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| 連載/2025年6月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 生地の状態を見ながら柔軟に発酵のスケジュールを管理するAIドウコン - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(96) | |
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生活の中に浸透しつつあるAI技術
最近は、私達の生活の中にAIを使った様々な装置が入り込んでいます。部屋の形状を学習し、障害物を避けながら自動で掃除をする掃除機や、人間の在室状況や外気温、使用パターンを学習して、自動で温度、湿度、電力使用を調整するエアコンなど数えたらきりがありません。 パン業界でもこぐ一部ですが、AIを利用した製パン機械の開発に挑戦しているという話を聞きます。今回は、AI搭載のベーカリー機器について考えてみたいと思います。 従来のドウコンは生地は見ていない AIを搭載しやすいベーカリー機器のひとつとして、ドウコンディショナーがあるのではないかと思います。オーブンのように極端な高温にもならないし、ミキサーのように大きな力がかかるわけでもないので、まずは、ドウコンディショナーにAIを搭載するにはどうしたらいいかを考えてみたいと思います。 話をシンプルにするために、今回は温度と湿度の制御について考えてみたいと思います。今パン業界で活躍しているドウコンディショナーは、まず最初に始点と終点を決めて、その間の時間の流れの中で、温度と湿度の上げ下げのタイムスケジュールを設定し、それに従って温度と湿度を管理するというものが多いと思います。庫内の温度が設定値より低下した場合、加熱装置が作動し、逆に、温度が設定値を超えた場合は、冷却装置が作動します。このようにして、庫内の温度を常に設定された範囲内に保つように制御されています。 湿度については、設定値より低下した場合は、加湿装置が作動して庫内に蒸気を供給し、逆に、湿度が設定値を上回った場合は、加湿を止めるか除湿機能を作動させます。 このように、従来のドウコンディショナーは温度と湿度の両方をリアルタイムで監視し、設定された値からの逸脱があれば、加熱装置や加湿装置の出力を自動的に調整して、庫内の環境を最適な状態に保つように設計されています。 生地を見ながら柔軟に発酵を管理 一方、AIを活用したドウコンディショナーは、あらかじめ温度と湿度のタイムスケジュールをすべて設定するのではなく、パン生地の状態をリアルタイムで監視し、その情報に基づいて温度や湿度を動的に調整する点が、従来のドウコンディショナーとは決定的に違います。カメラやセンサーを用いて、生地の膨らみ具合や表面の状態をリアルタイムで監視し、その監視データをAIが解析し、発酵の進行状況に応じて温度や湿度を逐次適切に調整します。つまり、生地の状態に合わせて、発酵時間や温湿度のスケジュールを柔軟に変更できるというわけです。 実際の現場での使い方は、例えば、スタッフが生地玉を夕方5時に投入し、「明日の午前10時30分に成形を始めたい」といった希望を伝えることで、AIが逆算して最適な発酵スケジュールを自動的に組み立てることが可能です。明日の午前8時に想定外のことが起きた場合でも、「12時まで引っ張って」と伝えればその時点からあとの最適な発酵スケジュールを自動的に再構築してしてくれるでしょう。 意外と簡単なAIシステム開発 では、これらの制御を実現するためのAIシステムはどうやって構築したらいいのでしょうか。何かとてつもなく難しそうだと感じる人も多いかも知れませんが、そんなことは決してありません。現在では、WindowsアプリをC言語で書く程度の難易度でできるように、様々なお膳立てが出来上がっています。 AIの場合は、「Python」という言語を使います。あの有名なGhatGPTも「Python」で書かれています。実は「Python」には、外部ライブラリを通じて、すでに学習済みの優れたAIモデルが多数公開されていて、無料で簡単に使えるのです。 次回は、意外と簡単な「Python」を使ったAIシステムの作り方について書きたいと思います。(RO) |




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