の事業者から送ってもらっている小豆を使用し店で作っている。
 「当店で作ったあんこはおいしいですよ。小豆を鍋で煮ていますが、素材の味を大切にしたいので、豆の味が消えすぎない程度の甘さに糖度を抑えています」(古宮さん)
 菓子パン系の商品で人気が目立つのは「さつまいもあんぱん」(税込180円)だ。店内で焼いて潰した薩摩芋餡のフィリングを入れたもので、薩摩芋そのものの自然な程よい甘さが味わえる。
 「フィリング作りは通常の作業の流れの中で併行しながら行うルーチンワークなので、作業自体はそんなに負担ではありません」(古宮さん)
 定番の「クリームパン」(税込150円)も材料を一から混ぜてしっかり作ったカスタードクリームがたっぷり入っている。丁寧に作られたカスタードクリームの優しい味わいが好評だ。
 チョコレートを使った商品も様々な種類のチョコレートがある事を知っているので、組み合わせを色々と工夫しているという。
 「今は夏なので、チョコレートをパンの中に入れた商品しか作れませんが、どんなパンを作るときにどんなチョコレートが合うのか、どんなパン生地や素材との組み合わせが合うのかと言ったことを考える時にパティシエ時代の経験が活きてきます」(古宮さん)

口の中でクリームが溶ける瞬間を味わってほしい
粒餡を使ったシンプルな「あんぱん」(税込150円)
焼いたさつま芋を潰した餡を使った「さつまいもあんぱん」(税込180円)
自家製カスタード使用の「クリームパン」(税込150円)
「自家製あんずジャム」(税込400円)も販売
自家製ピーナッツクリーム使用の「ピーナッツピーナッツ」(税込250円)
「ブルーベリーデニッシュ」(税込380円)
地域の繋がりから生まれた商品

 同店は今年で22周年を迎えた。毎年4月には創業祭を行うが、近隣で同様に飲食店を経営する事業者の仲間と協力し、コラボ商品を多数販売している。
 「コラボ商品は、ラーメン店のチャーシューを合わせた惣菜パンや洋食店のガンボスープの具材を使ったタルティーヌなど、アイデアを出し合って作ったものを色々売っています。当店のパンを卸している近隣の飲食店もあります。お客様ももちろんですが、友人や地域の色々な人とのつながりに助けられています」(古宮さん)
 同店はこうした繋がりの中で手に入った素材を使って商品を作ることを大切にしているという。
 夏の間販売している「ブルーベリーデニッシュ」(税込380円)も近隣にある福祉作業所「ひなたぼっこ」が運営する千葉県佐倉市内の農園で取れたブルーベリーを使用して毎年作っている製品。新鮮なブルーベリーの下に置かれたカスタードクリームの適度な甘さがパリパリのデニッシュと合わさってしっくりくる製品だ。同作業所は地域に根付いたカフェを運営していて、そこに同店の食パンを卸しているという。
 また船橋の特産品である小松菜を使用した製品も定番商品として販売している。
 小松菜風味の生地にチーズやベーコンなどの具材を包み込んだ「小松菜ベーコン」(税込280円)や、丸型パンの「コマツナロール」(税込330円)などは息の長い商品になっている。

変化を楽しみながら個性を出す

 手に入った素材を使って商品を新たに開発するのは楽しい一方で、思ったように事が運ばないこともある。ある年に手に入った材料も、翌年は不作などで手に入らず、同じ商品が作れないこともある。
 同店では季節の果物から作ったジャムを使ったパンを販売している。さらにそのジャム自体の販売も行っている。取材した初夏の時期は「あんずジャム」(税込400円)を販売。秋になると柿のジャムを出す事が多いが、昨年はたまたま不作で出す事ができなかったという。
 「柿が不作で柿のジャムが作れなかった、というような出来事も、お客様との会話のきっかけになるという利点はあります。季節の定番商品が必ずしも常に揃うわけではありませんが、その都度、季節に合わせた商品をご用意していますので、そうした変化も楽しんでいただければと思います」(古宮さん)
 常連客との会話の中で作って欲しいと頼まれて出した商品もあった。あっさりした軽めのピーナッツミルククリームを、ピーナッツを彷彿とさせる形のパンに挟んだ「ピーナッツピーナッツ」もそうした会話の中で生まれた商品だ。
 俗にいう「ピーナッツパン」はホールセールのものも含めて多くの商品が市場に出回っているが、そうしたものを参考にしながらも、同店独自のピーナッツパンを形にするとどうなるかを思案した。
 「ピーナッツの味を出しながらあえてバターの比率を高くした口溶けの良いクリームをパンに挟む事で、軽くて食べやすく、同時に満腹感がある商品に仕上げました」(古宮さん)
 口の中でクリームの溶ける瞬間を味わってほしいと右側の冷蔵ショーケースに置いて販売している。暑い夏場でもクリームが柔らかくなり過ぎないようにするためだ。
 「自家製のフィリングを使った商品については、小規模な店だからこそ小回りがきき、作りやすいのかもしれません。手に入った季節の素材を利用して少量多品種で商品を展開しています。そうしたスタイルを通じて店の個性を表現し、これからもさまざまなお客様に喜んでいただけたらと思っています」(古宮さん)

原価計算女王
原価計算女王
常温で様々なパンを陳列するショーケース
冷蔵が必要なパンや生菓子などを陳列する冷蔵のショーケース
SHOP DATA
店名:リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー
住所:〒273-0005千葉県船橋市本町1-21-16
電話:047-437-8733
営業時間:午前10時〜午後7時
定休日:月曜、火曜
品揃え:約50品目
スタッフ:製造常時1人〜2人、販売常時1〜2人
店舗面積:売場2坪、厨房(1階)4坪、厨房(2階)4坪


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