東京VS大阪VS名古屋 - ブランスリー電子版

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特集/2002年5月号

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東京VS大阪VS名古屋

立体的に徹底分析! - 売れ筋商品調査総集編(1)

東京、大阪、名古屋のベーカリーに、売れ筋商品などについての質問をぶつけて得たデータから、3地域間の傾向の違いなどについて考えてみた。東京はハード系、大阪は菓子パン、名古屋はハード系と菓子パンに、それぞれべーカーが関心を持っているという大まかな傾向が認められた。

調査の方法
本誌2002年1月号、同2月号、同4月号の調査企画で得たデータを使用した。
電話帳から東京都内、大阪府内、愛知県名古屋市のベーカリーをそれぞれなるべく無作為に選び出し、電話とFAXでアンケートを依頼した。基本的に電話での聞き取りの形で実施したが、一部は、FAXでアンケート用紙を送付し、回答してもらった。回答したベーカリーは91軒。
主な質問事項は「定番商品で、よく売れているパンを2つか3つあげてください」「流行の商品(もしくは最近出した商品)で、売れているものを2つか3つあげてください」「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理パンも含む)(5)デニッシュ類、のうちよく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」など合計11項目。



東京、大阪、名古屋のデータ

●「定番商品でよく売れているパンを2つか3つあげてください」(有効回答ベーカリー数91)
東京 「食パン」が11軒と最多。「カレーパン」の6軒、「ホテルブレッドの」の5軒、「山食」の4軒、「パン・ド・ミ」「クリームパン」「あんパン」の3軒ずつと続く。(グラフ1)
大阪 「メロンパン」と答えたベーカリーが11軒と最も多かった。「あんパン」の8軒、「食パン」の7軒、「ピザパン」「カレーパン」「サンドイッチ」の4軒ずつなどと続く。(グラフ2)
名古屋 「食パン」が13軒で最多。「メロンパン」の8軒、「クリームパン」の7軒、「バゲット」の4軒、「クロワッサン」「あんパン」の3軒ずつと続く。(グラフ3)
●この質問に対する回答をパンのカテゴリー別にまとめてみると―。
東京 「食パン類」29軒、「ハード系」(ソフトフランスなども含める)16軒、「菓子パン類」9軒、「調理パン類」(焼き込み調理パンも含める)14軒、「デニッシュ・クロワッサン類」5軒。(グラフ5)
大阪 「食パン類」14軒、「ハード系」(ソフトフランスなども含める)6軒、「菓子パン類」30軒、「調理パン類」(焼きこみ調理パンも含める)15軒、「デニッシュ・クロワッサン類」7軒。(グラフ6)
名古屋 「食パン類」32軒、「ハード系」(ソフトフランスなども含む)16軒、「菓子パン類」26軒、「調理パン類」(焼き込み調理パンも含む)4軒、「デニッシュ・クロワッサン類」6軒。(グラフ7)(同じベーカリーが同一カテゴリーの違う2つのパンをあげた場合は2軒と数える)
●「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理パンも含む)(5)デニッシュ類、のうち、よく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」
東京 「食パン類」21軒、「ハード系」6軒、「菓子パン類」15軒、「調理パン類」(焼き込み調理パンも含める)10軒、「デニッシュ類」6軒。(グラフ9)
大阪 「食パン類」17軒、「ハード系」5軒、「菓子パン類」18軒、「調理パン類」(焼き込み調理パンも含める)8軒、「デニッシュ類」2軒。(グラフ10)
名古屋  「食パン類」21軒、「ハード系」5軒、「菓子パン類」13軒、「調理パン類」(焼き込み調理パンも含める)15軒、「デニッシュ類」4軒。(グラフ11)



東京、大阪、名古屋のデータを比較する。

東京、大阪、名古屋のデータを比較してみよう。
「定番商品でよく売れているパンを2つか3つあげてください」=質問A=との質問に対する回答について、東京の場合、食パンとハード系のパンをあげたベーカリーが多いが、大阪は逆に食パンとハード系が少なく、菓子パンが最も多くなっている。
名古屋については、食パンとハード系が多く、両者の割合も東京と似ている。一方で菓子パンも多く、この点で大阪とも共通する。
「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理パンも含む)(5)デニッシュ類、のうち、よく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」=質問B=との質問に対する回答についてみてみると、東京、名古屋は、「ハード系」と答えたベーカリーが、質問Aに対する回答と比較すると、少なくなる。一見矛盾するかのようだ。
質問Bに対して「ハード系」と答えたベーカリーが比較的少ないのは、大阪も同じだが、大阪は質問Aに対しても、「ハード系」と答えたベーカリーが少なかった。
東京は質問Aに対して、菓子パンの名前をあげたベーカリーが比較的少なかったが、質問Bに対たいしては、「菓子パン類」と答えたベーカリーが比較的多かった。



データからいろいろと類推してみる。

以上のことなどから類推すると、東京のベーカリーは食パンとハード系のパンに対しての意識が強いようだ。
特にハード系に対する意識の強さについては、その裏づけとなるコメントが数多く聞かれた。
「柔らかいパンから、ハード系のパンへお客様の好みが移行しているように感じる。お年寄りの方でも意外とハード系を好んだりする」(世田谷区のベーカリー)、「最近ハード系のパンの販促に力を入れている。試食提供や食べ方の提案に努めている」(世田谷区の別のベーカリー)などといった声が聞かれ、ハード系へのニーズが少しずつ高まっていることを感じながら、ハード系を積極的に提案している様子が伺われた。
大阪のベーカリーは菓子パンに対する意識が強いようだ。
「流行の商品(もしくは最近出した商品)で売れている商品を2つか3つあげてください」との質問に対して、菓子パンをあげたベーカリーが圧倒的に多かったことからも、納得できる。
同じ質問に対して、東京のベーカリーは、「ハード系」と「菓子パン類」がほぼ同数だった。
「甘いパンやケーキっぽいものとか、飾りが多いものとかが好まれるようだ」(大阪府富田林市のベーカリー)などといった声が聞かれた。
一方、名古屋のベーカリーはハード系と菓子パンの両方を意識していると思われる。「定番商品でよく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問に対して、食パン類とハード系が多い点で東京と共通し、菓子パン類が多い点で、大阪と共通している。
名古屋のベーカリーにもハード系に対する思い入れが強いベーカリーは多い。
アンケートに回答した名古屋のベーカリーから「カンパーニュやライ麦パンの動きが少しよくなってきたような気がする」「ハード系のパンが少しずつ動き出した気がする」などといった声が聞かれた。

提供する側の的確な訴求活動が大切

「(1)食パン類(2)ハード系(3)菓子パン類(4)調理パン類(焼き込み調理パンも含む)(5)デニッシュ類、のうち、よく売れる(売上が多い)ものを2つあげてください」との質問に対する回答には、「定番商品でよく売れているパンを2つか3つあげてください」との質問に対する回答の場合ほど、3地域間で、際立った違いはみられなかった。
「食パン類」と「菓子パン類」が多いのは、東京、大阪、名古屋とも同じで、5カテゴリーの割合も比較的類似している。
「定番商品」に関する回答については、パンを提供する側のベーカリーに様々な思いがあり、各地域間でおおまかな傾向の違いとして現れた格好といえるが、パンのカテゴリー別売上に関する回答については、各カテゴリーの実際の販売量の割合は、3地域間で比較的類似しているということを示唆しているといえる。
しかし、提供する側が生活者の購買行動を注意深く観察した上で、的確な訴求活動を続けていったとき、ニーズが変化する可能性は十分にあるともいえる。

原価計算女王
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