10年間の営業で感じた変化と新たな挑戦 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2025年6月号

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10年間の営業で感じた変化と新たな挑戦
白金高輪駅から徒歩5分、商店街の一角にある「ベッカライ ブラウベルグ」
アーチ状の壁面に沿った陳列台にパンが並び、ドイツの街並みの絵画が飾られている
店主の青山泰生さん
「ロッゲンブロート」(税込1080円)などのライ麦やサワー種で作るドイツパンは約6種類揃う(サムネイルは、「ロッゲンブロート」の断面)
食べやすい食感に仕上げている「ラウンゲン ブレッツェル」(税込249円) (サムネイルは、「ラウンゲン ブレッツェル」の断面)
粒あんを包み桜の花をトッピングした「あんぱん」(税込270円)など菓子パンが並ぶ(サムネイルは「あんぱん」(左上)と「クリームパン」(右上)の各断面)
ドイツパンもあるバラエティー豊かな品揃え

 東京・港区の白金高輪駅から5分ほど歩くと、2015年に開業した「ベッカライ ブラウベルグ」がある。広尾駅と麻布十番駅からもそれぞれ徒歩20分ほどの場所で、各国の大使館が点在することから外国人も多く住む地域だ。また、同店は下町情緒の残る商店街に位置しており、年配客のファンも多く獲得している。
 「開業当初ドイツパンは売れなかったんですが、ドイツ人のお客様が口コミで広めてくれたのを機に、一定数出るようになりました。今では外国人だけでなく日本人も買ってくれるようになって変化を感じています」
 こう話すのは、店主の青山泰生さん。「ロッゲンブロート」(税込1080円)や「ゾンネンブロート」(税込1296円)などの、ライ麦やサワー種で作るドイツパンは約6種類。ドイツパンはこのほか「ラウンゲン ブレッツェル」(税込249円)や自家製フランボワーズジャム入り揚げドーナツ「ベルリーナ」(税込300円)など。
 ドイツパンが揃う傍ら、粒あんを包み桜の花をトッピングした「あんぱん」(税込270円)や、グローブ形の「クリームパン」(税込270円)、「チョココルネ」(税込270円)など、定番の見た目の菓子パンも並ぶ。食パンは5種類あり、「角食パン」(税込400円)や「シリアルブレッド」(税込476円)、「チーズブレッド」(税込799円)など。サンドイッチは食パンやチャパタ、「カスクルートサンド ハムチーズ」(税込594円)などフランスパンを使用したものもあり、8種類ほど。「バゲット」(税込378円)や「ブール」(税込346円)などのフランスパンも並ぶ。
 こうしたバラエティーに富んだ品揃えは、青山さんが師と仰ぐ明石克彦さんの店、東京・世田谷区の「ベッカライ ブロートハイム」を想起させる。青山さんは同店に、開業前の8年間勤務した。
 「明石さんから、パン職人の考え方について多岐にわたって学ばせていただきました。例えば仕込みと一口に言っても、生地を仕込むことだけではありません。焼き上げて並べ、菓子パンの場合は粗熱が取れたら袋に入れて、お客様にいい状態で届けるまでのこととして捉えることが必要です。お客様との会話の仕方や関わり方なども学ばせていただきました。『ブロートハイム』は、地域の人の食生活の一端を担うという考え方で商品展開をしていました。当店も地域に根付いた生活に馴染むようなベーカリーを目指していますので、買いやすい価格であることや、品揃えの幅広さは、基本姿勢としているところです」(青山さん)
 約70種類のパンが並ぶのは、アーチ状の壁沿いに造られた陳列台。入店してその先に目を向けるだけで、ずらりと並ぶ様子が見える造りだ。
 壁にはドイツの街並みの絵画やステンドグラスなどの工芸品が飾られており、手作りの温もりを感じさせる店内となっている。

意外な食べ方の提案で作り手の意図を伝える

 レジ周りには「リンツァートルテ」(税込432円)や「クロッカン」(税込411円)、「パルミエ」(税込411円)など14種類ほど焼き菓子が並ぶ。その横に並ぶのは、同店一番人気の「クリーム・ホーン」(税込357円)と「チョコ・クリームホーン」(税込378円)のクリーム充填前のクロワッサン生地を筒状に焼き上げたもの。クリームは注文の度に詰めることで、サクサク感を活かす。
 「『ブロートハイム』でも作っていた商品はかなりあって、『クリームホーン』もその一つです。一年を通して人気がありますね。今後クリームにバリエーションを出せたらと思っています」(青山さん)
 バゲット生地をソフトに焼き上げたパンにバター、練乳、粉糖で作ったクリームをサンドした「ミルクスティック」(税込281円)、「ドイツで食べた、食べやすい軽めの食感のブレッツェルをイメージして作っている」(青山さん)という「ラウンゲン ブレッツェル」、サンドイッチなども人気。
 「お客様には意外と思われるかもしれないのですが、『ミルクスティック』やサンドイッチはトースターなどで軽く温めることをお勧めしています。特にカスクルートはホットサンドのイメージで作っているので、焼くとパンの周りがサクッとしますし、食パンも砂糖の量を少な目にしているので焼くと歯切れの良い食感になります。あくまでもお客様のお好みですが、食べ方の提案は、少し変わった独特なものでも、作り手の意図を伝えるきっかけになりますよね。こうした思いを伝えることは、当店のパンの魅力を実感してもらうためにも大事なことだと思っています」(青山さん)



注文後にクリームを詰める「クリーム・ホーン」(税込357円)と「チョコ・クリームホーン」(税込378円)は同店一番人気(サムネイルは「クリーム・ホーン」(左上)、「チョコ・クリームホーン」(右下)の各断面)
右は上位人気の「ミルクスティック」(税込281円)(サムネイルは、「ミルクスティック」の断面)
新たに発売した「ハムとカマンベールサンド」(税込702円)
10周年を機に、新たな挑戦をしたい

 最近新たに、カスクルートの「ハムとカマンベールサンド」(税込702円)を発売した。ハムは従来品より上質なものを使用した高価格帯商品となっている。
 「明石さんから紹介していただいた九州にあるメーカーのハムが試食したらとてもおいしかったんです。おいしさを最大限に 感じていただけるように、スライスを3・5ミリと厚めにオーダーしています。原価が高い分、高価格商品になりますね。近年の原材料価格高騰により、当店のほかの商品も全体的に価格を上げてきていますが、同時に品質を上げたり、付加価値のあるものにしていかないといけないと思っています。そのためにも食材についてもっと勉強して、知識を広げていきたいと思っています」(青山さん)
 今年同店は開業11年目を迎えた。青山さんは販売を担当する妻の麻世さんと同店のこれからについて、改めて考え話し合い、その結果、同店の認知度を広めて外からの集客を増やすことを目標にしたという。
 「10周年の節目に、今までと少し違うことに挑戦しようということで、インターネットなどを活用してもっと外からも買いに来てもらえるような店づくりをしていこうと考えています。集客力を付け、それに応えられるよう製造体制も強化して、品揃えをもっと充実させていきたいと考えています。人手の関係でできなかったドイツの焼き菓子なども作っていきたいと思っています」(青山さん)

SHOP DATA
店名:ベッカライ ブラウベルグ
住所:〒108−0072 東京都港区白金3丁目9‐6
住所:03‐6277−0003
営業時間:午前9時30分〜午後7時(土曜日は午後6時まで)
店名:日曜、月曜
品揃え:パン約70品目、菓子約14品目
スタッフ:製造常時1〜3人、販売常時1〜2人
店舗面積:売り場約6坪、厨房約10坪
日商:平日約25万円、土曜、祝日約40万円



この記事の読みどころ

●地域に根付いた生活に馴染むようなベーカリーを目指す。
●一番人気の「クリーム・ホーン」は注文を受けてからクリームを充填し、サクサク感を活かす。
●食べ方の提案は、作り手の意図を伝えるきっかけになる。
●上質なハムを使用した、高価格帯商品を導入。



原価計算女王
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