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| 連載/2023年12月号 |
2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。
| ベーカリーのオーナーシェフは、ひとつの価値観で結び付いた小さなコミュニティーのリーダーになるべきだ。 - 普通のパン屋さんが普通に頑張れば繁盛出来る話(78) | |
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今回の消費者アンケート企画は「消費者はパン屋選びにSNSをどう使っているか?」のテーマで実施しました。「あなたは、フェイスブック、インスタグラム、ツイッターなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)でパン屋さんのページを見て、パンを買いに行くことがありますか?」との質問に対し、約半数の回答者が「よくある」または「たまにある」と答えています。
SNSは、地域を限定した情報発信にも相性がいいことから、インスタグラムやツイッターなどを利用して、顧客をファン化し、大きな成功を収めているベーカリーは少なくありません。 消費者がパン屋選びにSNSを使う理由は多岐にわたります。写真が多く掲載されていることで感覚的な理解が可能なことや、投稿者である店のオーナーやスタッフの人となりがわかることも魅力になっているようです。また、動画も数多く掲載されているので、店や商品の雰囲気が写真だけの場合と比べてより伝わりやすいのも、大きなポイントのようです。さらに、新製品の情報、定休日や営業時間などの情報が簡単に得られるのも喜ばれています。 このように多くの消費者は、パン選びにSNSを使用していることから、ベーカリーはSNSを通して、あまりコストをかけずに自分が対象とする消費者に対して、店の情報を発信し、様々な価値観を彼ら彼女らと共有することができます。 さて、ベーカリーが店の情報を発信して、その価値観を顧客と共有するということは、そのベーカリーを中心とした小さなコミュニティーを作るということでもあります。例えば、地域の農産物や海産物を使ったパンを作って販売することで、地域の振興を図るという目的意識を持ったベーカリーであれば、その価値観に基づいて作ったパンについての様々な情報を発信し、顧客との理解を深め合うことができます。そして、同じ価値観で繋がった小さなコミュニティーができ上がります。要するにそのベーカリーのオーナーシェフをリーダーとする小さなコミュニティーです。その中では、オーナーシェフと個々の顧客とのコミュニケーションがあり、さらには、顧客同士のコミュニケーションも生まれてくるでしょう。 そうなってくると、顧客の中には、ただ単にそのベーカリーのパンが好きだというだけではなく、そのベーカリーに対する特別な愛着がわいてくるでしょう。さらには、そのベーカリーに対する忠誠心のようなものも出てくるかも知れません。 このロジックは、あらゆる分野で成り立っています。話は少し飛躍しますが、例えばアイドルグループです。彼女たちは、全国レベルでどんなに有名になっても、日本各地で行うコンサートが終わった後のファンと交流を、ことのほか大切にします。1000人のファン一人ひとりと言葉を交わし、握手をするという話をテレビで聞いて、私は涙ぐんでしまいました。 アイドルグループには、腕利きのプロデューサ―がいますが、SNS全盛の時代には、腕利きのプロデューサ―は必ずしも必要ありません。自らがプロデューサ―になればいいのです。 SNSの登場により、細分化された価値観で深くつながった小さなコミュニティーが全国に無数に生まれています。一昔前までは、かなり大きな枠に最大公約数的な価値観をはめ込んだ少なくとも数十万人以上に響くよなコミュニティー、つまりは全国的なトレンドを生むようなコミュニティーしか、多くの人の目に触れることはありませんでしたが、今やニッチな世界のマニアックな価値観で結び付いた数百人規模のコミュニティーも容易に探し当てることができるようになりました。また、そうしたコミュニティーを作ることも容易になりました。そして、そうしたコミュニティーのリーダーが求められています。そんな中で、ベーカリーのオーナーシェフは、その有力な候補生であるわけです。 私の私見ですが、インスタグラムで3000人のフォロワーがいるベーカリーは、今後10年間は安泰ではないでしょうか。(RO) |



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