コンテストに入賞した製品の製造実演 - ベーカリー新製品開発コンテスト3回受賞者誕生記念 受賞作品実演セミナー(カリフォルニア・レーズン協会) - ブランスリー電子版


ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
講習会/2024年8月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


コンテストに入賞した製品の製造実演 - ベーカリー新製品開発コンテスト3回受賞者誕生記念 受賞作品実演セミナー(カリフォルニア・レーズン協会)
 カリフォルニア・レーズン協会(ジェフリー・マクニール駐日代表)は3月19日、「ベーカリー新製品開発コンテスト3回受賞者誕生記念 受賞作品実演セミナー」と題した製パン講習会を開催した。同協会が毎年行っている「カリフォルニア・レーズンベーカリー新製品開発コンテスト」のこれまでの入賞者3人が講師に招かれ、それぞれの受賞製品の製造実演を行った。具体的には、志津屋(京都府京都市)執行役員の小林健吾氏が「大地の恵み」などの、MOROPAIN(福岡県福岡市)の諸永裕士氏が「ニダベイユ オ レザン」の、クラブハリエ ジュブリルタン(滋賀県彦根市)の今井悠輔氏が「エキゾチック レザン」などの製造実演を行った。



大地の恵み
大地の恵み
(A)シナモンシュガーをまぶしたさつま芋スティックを巻き込んでなまこ形に成形
講師を務めた小林健吾氏
【配合%】
国産小麦粉 50
強力粉 50
セミドライイースト 0.3
牛乳(乳脂肪分4.0%以上) 70
脱脂濃縮乳 10
練乳 5
天然塩 2.2
無塩バター 10
ローストアマニ 5
戻し水 10
カリフォルニア・レーズン 60
ミネラルBMP/M-10(小田象製粉) 7
酵母エキスパウダー 0.2
ショートニング 2
パシナージュ(牛乳) 20

【工程】
ミキシング L3分M5分(天然塩、無塩バター投入)L3分M5分MH2分(パシナージュ投入)M2分(カリフォルニ・レーズン投入)L1分
捏ね上げ温度 24度C
フロアタイム 30分(パンチ)30分後、冷蔵6度Cでオーバーナイト
分割 300グラム
ベンチタイム 1時間
成形………❶生地を平たくのばす❷シナモンシュガーをまぶしたさつま芋スティック(30グラム)とむらさき芋スティック(30グラム)を巻き込む(A)❸(2)の生地をロールし、なまこ形に成形する
ホイロ 32度C75%1時間
焼成 上火220度C下火220度C25〜30分(スチーム注入)

※カリフォルニ・レーズンは牛乳に浸して一晩おく。
※ローストアマニは、2倍の量の水につけて戻しておく。
※さつま芋スティックとむらさき芋スティックは、安納芋と紫芋を低温のオーブンで1時間〜1時間30分焼き、皮を剥き、スティック状にカットして、シナモンシュガーをまぶしたもの。
小林講師のコメント 2007年の第16回コンテストで審査員特別賞を受賞した製品です。当時は健康志向が強く意識されていて、牛乳を入れたり、アマニを入れたりしています。ローストアマニはかなり水を吸うので、重量比で倍の量の水で戻してから使用します。さつま芋は洗って新聞紙にくるんでさらにアルミホイルにくるんで、140度Cで2時間ぐらいゆっくり焼くと、甘味が多く出ます。レーズンは前の日にレーズンの半量の牛乳につけておくと、仕込む当日には牛乳がすべてレーズンに吸い込まれた状態になります。レーズンが吸い込んだ牛乳の水分は、パン生地が窯に入ったときにパンの中に吐き出され、パンのしっとり感が増します。レーズンが入ったパンがパサパサになってしまうのは、レーズンがパン生地の水分を吸うからですが、あらかじめレーズンに水分をかなり多く吸わせておいて、窯に入れた時に逆にレーズンから水分が出るようにして、パンをよりしっとりさせるという作戦です。脱脂濃縮乳は、液体の脱脂粉乳です。熱処理をしていないので、風味がとてもいいのが特徴です。これをパン生地に入れたり、カスタードクリームに入れたりすると、旨味が出ます。ただ、入れすぎるとなぜか塩辛くなるので、ちょうどいい配合量を見極めることが大事です。



ニダベイユ オ レザン
ニダベイユ オ レザン
レーズンの漬け込み150グラムを散し、棒状に巻く
25分焼成後、蜂蜜キャラメルシート1枚を上面にのせ、さらに3分間焼成する
講師を務めた諸永裕士氏
【配合%】
強力粉 100
生イースト 3.5
食塩 2
上白糖 10
全卵 30
卵黄 10
牛乳 35
無塩バター 50

【工程】
ミキシング L3分(オートリーズ15分後、塩、生イースト投入)L4分LM6分(バター投入)L3分LM1分
捏ね上げ温度 24度C
発酵 27度C75%1時間(パンチ)30分後冷蔵5度Cでオーバーナイト
分割 300グラム(分割後冷蔵して30分休ませる)
成形 ❶生地を休ませながら12センチ×60センチにのばす❷▼蜂蜜バター30グラムを全面に塗る❸▼レーズンの漬け込み150グラムを散らし、棒状に巻く❹綴じ目に沿って縦に2等分する❺カット面が上になるように2つ編みにして渦巻き状に成形する❻直径21センチ、高さ2.5センチのタルト型に入れる
ホイロ 28度C75%1時間30分
焼成 上火180度C下火200度C28分(25分焼成後▼レーズンの蜂蜜キャラメルシート1枚を上面にのせ、さらに3分間焼成する。粗熱がとれたら刻んだピスタチオ3グラムを散らし、まわりに粉糖1グラムをかける)

▼蜂蜜バター
【配合%】
無塩バター 100
蜂蜜 50

【工程】
ポマード状にした無塩バターに蜂蜜を混ぜ合わせる

▼レーズンの漬け込み
【配合%】
カリフォルニア・レーズン 100
レモンピール 20
ラム酒 10

【工程】
材料を混ぜ合わせ、カリフォルニア・レーズンを1週間以上漬け込む

▼レーズンの蜂蜜キャラメルシート
【配合%】
無塩バター 100
グラニュー糖 100
蜂蜜 50
生クリーム 50
▼レーズンの漬け込み 150
アーモンドスライス(ロースト) 300

【工程】
❶無塩バター、グラニュー糖、蜂蜜を煮詰める❷色づき始めたら生クリームを加え、火を止める❸レーズンの漬け込み、アーモンドスライスを加えて混ぜる❹温かいうちに(3)の120グラムを、クッキングシートの上にのせ、直径20センチの円盤状にのばす❺(4)を冷蔵保管してシート状にする

諸永講師のコメント 2011年の第20回のコンテストでカリフォルニア・レーズン大賞をいただいた製品です。コンテストの時は、生地を棒状に成形したものを縦に半分に切って、それを渦巻き状に成形していたのですが、そのやり方では表面にむき出しになったレーズンが焦げてしまうので、現在自分の店で作るときは、棒状にのばした生地をさらに細くのばして、縦にカットせずにそのまま渦巻き状にして、表面にレーズンが飛び出さないようにしています。こうすることによって、レーズンを焦がさずに焼けるようになりました。また、レーズンの水分とバターの水分が焼成時にパンの中にとどまる度合いが大きくなるので、焼き上がってから時間がたっても、しっとりとした食感が持続します。焼成の段階で、9割程度焼き上がったら一旦窯から出して、キャラメルのシートをのせて再度窯に入れます。キャラメルが溶ける状態までオーブンの中で熱を加えて仕上げるという方法です。これはすごく効率がいい方法だと思っています。キャラメルのシートもまとめて作っておいて、毎日焼く分だけの個数を取り出してトッピングすれば手間がかかりません。キャラメルのシートをのせてからは、軽く加熱する程度なので、すでに焼いてあるパンの品質が変わることもありま



エキゾチック レザン
エキゾチック レザン
皮生地を綿棒でのばし中生地を包む
ホイロ後、粉を振ってジグザグにクープを入れる
講師を務めた今井悠輔氏
【配合%】
フランスパン用粉 30
石臼挽き粉 30
ライ麦粉(オーガニック) 10
食塩 2
インスタントドライイースト 0.1
▼ルヴァン種 30
▼ポーリッシュ種 60
モルト 0.4
水 35
漬け込みレーズン 100
桑の葉パウダー 1.5
ココナッツミルク 5

【工程】
ミキシング L5分ML6分MH1分(この段階で生地を850グラムと1100グラムに取り分け、850グラム生地には▼漬け込みレーズンを加えてさらにL3分、1100グラム生地には桑の葉パウダーとココナッツミルクを加えてさらにL3分)
捏ね上げ温度 25度C
発酵 28度C75%1時間(パンチ)1時間
分割 漬け込みレーズンを加えた生地→185グラム、桑の葉パウダーとココナッツミルクを加えた生地→55グラム、60グラム(185グラムに分割した生地と55グラムに分割した生地を重ね合わせて中生地とする、60グラムに分割した生地は皮生地とする)
ベンチタイム 30分
成形 ❶中生地を俵型に成形する❷(1)の上面以外の面を水で濡らして、ココナッツファインを付ける❸皮生地を綿棒でのばし、(2)を包む
ホイロ 28度C75%1時間10分(ホイロ後、オーガニックのライ麦粉とフランスパン用粉を1対1で混ぜたものを振ってジグザグにクープを入れる)
焼成 上火240度C下火210度C20分(スチーム多めに注入)後、上火220度C下火200度C15分

▼ルヴァン種
【配合%】
フランスパン用粉 100
ルヴァンスターター 0.5
水 55

【工程】
ミキシング L5分
捏ね上げ温度 28度C
発酵 28度C75%20時間

▼ポーリッシュ種
【配合%】
フランスパン用粉 30
インスタントドライイースト 0.1
水 30

【工程】
ミキシング 手捏ね
捏ね上げ温度 24度C
発酵 28度C75%1時間30分後オーバーナイト12時間

▼漬け込みレーズン
【配合%】
カリフォルニア・レーズン 100
パッションフルーツ果汁 20
パッションフルーツシード 10

【工程】
❶カリフォルニア・レーズンを軽く水で洗い、水気をしっかり切る❷(1)にパッションフルーツ果汁とパッションフルーツシードを混ぜ合わせる

今井講師のコメント 2015年の第24回コンテストでカリフォルニア・レーズン特別賞を受賞した製品です。桑の葉パウダーは苦味があります。エギゾチックな感じにしたかったので抹茶ではなくて桑の葉パウダーを使い、ココナッツミルクと組み合わせました。レースンにはパッションフルーツを合わせて、パッションフルーツシードでアクセントをつけています。甘いだけでもなく、苦いだけでもなく、酸っぱいだけでもない味にするため、全体のバランスを意識して開発しました。レーズンコンテストなのでレーズンをたくさん入れています。ただ、そうすると、レーズンの甘さだけが引き立ってしまうので、そこに酸味や苦みを加えると、全体の味がまとまって旨味に変わっていくのかなと思います。焼成の際は蒸気を多めに入れます。レーズンパン開発に当たっては、色々なところに旅行するときに出合った各地の特色のある素材を味わってみて、レーズンと組み合わせたらどうなるかなということに思いを巡らせます。パン以外の食品に使われている素材からヒントを得ることが多いと思います。



原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら