パンのできたてでの提供はずっと守っていきたい - パンステージ リップル / - ブランスリー電子版


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お店拝見/2024年4月号

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パンのできたてでの提供はずっと守っていきたい - パンステージ リップル
店主の折尾康成さん
JR辻堂駅南口から約900メートルのところに「パンステージ リップル」はある。建物裏に専用の駐車場がある
入ってすぐ目に入る場所に並ぶのは、「白玉入りさくらあんぱん」(税込190円)や「いちごのデニッシュ」(税込380円)などの季節商品や、一番人気の「自家製カレーパン」(税込260円)など
こまめに揚げたてが補充される「自家製カレーパン」とその断面
濃厚で滑らかな舌触りの自家製カスタードクリームを包んだ「リップルのクリームパン」(税込230円)とその断面
売り場は吹き抜けで、天井と2階の壁には、青い空に雲が浮かぶ様子を描いた壁紙が貼られている
県内で二度の移転を経験する

 神奈川県藤沢市のJR辻堂駅南口から約900メートル、海水浴場へと続く通りを直進したところに「パンステージ リップル」はある。同じ通り沿いにはカフェなどの飲食店が点在し、周りには住宅が立ち並ぶ。店舗の建物裏には15台分の専用駐車場がある。
 同店は平塚市からその隣の茅ヶ崎市へ移転し、さらに現在の地である藤沢市へと2度目の移転をした。神奈川県内を西から東へ2度移転したことになる。店主の折尾康成さんは、これまでの経緯をこう振り返る。
 「平塚では16年間営業しました。茅ヶ崎への移転は、当時一緒に働いていた父と母の引退がきっかけです。そして茅ヶ崎に移ると、7年目のときに借りていた駐車場が使えなくなってしまいました。駐車場がなくなると、途端に売り上げが前年比2〜3割落ちてしまったので、すぐにまた移転を考えて物件を探しました。それで茅ヶ崎では9年間の営業後、駐車場とイートインスペースが確保できる今の場所に移転したんです」
 以前は不動産屋が入っていたという2階建ての建物は、一軒家のような見た目の外観だ。店内に入ると、2階の天井まで吹き抜けになった解放感ある空間が広がる。2階の壁と天井は、青い空に白い雲が浮かぶ模様の壁紙で装飾され、まるで晴れた空のもとにいる気分になる。
 「昨年、移転後10周年を迎えたのを機に改装したんです。海が近い場所ですから、海にぴったりな青い空にしようと、元々茶や白だった壁の色を変えました。お客様には、いつでも晴れの気分で買い物していただけたらと思っています。改装は昨夏に一週間休業して行い、エアコンやオーブンなども新調しました」(折尾さん)
 売り場には約120種類ものパンが並ぶ。入ってすぐ目に入る場所に置かれた平台にあるのは、「白玉入りさくらあんぱん」(税込190円)や「いちごのデニッシュ」(税込380円)、「いちごのブリオッシュ」(税込290円)などの色鮮やかな季節商品。このほか「北海道産小麦フランスパンバゲット」(税込310円)や「北海道産小麦フランスパンブール」(税込220円)など食事系の定番商品や、一番人気の「自家製カレーパン」(税込260円)などが並ぶ。
 「自家製カレーパン」のカレーは毎日150〜200個分を作り、3〜4日寝かせて味を落ち着かせてから使用している。辛さは子どもにも食べられる程度に抑え、隠し味を工夫したり、トマト缶を入れて煮込むことで味に深みを出している。
 「季節商品はいつも4〜5品ほど用意しています。毎年恒例の商品もあり、発売の時季を楽しみにしてくださっているお客様もいます。また、フランスパンに限らず、当店のパンに使用している小麦粉は、北海道産をメインに、国産を使用しています。国産小麦を使う理由の第一は、お客様に安心感を持ってもらえることですね。国産小麦ならではのもちもちとした食感を活かす味わいに仕上げています」(折尾さん)

注文後に揚げるサービスも人気

 折尾さんがパン作りにおいて最も大事にしていることは、できたてを提供することだ。
 「お客様に喜んでもらいたいですからね。朝まとめて焼いて終わりではなく、一日中、少数ずつに分けて何度も焼き上げていくことで、常にできたてのパンを味わっていただけるようにしています。パンのほとんどは、平日なら8個ずつ、時差を設けて3回くらい焼き上げるようにしています。できたてを提供することはこれからもずっと守っていきたいと思っていることです」(折尾さん)
 一番人気の「自家製カレーパン」は一度に揚げる数は10個。土日など多いときは1日に300個ほど売り上げるが、そんなときは15個ずつ。また、ドッグパンにコロッケをサンドした「コロッケパン」(税込250円)のコロッケは、客が注文するごとに揚げるというサービスを行っている。



皮がほろほろっと軽い「メロンパン」(税込230円)とその断面
「野沢菜のおやき」(税込240円)などの焼き込み調理パンが並ぶ陳列棚。丸枠内は「野沢菜のおやき」の断面
自家製のナポリタンをたっぷりサンドした「ナポリパン」(税込210円)とその断面
厨房が売り場からよく見える。売り場に近い場所にオーブンがあり、焼き上がったばかりのパンがラックに並ぶ
これまでの経験を活かしスタッフを大事にする

 現在の製造スタッフの人数は平日は8人、土日は10人。そのうち3人が、カンボジアやインドネシアなど外国出身者だ。
 「皆さん個人的に応募してきてくれました。長い人は勤続10年です。今年2年目の人は最初片言しか話せませんでしたが、最近はかなり話せるようになりましたし、仕事も頑張ってくれています」(折尾さん)
 店舗の2階はイートインスペースだったがコロナ禍に使用を中止した。それ以来、イートインスペースはない状態でテイクアウト専門で営業しているが、実は現在、2階は別の使い方をしている。
 「スタッフの休憩所として使うようにしたんです。それまでは更衣室の狭いスペースで休むしかなかったので。今はイートインを再開したい気持ちはあるのですが、皆がゆっくり休めている様子を見ると、休憩所としての使用はやめられないですね。私たちにとって休憩はとても重要ですから」(折尾さん)
 折尾さんは38年もの長い間、パン職人として働いてきた。しかし最初に一度挫折しているという。
 「新卒でベーカリーに入社して2年半働いて辞めました。この世界の厳しさを身をもって知り、挫折してしまったんですね。その後別の仕事に就いて3年経った頃、父から一緒にやろうと誘われて再出発です」(折尾さん)
 平塚から茅ヶ崎への一回目の移転時、店の規模をほぼ倍にし、スタッフも増員した。
 「当時は、スタッフから言い方がきついなどと言われて、反省する日々でした。今ではプレッシャーを与えないよう、丁寧に話すように心がけています。しかし、すべき注意は、すぐにするようにしています。また、良いと思ったことは、しっかりほめるようにしています」(折尾さん)

SHOP DATA
店名:パンステージ リップル
住所:〒251−0047 神奈川県藤沢市辻堂6−3−9
電話:0466‐53−7353
営業時間:午前8時〜午後6時
定休日:月曜
品揃え:約120品目
スタッフ:製造常時7〜10人、販売常時2〜3人
店舗面積:売り場約20坪、厨房約20坪
日商:平日約30〜40万円、土日約70〜80万円 



この記事の読みどころ

●駐車場がなくなると、途端に売り上げが前年比2〜3割落ちてしまった。
●2階の壁と天井は、青い空に白い雲が浮かぶ模様の壁紙を貼り、晴れた空の下でパンを買う気分を味わってもらう。
●「コロッケパン」のコロッケは、客が注文するごとに揚げる。
●ほとんどのパンは、8個ずつ、時差を設けて1日3回くらい焼く。



原価計算女王
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