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| 連載/2024年11月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| 「コストカット型の経済」から「高付加価値型の経済」へ転換しよう! - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(89) | |
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石破茂新総理の「コストカット型の経済はもう終わりにしようと思っている。賃金が上がり、下請けの方々に負担を負わせることなく、設備投資することによって魅力的な商品を作る高付加価値型の経済に変えていかなくてはならない」との言葉が深く心に刻まれました。そして、今回本誌の「お店拝見」の企画で取材させて頂いたベーカリー「パンの家 あ・ら・もーど」の記事が重なりました。
1998年に創業した同ベーカリーは当初、駅前という立地を活かして繁盛していました。 しかし、周辺に大きな商業施設ができるなど、環境の変化によって売り上げが激減し、一時は閉店も現実的な選択肢になってしまったといいます。これは、多くの中小企業が直面する外的要因に対する脆弱性を象徴しています。 しかし、同ベーカリーはコストカットや規模縮小に走るのではなく、設備投資によって新たな価値を創造する道を選びました。たまたま空いた隣の店舗を活用して、売り場や厨房を拡張し、バリアフリー対応の施設を整備、さらにはイートインスペースを設けることで、商売のアウトプットを多様化させたのです。 設備投資によってもたらされた結果は、単なる物理的な拡張に留まりませんでした。厨房の拡張によって、フィリング(具材)の自家製化が可能になり、その結果として、地元産の秋川牛を使った「秋川牛カレーパン」というヒット商品が誕生しました。この商品は、手間暇を惜しまない製造工程や地元食材を使うこだわりによって高い評価を得、日本カレーパン協会主催のコンテストで5年連続最高金賞を受賞するなどして、同ベーカリーの知名度を一気に押し上げました。 石破総理が掲げる「高付加価値型の経済」において、魅力的な商品を生み出すためには、質の高い投資を行うことが必要です。「パンの家 あ・ら・もーど」の事例では、単に厨房や売り場を拡張しただけではなく、より良い商品を作るために、フィリングの改良や新たな製品開発に継続的な投資を行っています。カレーパンの具材を改良し、炒め方や肉の下処理などの細部にまでこだわる姿勢は、パン作りに対する「のめり込み」をさらに深めました。 また、同ベーカリーは質の高い設備投資を通じて新たな商品開発だけでなく、顧客の体験価値を高めることにも成功しました。バリアフリー化やイートインスペースの設置は、「地域住民にとって利用しやすい店舗」を実現し、顧客満足度を向上させました。このような付加価値の創出は、石破総理の「下請けの方々に負担を負わせることなく、自らの力で魅力的な商品を作る」というビジョンに合致します。 さらに、同ベーカリーは、学生とのコラボレーションによってクリームパンの商品改良や新しいデザインの開発を行うなど、他者との協力を通じた新しい試みにも積極的です。これは、既存の商品やサービスに安住せず、新たな市場ニーズやトレンドに対応し続ける姿勢の現れであり、ベーカリーとしての持続可能な成長戦略の一環といえます。 同ベーカリーの事例からは、コスト削減や現状維持にこだわる内向きな経営ではなく、常に新しい価値を提供し続ける攻めの経営の重要性が浮かび上がります。「コストカット型の経済」が限界に達している中で、同ベーカリーのように、積極的な投資を通じて高付加価値の商品を提供するビジネスモデルこそが、これからの経済成長を牽引する鍵となるでしょう。 まとめると、「パンの家 あ・ら・もーど」の成功は、コスト削減ではなく積極的な設備投資と新たな価値創造がビジネス成長の鍵であることを示しています。同ベーカリーは、「高付加価値型の経済」に通じるアプローチを実践し、設備投資によって顧客体験を向上させ、高品質な商品を提供することで経営を再建しました。特に「秋川牛カレーパン」のヒットは、手間を惜しまず品質を追求することの重要性を示しています。(RO) |



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