ダイユーの直営店の中で最も小規模な店 - Bakery コムギノホシ 経堂 - ブランスリー電子版

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お店拝見/2024年12月号

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ダイユーの直営店の中で最も小規模な店 - Bakery コムギノホシ 経堂
ダイユーの星野理絵社長
小田急線経堂駅からすぐ、商店街の一角にある「Bakery コムギノホシ 経堂」
一番人気の「牛肉カレーパン」(税込289円)のカレーフィリングは下井草店で作っている
「チリソースと島唄ソーセージ」(税込321円)や「カレーマスタードと島唄ソーセージ」(税込321円)など総菜系のパンが並ぶ(左上のサムネイルは、左が「チリソースと島唄ソーセージ」の、右が「カレーマスタードと島唄ソーセージ」の断面)
「つぶあんぱん」(税込192円)や「クリームパン」(税込192円)、「チュロス(チョコ)」(税込238円)など菓子パンが並ぶ(左上のサムネイルは粒あんパンの断面、右上のサムネイルは、左が「チュロス(シナモン)」の、右が「チュロス(チョコ)」の断面)
すでにリピーターがいる「コムギノホシ食パン」(税込321円)は、しっとりとした食感でほのかな甘さが特徴(右下のサムネイルは、「コムギノホシ食パン」の断面)
駅近で小規模店の特徴を活かした商品展開

 東京・新宿から電車で10分ほどの小田急線経堂駅南口を出て商店街を少し歩いたところにある「Bakery コムギノホシ 経堂」。ベーカリーの開業支援事業を行う会社、ダイユーの直営店として10月9日にオープンした。同社の直営店開業は2018年の「石窯パン工房 コムギノホシ 谷原店」を皮切りに都内で続いており、今回の開業で5店舗目となる。
 「Bakery コムギノホシ 経堂」は全面ガラス張りで、店内の様子が商店街を行き来する人の目に自然と入ってくるような造りだ。
 入口と出口は分かれており、雨の降っていなかった取材時はそれぞれの扉が開け放たれ、とても開放的で見た目にも入りやすい印象だ。
 中に入ると「『塩チョコパン』(税込192円)焼き上がりました」と声を出し、パンを並べる星野理絵社長の姿があった。
 「前向きなスタッフが集まってくれて、とても楽しい気持ちで働かせてもらっています」(星野社長)
 売り場は約8坪で、菓子パンや総菜パンを中心にした製品がそれぞれ6〜8個ずつ所狭しと並ぶ。厨房は約11坪で、ハード系やクロワッサンなどの製造設備はない。
 「店舗の造りの都合上、商品展開に限りがありますが、9キロほど離れた『コムギノホシ 下井草店』から一部の生地やフィリングを仕入れることによって、ほかの『コムギノホシ』の店舗で売れ筋になっている商品も用意できるようにしています」(星野社長)
 下井草店から仕入れるのは、ほかの「コムギノホシ」の店舗でも人気の「博多明太フランス」(税込332円)に使用するフランスパン生地や「クロワッサン」(税込257円)の生地のほか、同店一番人気の「牛肉カレーパン」(税込289円)のカレーフィリング、「クリームパン」(税込192円)のカスタードなど。
 駅近立地で、売り場は小さくイートインスペースがないという店舗の特徴により、利用客にある傾向が見えてきたという。
 「お客様の滞在時間は短いですね。製品を少数ずつどんどん焼き上げ、回転率を上げるようにしていますので、お客様は、目当てのものを探すというより、その時にある商品の中からご自分の好みのものを選ばれていくような感じです。家族の分をまとめて買うのではなく、自己消費用の購入ですね」(星野社長)

ロスパンから作るクラフトビールも提供

 営業時間を朝10時から夜8時までと、少々後ろ倒しに設定したのも、立地を考えてのことだという。
 「出勤前にパンを買っても満員電車で潰れてしまいますから、朝より帰宅時、夜の需要を喚起できる店にしたいと考えました。そこでロスパンから作るクラフトビールを提供しています」(星野社長)
 3種類あるクラフトビール「ブレッドエール」(いずれもスモール税込440円、レギュラー税込660円)は仙川店で醸造している。原材料のロスパンは、食パン、ライ麦パン、バゲットの3種類で、それぞれから風味の異なる3種類の「ブレッドエール」ができる。
 「『ブレッドエール』は飲み比べると、それぞれに香りと味わいに特徴があり、楽しんでいただけると思います。『コムギノホシ』のほかの店舗でも4年前から提供していて、ガーリックトーストやソーセージを使ったパンなどとの相性が良いと、お客様に好評いただいております」(星野社長)
 オープンして間もない現在、パンの売れ行きが想定以上で夕方前にほとんど売り切れる。開店の告知はせずにオープンしたが、出だしから好調だ。
 「夕方以降はパンがほとんどなく、カフェというかクラフトビールの店といった状態になってしまっているのが現状です。ですので、製造能力を上げて、ビールと合うパンのほか、サラダや総菜など、夕飯としてお召し上がりいただける商品の開発も進めていきたいと思っています」(星野社長)



8坪の売り場に所狭しとパンや焼き菓子、コーヒー豆などが並ぶ
厨房は売り場と並んで奥にあり、大きな窓を通して売り場から中の様子が見える
クラフトビール「ブレッドエール」(スモール税込440円、レギュラー税込660円)のサーバーはレジカウンターの奥に設置
人材育成と労働環境整備でコスト高を克服

 売れ筋商品の価格は「バター香るメロンパン」が税込203円、「つぶあんぱん」が税込192円、「チーズの羽根」が税込213円、「牛肉カレーパン」が税込289円などと、200円前後となっている。
 「特別なときだけでなく、毎日来てもらえる店を目指していますから、あらゆるコストが上がっているからとは言え、買いやすい価格帯は守っていきたいと思っています。また、値上げをする際は一律ではなく、例えばソーセージの値上げがあればソーセージを使った商品だけに限って行い、できるだけお客様への負担が少なく済むようにします」(星野社長)
 20年以上様々なベーカリーのコンサル業を行ってきた星野社長だが、やはり近年コスト高に関する相談は増え続けているという。
 「価格高騰については、光熱費、人件費、原材料費を三大要因として捉えています。まず光熱費と原材料費は、細かいところから見直すなどして、ある程度改善できると思います。そして最低賃金の引き上げや働き方改革によって上昇が続く人件費ですが、この対処こそ一番重要だと思っています。やはり一人当たりの生産性をいかに上げていけるかということになってきますので、そのための教育を充実させ、労働環境の整備に努めていかなければなりません。『コムギノホシ』に限らず、当社のコンサル部門でも、同様のことを各ベーカリーのオーナー様にお伝えしています」(星野社長)
 同店は現在、常時社員が2〜3人でアルバイトが常時約6人勤務しているが、アルバイトは学生が多く、勤務時間は短めだという。
 「学生に限らず、都内だとダブルワークをされている方も多いので、長時間勤務はなかなか難しいですね。短時間でも仕事を覚えていただけるような仕組み作りなどが必要です」(星野社長)
 同店のロゴや看板は水色を多用している。水色は星野社長が一番好きな色だ。
 「青系の色は少し前まで、食欲減退の色ということで、当社のコンサル部門でもお勧めしてこなかったのですが、近年はオーナー様の好みを優先していただくようにしています。当店の開業で実感しているのですが、私自身が好きな色に囲まれて楽しく働くことによって、周りのスタッフにその楽しさが伝染していく効果があると思っているんです。その甲斐あってか、勤務時間を増やそうとしてくれるスタッフが増えてきて嬉しく思っています」(星野社長)

SHOP DATABakery コムギノホシ 経堂
住所:〒156−0052 東京都世田谷区経堂1−23−13
電話:03‐6432−6077
営業時間:午前10時〜午後8時
定休日:火曜
品揃え:約60品目
スタッフ:製造常時4人、販売常時4人
店舗面積:売り場約8坪、厨房約11坪、休憩室約3坪、トイレ・洗面室約1坪
日商:平日約30万円、土曜、日曜、祝日約40万円



この記事の読みどころ

●こまめに少量を焼き上げ、商品の回転率を高める。
●コスト高については、光熱費、人件費、原材料費を三大要因として捉えている。
●夜の需要喚起のためにロスパンから作るクラフトビールを提供。
●夕飯用のサラダや総菜なども販売していきたい。





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