名古屋のパン屋さんの人気商品は? - 地域別売れ筋商品調査第3弾! - ブランスリー電子版

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特集/2002年4月号

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名古屋のパン屋さんの人気商品は? - 地域別売れ筋商品調査第3弾!

名古屋市内のベーカリー30軒に、様々な質問をぶつけた。菓子パンや調理パンに力を入れるベーカリーと、ハード系のパンに力を注ぐベーカリーに二極化しつつあることや、味が濃くてはっきりしたパン、具材やフィリングが入ったパンが好まれる傾向があることなどが分かった。

調査の方法
電話帳から愛知県名古屋市のベーカリーをなるべく無作為に選び出し、回答ベーカリーが30軒に達するまでおよそ60軒に電話でアンケートを依頼した。基本的に電話での聞き取りの形で実施したが、一部は、FAXでアンケート用紙を送付し、回答してもらった。回答したベーカリーは30軒。
主な質問事項は「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」「流行の商品(もしくは最近出した商品)で、売れているものを2つか3つあげてください」「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理パンも含む)(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」など合計11項目。
回答したベーカリーの所在地は、すべて愛知県名古屋市。
立地は住宅街21軒、街道沿い3軒、商店街と工場地帯が各2軒、スーパー内と駅前が各1軒。



定番商品に、食パン、菓子パン、ハード系



「定番商品でよく売れているパンを2つか3つあげてください」(有効回答ベーカリー数30)との質問に対する回答(グラフ1)をパンのカテゴリー別に分類したところ、「食パン類」が32軒と最も多かった。
次いで「菓子パン類」の26軒。さらに「ハード系(ソフトフランスなども含む)」(16軒)、「デニッシュ・クロワッサン類」(6軒)、「調理パン・焼き込み調理パン類」(4軒)と続く。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
「食パン類」の内訳については、具体的に答えた19軒についてみると、「角食」(3軒)、「イギリス食パン」「ホテル食パン」「生クリーム食パン」「パン・ド・ミ」「チョコマーブル食パン」(各2軒)、「山食」「上食」「天然酵母食パン」「胚芽入り食パン」「紅こうじ食パン」「チョコローフ」(各1軒)となる。
このほかに「食パン」とだけ答えたベーカリーが13軒あり、どのような食パンか正確にはわからない。
「菓子パン類」の内訳については、「メロンパン」の8軒が最も多く、「クリームパン」も7軒と多い。次に多いのは「アンパン」の3軒。
ハード系の内訳については、「バゲット」の4軒のほかは、「バタール」「ライ麦パン」「くるみパン」「ルヴァン・ナチュレーヌ」「ソーセージフランス」などすべて1軒ずつ。
今回と同じ質問をブランスリー1月号で大阪のベーカリーに、2月号で東京のベーカリーにぶつけたが、名古屋のベーカリーは、食パン類とハード系が多い点で東京と似ていて、菓子パン類が多い点で大阪と共通しているといえる。



菓子パン、調理パン主体とハード系主体に二極化?

「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理も含む)(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」(有効回答ベーカリー数29)と頼んだところ、多い順に「食パン類」が21軒、「調理パン類」が15軒、「菓子パン類」が13軒、「ハード系」が5軒、「デニッシュ類」が4軒という結果。(グラフ3)
「定番商品でよく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問に対する回答と比較すると、調理パン類とハード系のパンが入れ替わった形だ。
「カンパーニュやライ麦パンの動きが少しよくなってきたように思います」(街道沿い立地のベーカリー)、「ハード系のパンが少しずつ動き出した気がします」(商店街立地のベーカリー)などといった声が聞かれ、少しずつではあるがハード系へのニーズが高まっていることへの期待感が、ハード系の定番商品をあげた背景にあると考えられる。
しかし、実際に売上に貢献しているのはハード系より調理パンなのだ。
「ハード系が売上の柱になっている」と答えた5軒のベーカリーは、もうひとつの売上の柱を「食パン」または「デニッシュ」としたケースがほとんどだった。
食パンを売上の柱としながら、菓子パンや調理パンに力を入れるベーカリーと、同じく食パンを売上の柱にしながら、ハード系のパンに力を注ぐベーカリーに、二極化する方向にあるとも考えられる。
「食パンと調理パンが売上の柱になっているベーカリー」は9軒、「食パンと菓子パンが売上の柱になっているベーカリー」は8軒だった。

グラフ3



味が濃い商品がよく売れる

今回のアンケートでは、顧客のパンに対する嗜好についても尋ねた。
「菓子パンにしても調理パンにしても、味が濃い商品が売れるように思います」(住宅街立地のベーカリー)、「はっきりした味のパンが好まれるようです。具やフィリングが入っているパンに人気があります」(工場地帯立地のベーカリー)などといった声が聞かれた。
ハード系のパンについても「ソーセージなどが入ったハード系のパンがよく売れます」(住宅街立地のベーカリー)といった声が聞かれた。
本誌2月号の東京のベーカリーを対象にした「売れ筋商品調査」で、健康志向を念頭に置いた食材を練り込むなどしたハード系のパンが多かったのに対して、名古屋の場合は、比較的塩味の利いた様々な具材をあしらったフランスパンなどに人気があることが伺われた。



新商品にも味のインパクトを求める


「流行の商品(もしくは最近出した商品)で売れている商品を2つか3つあげて下さい」(有効回答ベーカリー数29、「ない」と回答したベーカリーが2軒)と頼んだところ、「プリンパン」の6軒が最も多く、次いで「ライ麦パン」「シナモンロール」「メープルデニッシュ」が各2軒。
これらのパンは何らかの形で広く話題になっている商品で、流行を追う傾向が東京、大阪より多少強く感じられた。
「プリンパン、メロンパン、カレーパン、シナモンロール、シュークリームなどテレビなどで有名になったパンは、材料業者や製粉メーカーに情報を聞いてすぐに製造にかかります」(スーパー内のベーカリー)といった声があがった。
その他の回答はすべて1軒ずつで、「ひまわりパン」「ベーグル」「パネトーネ」「アップルパイ」「ゴマ醤油パン」「もちっこドーナツ」など多種多様だ。(グラフ2)



これを、パンのカテゴリー別にみると、多い順に「菓子パン類」が16軒、「デニッシュ・クロワッサン類」が13軒、「調理パン・焼き込み調理パン類」が10軒、「ハード系」が8軒など。(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
菓子パン類、デニッシュ・クロワッサン類をみてみると、黒糖、栗、チョコアーモンド、胡麻、チョコプリン、よもぎなど、味に特徴がある素材を積極的に使用していることがわかる。
「クロワッサンは、生クリームやカスタードクリームなどのフィリングを入れないと売れなくなりました」(住宅街立地のベーカリー)、「道明寺とあんこ、桜の葉を包み込んだ「桜もちパン」を最近出しましたが、とてもよく売れています」(駅前立地のベーカリー)などといった声が聞かれた。

馴染みのないパンには消極的

「新商品は、平均すると月に何品目出しますか?」(有効回答ベーカリー数29)との質問に対する回答の平均値は、1・76品目で、東京の2・8品目、大阪の2・31品目より少ない。
住宅街立地のあるベーカリーは「見た目が変わったパンには中々手を出しません。誰もが食べ慣れたようなパンがよく売れるようです」と指摘した。
新商品の投入数が多いほど売上を伸ばしているという傾向はなく、むしろ売上が落ちているから新商品の投入が多くなるという傾向がみられた。

原価計算女王
原価計算女王
約40%が「売上落ちた」
「1年前に比べて売上は、(1)伸びた(2)横ばい(3)落ちた、のいずれですか?」(有効回答ベーカリー数29)と聞いたところ、「落ちた」が12軒、「横ばい」が9軒、「伸びた」が8軒で、不況下で比較的健闘していることがわかった。
客単価と来店客数についても同じ質問をぶつけたところ、客単価については、「落ちた」と「横ばい」がそれぞれ12軒、「伸びた」が5軒だった。
来店客数については、「横ばい」が12軒、「落ちた」が9軒、「伸びた」が8軒だった。
「売上が伸びた」と答えたベーカリー8軒のうち、「客単価、来店客数とも伸びた」と答えたのは4軒、「客単価は横ばいだが、来店客数が伸びた」と答えたベーカリーは2軒だった。「客単価が落ちて来店客数が伸びた」が1軒、「客単価が伸びて、来店客数が横ばい」が1軒。
「売上が横ばい」と答えたベーカリー9軒のうち「客単価、来店客数とも横ばい」と答えたベーカリーは8軒、「客単価が落ちて、来店客数が増えた」と答えたベーカリーが1軒だった。
「売上が落ちた」と答えたベーカリー12軒については、「客単価、来店客数の両方が落ちた」と答えたベーカリーが7軒、「客単価が落ちて、客数は横ばい」が3軒、「客単価は横ばいで、来店客数が減った」と答えたベーカリーが2軒だった。

VOICED FROM BAKERIES - 名古屋のパン屋さんの人気商品は?


●新しい商品は、130円を超えると中々手を出しません。住宅街
●ウチは男性客が4割程度。はっきりした味のパンが好まれるようです。具やフィリングが入っているパンに人気があります。工場地帯
●比較的甘さ控え目が好まれる。添加物が入っているかどうかを気にするお客様が多い。住宅街
●ハード系のパンはあまり売れません。ふわっと柔らかいパンが好まれます。おつりとして渡すお札はなるべくきれいなものを使うようにしています。お客様の年層は高めです。街道沿い
●2年前にオープンしました。オーナーがフランス人なのでハード系に力を入れています。おやつではなく、主食になるパンを提案しています。住宅街
●味の薄いパンはあまり売れないように思います。かといってくどい味のパンも売れません。米食が根強い場所なので、パンはおやつという感じです。フライものは人気があります。スーパーに影響を受けています。住宅街
●この辺は洋食が普及しているようで、皆さん、ドイツパンなどを上に召し上がっているようです。住宅街
●生クリームが入った食パンが看板商品です。2斤の大きさの型で焼いていて、冬場は2斤、夏場は1斤買っていくお客様が多い。菓子パン生地をのばして、道明寺とあんこ、桜の葉を包み込んだ「桜もちパン」を最近出しましたが、とてもよく売れています。駅前
●見た目が変わったパンには中々手を出しません。様子をみていて、定着してきた頃にこわごわ買ってみる、という感じです。誰もが食べ慣れたようなパンがよく売れるようです。住宅街
●下町なので、ハード系よりソフト系がよく売れます。景気が悪いといっていてもしょうがないので、新製品のチラシをポスティングしたりして、積極的に販売促進しています。住宅街
●ハード系のパンがよく売れます。ただ、ソーセージなどが入っていないとだめみたいですね。クロワッサンは、生クリームやカスタードクリームなどのフィリングを入れないと売れなくなりました。一昔前は食パンを買うついでに、その他のパンも買っていったのですが、今は余分なものは買わなくなりました。住宅街
●20円から350円までいろいろな価格帯のパンを揃えています。ライ麦パンは注文がかなり多く入るようになりました。少ない数量を頻繁に焼き上げるようにして、できる限り焼きたてを買ってもらえるようにしています。当日のパンしか売りません。残ったパンは、あるところに運んで、その日のうちに割引き販売しています。ですからロスはゼロです。住宅街
●食パンのお客様に支えられています。特別な作り方はしていませんが、とにかく丁寧に作ることを心掛けています。従業員が選んだ「ベスト3のパン」を発表したり、パンの食べ方を提案したりと、販促に努めています。ポップには一言でわかりやすくパンの説明を書くように心掛けています。住宅街
●フランスパンとデニッシュの目的買いが多いように思います。デニッシュ類は3段の陳列棚だったら、一番見やすくてとりやすい2番目の段に置くようにしています。とにかくお客様に食べてもらうにはどうしたらいいかを考えています。住宅街
●自家製のマヨネーズを使ったサンドイッチが看板商品です。自家配合にこだわり、独自性のある商品作りを心掛けています。流行のプリンパンでも、フレンチトーストをプリンパン風にアレンジして、独自性を出しています。住宅街
●甘いパンと小物がよく売れるようです。ハード系のパンは主にレストランがお客様です。昔と比べると余分なものを買わなくなりました。住宅街
●天然酵母のパンを作っています。遠くからのお客様も多い。シンプルなパンが中心で、自然食品店への卸販売も多い。パン教室もやっています。街道沿い
●中年の主婦と男性客が多い。手軽に食べられる調理パン類がよく売れます。カンパーニュやライ麦パンの動きが少しよくなってきたように思います。街道沿い
●ハード系のパンがすこしずつ動き出した気がします。野菜のペーストを練り込んだ小型のパンを出しましたが、よく売れています。商店街
●プリンパン、メロンパン、カレーパン、シナモンロール、シュークリームなどテレビなどで有名になったパンは、材料業者や製粉メーカーに情報を聞いてすぐに製造にかかります。新製品に関しては後手になりますが、必ず材料は他よりいいものを使い、おいしい商品を作るように心掛けています。毎日1品を販促するようにしています。20〜30円値引きすると売上が10倍になるんです。普段10個作っているものを100個作らないと間に合いません。新しいスーパーがどんどんできて、大変です。特に食パンの安売りにはまいっています。食パンは焼きたてベーカリーの顔ですから、材料は落とさずに技術力を発揮して、人件費は抑えて、いいものを安く提供できるように心掛けています。スーパー内
●大学が近く、学生が多いので調理パンがよく売れます。また、名古屋という土地柄なのか、菓子パンにしても調理パンにしても、味が濃い商品が売れるように思います。私は札幌の出身ですが、札幌に比べてそう思います。徐々にではありますが、食パン、ハード系の主婦のリピーターが増えています。そういったお客様に「プラス1品」を買ってもらえるような商品作り、売り場作りを心掛ければ、売上は伸びていくと考えています。住宅街
●以前に比べて、菓子パンの販売数が減りました。主食になる食パン、バゲットが売れています。パンの味を決める小麦粉、塩、水にこだわり、より安全なパン、ナチュラルでヘルシーなおいしさを心掛けています。住宅街
●食パンがメインです。住宅街
●サンドイッチに力を入れています。食パンの両端を切り落とした部分を使って「ミミサンド」という商品を出していますが、とても人気があります。食パン1本で、2枚しかとれないので、たくさんはできませんが。店が工場地帯にあるので、男性のお客様が多い。流行にはまったく反応しません。工場地帯
●大型スーパーが進出し、昨年は中型のスーパーが半径1キロ以内にできて、一番いいときに比べて売上は半減しています。商店街


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