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| 特集/2024年8月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| パンのサブスク特集
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ただ以前と異なるのは、消費者側もパンに関する情報や知識をある程度主体的に持つようになってきた点だ。 「以前のようなお任せセットが今も好まれますが、自分の好みをある程度反映させたいという要望も強くなってきています。そのため通常便とは異なる新たな企画商品の開発も始めています。例えばホワイトデーや母の日、父の日などの記念日にパンセットをギフトとして送れる「パンスクギフト」を2月から開始しました。定期便とは異なり、贈る側が、何回届けるか、どの店のパンを届けるかを選べるため、用途によって使い分けられます」(矢野社長) 様々な新企画を積極的に展開する この夏は、猛暑で売り上げが低迷するベーカリーを救うための「パン救(すく)プロジェクト」を発足した。第一弾として夏でも冷たいままスイーツのように食べられる「ひんやりパンスイーツ」を期間限定で販売した。当初は対象期間内に、パンスクに新規登録した会員を対象に「パンスク」の定期便の1回分として届ける形での販売だった。好評を受けて「パンスクギフト」のサイトでも6月16日まで販売。「ひんやりパンスイーツ」がパンスクの通常便と異なるのは、複数のベーカリーのパンを詰め合わせている点だ。 「今まではパン屋さん巡りの擬似体験でしたが、これからは色々なパンを知ってもらって選んでもらいたいと思っています。パンにもっとスポットを当てた企画の展開を考えています」(矢野社長) 矢野社長が最近気になっているトレンドは、パンの具材として使われる惣菜に注目が集まっていることだ。 「自家製の惣菜や具を入れたパンが人気の店が増えました。そんな店がパンスクにも数多く参加しているので、会員の方にはこうしたパンの魅力を知ってもらいたいですね。また高加水生地のパンも注目度が高くなっています。消費者にはまだその魅力が十分に伝わっていないところがあります。高加水生地のパン特有のもちもち感や小麦の風味の深さを知ってもらい、新しい発見をしてもらいたいですね」(矢野社長) 地域経済の活性化と海外展開 パンフォーユーの拠点である群馬県出身の矢野社長にとって、地域経済の活性化は同社創業以来の最重要課題だ。 「地元ベーカリーの方達からはパンスクに参加した事で、閑散期も含めて一定の売り上げが確保できるようになり、広い範囲で店を知ってもらう事につながった、製造の効率化やロスの削減にもつながったという声を頂いています」(同社広報) 矢野社長は「『パンスク』に参加する地方のベーカリーからは、以前と違って、高価格帯の商品も出せるようになってきたという声をよく聞きます。徐々に地方と都会の垣根がなくなってきているのかもしれませんし、そうであればと思います」と話す。 一方で、同社は、新たに海外での展開も開始している。今年6月からは第一弾としてシンガポールへ向けて、観光地として人気が高い京都のベーカリーのパンを入れた冷凍宅配便「PANSUKU Box Kyoto」の販売を開始した。 「海外では、個人向けの冷凍宅配サービスが普及していない国が多いのですが、シンガポールは例外でした。それがシンガポールを選んだ理由です。カフェ文化が浸透し日常的にパンを食べる習慣があることも、市場として魅力的でした。今後は、定期便の展開も視野に入れています」(矢野社長) COMPANY DATA 会社名:パンフォーユー 住所:〒376‐0031 群馬県桐生市本町5‐368‐9 電話:0277‐88‐9133 社長:矢野 健太 設立:2017年1月 設立目的:新しいパン経済圏を作り、地域経済に貢献する | ||||||||||

| 冷凍パンのサブスク事業を強化 - 神戸屋 | |||||||||||||||||||
神戸屋(本社・大阪府豊中市)は、コロナ禍にともなう市場環境の変化を経て、パンやスイーツのEC通販「神戸屋オンラインストア」を2022年の4月に開始した。同年11月には全国各地のベーカリーから冷凍パンのセットを届けるサブスクサービス「毎月PANDA!」も開始した。同社は昨年3月に完了した包装パンの事業譲渡以降は、オンライン事業を成長分野としてとらえ、現在「毎月PANDA!」と「神戸屋オンラインストア」と双方で、サブスクサービスの展開に力を入れている。 「『毎月PANDA!』は弊社社長である桐山晋による『これから100年のパン業界全体を盛り上げ、パンの市場価値を高めたい』という考えに基づき発案されたものです。弊社が品質の高さを認め、自信を持って消費者におすすめしたいと思えるパンを提供する全国各地のベーカリー22店にご参加いただいています。オーナー様のご理解を頂きつつ、弊社がフローズン事業で培った冷凍技術についての知見を生かし、良き伴走相手にさせていただいているのではと思います」(「毎月PANDA!」と「神戸屋オンラインストア」の責任者を務める松田裕也さん) 一方、「毎月PANDA!」より先駆けて通販を開始した神戸屋オンラインストアは、直営店である神戸屋レストランでの人気メニューを詰め合わせたセットを提供するなどして、通常の通販を中心に行っているが、注文者が選んだ6種類のパンのセットを定期的に届けるサブスクのサービスにも注力している。 「『神戸屋オンラインストア』は、全国各地へ神戸屋のパンを届けていきたいという思いで開始しましたが、朝食用途のパンだけではなく、食事の中で様々なメニューと合わせる食べ方を提案していきたいという思いから定期便でのセット販売も始めました。現在、近所にベーカリーがない方や離れて住む高齢の両親へのギフトなど、これまで見られなかった需要も取り込み、好評を得ていると感じています」(神戸屋オンラインストア運用担当の内藤祐佳さん)。 パンとの出合いを広げてもらう 松田さんによるとコロナ禍を通じてネット通販のニーズが高まり、移動制限が解除されてからも定着している感じはあるという。しかし同社が実施した市場調査によると、パンのサブスクやオンラインストアでかなり品質の高い冷凍パンが買えるという事はまだ25%位の人にしか認知されていないという結果が出たという。 業界の活性を目的とする「毎月PANDA!」は松田さんのほか2人を含む3人のメンバーで発足。メンバーが実際に現地へ赴いて声をかけるなどして加入してもらった各地の提携ベーカリーが作った冷凍パン7〜9個を、各ベーカリーが箱に詰めて登録会員へ発送する。購入者である登録会員に対しては届くまでどこのベーカリーからのパンセットか伝えず、会員は箱が届いてからパンと一緒に封入された店の紹介カードを見て店の事を知る事ができるという仕組みだ。 パンは各加入ベーカリーで粗熱がとれたくらいの焼きたての状態のまま冷凍し、神戸屋が包材メーカーと協力して開発した冷凍耐性があってパンの品質保持効果がある袋に入れてもらったものなので、自然解凍後リベイクすれば焼きたてと変わらない味わいで楽しめるという。 料金は送料込みで4500円。カードには送られたパンのおいしい食べ方なども記され、実際にその店を訪れたような気持ちで楽しみながらパンを食べる事ができる。 「『毎月PANDA!』という名前には、届いた箱を開いた時の新しいパンとの出合いを、嬉しさや驚きとともに『パンだ!』と思って欲しいという思いを込めたものです」(同社広報) 自らも「毎月PANDA!」のユーザーとして会員登録しているという「毎月PANDA!」発足メンバーの一人で運用担当の吉田明霞(あきか)さんは「『毎月PANDA!』に加盟していただいているベーカリーは皆、作るパンの品質が高いだけではなく、自分の店やパンに対する思いがとても強く、パン業界を盛り上げていきたいという私共神戸屋の思いに深く共感して頂ける方達です。神戸屋とは違う個性でそれぞれの高い技術や感性を生かした店舗運営をされているのですが、製造に多くの時間を取られるため、販売促進や知名度向上のための時間をとることが難しいというご事情を抱えているお店もあります」と話す。 商品を受け取った登録会員からは「普段なかなか行けないような場所の店のパンが食べられて嬉しい」「冷凍パンに対するイメージが変わった」という声が寄せられているという。 | |||||||||||||||||||
「同じサブスクでも『毎月PANDA!』。の場合は、情緒的にパンを楽しんでもらう要素が強いですが、『神戸屋オンラインストア』のほうは、サブスク特有の機能的なメリットを提供することで新しい需要を取り込む狙いがあります」(松田さん) 「神戸屋オンラインストア」の場合、購入者層の属性は実店舗の購入者層の属性と大きくは変わらないが、「フッツェルブロート」のような実店舗ではあまり売れていない商品がかなり売れることもある。 「フッツェルブロート」は中にドライフルーツとクルミがぎっしりと詰まった菓子パンで、定期便の中には含まれていない。しかし、ギフト需要はかなり高く、「神戸屋オンラインストア」で、さらに多くの人達に知ってもらうことで、販売数量の増加が期待できるという。 「サブスクやオンラインストアの認知度をさらに高めて、登録会員を増やしていきたいという思いはありますが、サブスクやオンラインストアでの購入体験をきっかけに、リアルの店舗に足を運んでくれる人を増やしていくの今後の目標です」(松田さん) サブスクサービスを進めるにあたっては、『パン好きの人に届けたい』という思いの部分にこだわっていきたいという。 一方で、例えば高加水生地のパンなど、冷凍耐性が高くオンライン通販と相性が良いもので、まだ十分に販促が出来ていないものもあるという。 「オンラインショップも、リアルの店舗の販促のように、インパクトのあるものをどんどん取り入れていきたいと思っていて、そこをどうするかが今後の課題ですね」(松田さん) COMPANY DATA 会社名:神戸屋 住所:神戸屋〒560‐0083 大阪府豊中市新千里西町1丁目2番2号 社長:神戸屋桐山晋 創業:神戸屋1918年 資本金:神戸屋1億円 事業内容:神戸屋パン・洋菓子・冷凍生地・冷凍パンの製造販売、並びにベーカリーレストランなど各種業態直営店舗の企画開発・運営 | |||||||||||||||||||
| ロスパンのサブスクが反響を呼ぶ - クアッガ | |||||||||||||||||||
クアッガ(東京・墨田区)が運営するロスパンの通販サイト「rebake(リベイク)」では、2023年から提供しているサブスクサービス「rebake定期おたのしみ便」が大きな反響を得ている。 「rebake」は各地の登録ベーカリーから売れ残ったロスパンを、購入を希望する会員へ販売するロスパン専門のEC通販プラットフォーム。2018年10月にサービスを開始し、登録店舗は現在1500店以上を超えるが、そのうち50〜100店ほどが「rebake定期おたのしみ便」に参加しているという。 同定期便は「rebake」側が一定の基準を設けて厳選した全国各地のベーカリーからのロスパンのセットが、指定した日に指定した間隔で届くサブスクリプションサービス。どのベーカリーのパンが届くかは、「rebake」の運営者がその都度お勧めの店を選んで決定し、会員が指定することはできない。 「ロスパンもお楽しみ便にする事で、どのベーカリーのロスパンを希望していいかわからないという会員ユーザーと、タイミングやベーカリー同士の競争の関係で満足度は高いのにロスパンをなかなか消化する事ができないという店を繋ぐ事ができます。目立たないが『rebake』スタッフがあえておすすめしたいと思うような店も組み入れてファーストコンタクトをとってもらう事で、リピートしてもらう機会を広げてもらいたいと考えていますね」とクアッガ代表の斉藤優也さんは話す。 3年で発送数が4万件を突破 同サービスはもともと「rebake特急おたのしみ便」として単発で購入するサービスだったが、好評につき昨年からは定期便として届くサブスクサービスへ内容を拡大。この7月には、定期便になる前の「特急おたのしみ便」の頃からのものも含めて3年で発送数が4万件を突破したという。 「パンに限らない話ではあるのですが、この数年で、通販で食品を購入するという事自体が浸透してきていて、それを生活の中に組み込む消費者の能力も高くなってきているように思いますね。タイミング悪く同時に複数の通販を頼むと冷凍庫に入らずロスが発生してしまいますが、そうならないよう届く日時をずらしたり、計画的に生活の中に取り入れていく力がなんとなく上がってきているのかなという感じがします」(斉藤さん) ロスパンから生まれるもの ただ「rebake定期おたのしみ便」のようなサービスは通常のサブスクとは違う。消費者にとっては日時指定ができる便利さがあるが「オペレーションを組む側からすると、その日の夕方6時に発生したロスパンをその日の夜8時までに誰に送るか決めて手配しなくてはなりません。臨機応変な対応が必要で大変です」(斉藤さん) それでも、「rebake定期おたのしみ便」に対する反響は大きく、定期便を通じ他のロスパンの単発購入につながるケースも多いという。 斉藤さんは、登録ベーカリーには、「丁寧な接客をする事がオンライン販売でも良い結果を生むために重要なこと」と伝えている。 「パンの好みはお客様ごとに異なるのでなかなか合わせづらいし、そのパンの価値がどれくらいあるか、背景とかストーリーで話しても伝わりづらいことってあると思うんです。だったらとりあえず『お好みに合うかわからないですが、なるべく貴方に寄り添えるものになるよう願って送ります』という感じで丁寧に接客することで、好感を持っていただけたら、結果的に作ったパンも楽しんで満足してもらえるかもしれません。我々はその手助けをしたいと思いで、頑張っている感じですね」(斉藤さん) 「rebake」の今後の目標は売り上げの拡大といった数値的なことではないという。ロスパンを削減し地球環境・自然環境の様々な問題を解決することが最終目標だという。 「ロスパンというものの性質上、売り上げは無限には増やせないと思っています。それよりも一つ一つのパンを必要とする人になるべく過不足なく届けたいと思っています。それによってパンを受け取った人が幸せを感じ、パンを作った人も余ったパンを廃棄する事で心を傷めるようなことがなくなります。そういった社会の仕組み作りに貢献していきたいという気持ちでやっていますね」(斉藤さん) COMPANY DATA 会社名:合同会社クアッガ 代表:斉藤優也、鶴見和俊 住所:〒131‐0041東京都墨田区八広1-2-10 設立:2018年8月 事業内容:パン廃棄の削減サービス事業、食に関するコンサルティング事業 | |||||||||||||||||||
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
































