自分の好きなものを集めたこだわりの店舗 - つばめパン - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
お店拝見/2024年9月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


自分の好きなものを集めたこだわりの店舗 - つばめパン
店主の執行博之さん
最寄り駅から徒歩十数分、住宅街の角地にある「つばめパン」
一番人気の「あんバターフランス」(税込320円)
こしあんをカステラでサンドした「シベリア」(税込280円)
全粒粉入りのパイ生地にリンゴをたっぷり入れた「アップルパイ」(税込380円)
自家製酵母を使用した「柚子パン」(税込240円)
見つけにくいが、住民には周知された場所

 東京・町田市のJR成瀬駅南口から十数分歩いたところにあるベーカリー「つばめパン」。周りは住宅街で、すぐ近くに市立図書館や小学校、高校がある。
 「図書館利用の方や、学校の先生も来てくれます。駅まで少し坂になっているので、近所のおじいちゃんに『駅まで行かなくていいから助かるよ』と言ってもらえたのは嬉しかったですね」
 こう話すのは店主の執行博之さん。執行さんは2017年に同店を開業した。同店の建物は1976年、執行さんの父がベーカリーを開業するために建てたもの。しかし父は開業の半年後、祖父の営む世田谷区駒沢のベーカリー「パオン昭月」の2代目となり、開業した店は閉めることになった。
 「父が自分が立てたビルで開業した店を閉めてから、私がそのビルで開業するまでは、この建物をベーカリーとして貸していました。ですので、50年近くここにパン屋があり続けているということになりますね」(執行さん)
 同店の前の通りは生活道路で、隣近所には民家が立ち並ぶ。通りすがりで見つけられる立地ではないが、地域の人には周知されている場所のようだ。
 角地に建つ同店は、二方面から見える白いひさしが目印。外観はガラス張りで、様々な背丈の植物の鉢植えが配されて涼し気だ。また、所々にレトロなデザインの看板やタペストリーが飾られ、風情が感じられる佇まいとなっている。
 アンティーク調の木目が基調の店内も、天井まで届きそうな大きな背丈の観葉植物や、温かみのある色で照らすペンダントライト、壁を飾るいくつものドライフラワーなど、こだわりを感じさせるものが随所に配置されている。
 執行さんは祖父が開業した駒沢のベーカリーで10年間修業をする前、7年ほど内装業に従事していた。
 「店舗の改装作業は、元同僚と一緒に行いました。売り場を狭くして厨房を広くしたり、陳列棚を一枚板から作ったりしました。働く場所は自分が居心地がいいと思える空間にしたいと思ったので、店のインテリアは好きなものを集めた結果こうなった、というところですね」(執行さん)

一番人気は「あんバターフランス」

 売り場は、入口の正面に3段の冷蔵ショーケースがあり「アップルパイ」(税込380円)や「プリン」(税込280円)、「シュークリーム」(税込280円)、「シベリア」(税込280円)など8種類の生菓子が並ぶ。焼き菓子も充実しており、冷蔵ショーケース横に置かれたコーヒーマシンの隣のスペースに「パウンド フルーツ」(税込920円)などのパウンドケーキ4種類や、「ビスコッティ」(税込330円)、「全粒粉クッキー」(税込450円)、「カラメルアーモンドラスク」(税込250円)など約13種類が並ぶ。
 「駒沢の店で長い間菓子担当だったんです。当時もシュークリームやアップルパイは人気でしたね。アップルパイは、パイ生地に全粒粉を加えたり、リンゴフィリングに入れるシナモンやラム酒の量を調整したり、レシピを少し変えています」(執行さん)
 「カヌレ」(税込250円)は、5年ほど前に発売以来、人気が定着している商品。外はカリッと、中はもちっとした食感で、ラム酒の風味が豊かに香る。発売時カヌレは、世間でブームになる少し前だったため、同店で初めて見るという客が多かった。
 「娘が作り方を動画で見て興味を持ったのがきっかけで、実際作ってみたらおいしいし、作るのも楽しいなと思ったんです。品揃えに関しては、流行りに乗ることは考えていませんね」(執行さん)
 パンの種類も多く、一日70〜80種類が、外からもよく見える窓側の陳列台に並ぶ。総菜系は「玉子サンド」(税込190円)や「メンチカツ」(税込360円)などのコッペパンを使用したサンドイッチなど、20〜30種類ほどが朝の開店時から揃い、昼過ぎには半分以上売り切れる。13時頃には、「バゲット」(税込360円)や「ベーコンエピ」(税込250円)、「柚子パン」(税込240円)など、自家製酵母を使用したハード系と、同店一番人気の「あんバターフランス」(税込320円)が揃う。
 「あんバターフランス」は毎日30個ほど、周年祭などのイベント時には140個売れるという。こしあんとバタークリームがたっぷりサンドされたボリューム感ある見た目が食欲をそそる。パンは、軽い食感が特徴の山型食パン「デリカ」(税込360円)と同じ生地を使用。パンとこしあん、バタークリームが口の中で融合し、さっと溶けていくような味わいだ。
 「バターは、あんことよく混ざり合うように、板状にカットしてそのままのものではなく、練乳などを加えてホイップしたバタークリームにしています」(執行さん)



ドライフラワーやペンダントライトが飾られ、おしゃれな空間となっている売り場
天井まで届きそうな背丈の観葉植物やアンティークの色調の床や陳列台が店内を癒しの空間に変える
「パウンド フルーツ」(税込920円)などのパウンドケーキ4種類や、「ビスコッティ」(税込330円)など約13種類の焼き菓子が並ぶ
ジャマイカラムが豊かに香る「カヌレ」(税込250円)
皆が意見を出しやすい環境を重視

 現在製造は常時、執行さんとパート2人で行っている。開業から3年後位に現在の体制になり、品目数も70種類から現在の100種類に増えた。土曜日は平日の3倍近くの客数になり、遠方からの客も増えたので駐車場も完備した。
 「今も軌道に乗ったとは思っていません。食品事故のニュースを見て他人事ではないと自らを戒めたりして、毎日緊張感を持って取り組んでいます。お客様の期待に応えるためには、パンは毎日同じ品質で提供しなければならないと思っています。だからこそ仕事場の環境の良さは重要です。居心地がよく、ストレスをためることなく、皆が楽しく働ける場であるといいなと思っています」(執行さん)
 パートは総勢10人ほどおり、朝、昼、夕と交代で回している。学生もいるが多くが主婦で、パティシエ経験者もいる。
 「スタッフの皆さんの意見はとても貴重ですね。店主と従業員という垣根を取り払って、意見が出しやすい環境を作るように心がけています。商品開発では、試作品を皆で食べるのですが、発売するか否かを決める際は、おいしいこと以外に、再度の購入があるかどうかを基準にしています。その際の主婦目線のシビアな意見がとても役立っています」(執行さん)

SHOP DATA
店名:つばめパン
住所:〒194−0064 東京都町田市金森東3−22−9
電話:042‐738−7602
営業時間:午前8時〜午後7時
定休日:日曜
品揃え:約100品目
スタッフ:製造常時3人、販売常時1人
店舗面積:売り場約4坪、厨房約4.5坪
日商:15〜30万円



この記事の読みどころ

●初めての客が見つけにくい場所にあることが、地域への密着感をさらに高める。
●パン、洋菓子、焼き菓子のすべてが充実。
●大きな背丈の観葉植物が売り場を癒しの空間に変える。
●食品事故のニュースを見て他人事ではないと自らを戒める。



原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら