目標が達成された時の世界を明快に語ることが大事 - 私の販売集大成ノート(30) - ブランスリー電子版

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連載/2023年9月号

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目標が達成された時の世界を明快に語ることが大事 - 私の販売集大成ノート(30)
 「私の販売集大成ノート」は、私がポンパドウルの販売職として勤務した30年の間に感じた事や実践した内容を集約したものである。

組織に属すことを切望するようになっていた

 20代前半はフリーランスとしてTVドキュメンタリー番組の制作に携わった。国内は素よりヨーロッパのほか、アフリカ、東南アジアの経済的に開発途上にあった国々を取材して回った。
 どの国でも人々はその日その日を、各々の文化や習慣に沿って懸命に生きていた。一つ一つ新たな歴史を作り上げていた。人間観察には最適のフィールドであったが、そんな生活を10年続けている内に、何故か猛烈に組織が欲しくなり、日を重ねる毎にその欲望は大きくなるばかりであった。
 そんな折にポンパドウルに巡り合うことになる。私の大きなターニングポイントであった。1978年9月の事である。

持てる技術を効率よく稼働させて利益を生む

 創業10年目で成長過程にあった真新しい組織は、いつも何かが何処かで動いていた。不完全なままで愚図愚図動いていたが、注いだ力以上の成果を常に生み出していた。
 利益獲得を目指す企業組織は「うまくいけば、余るものが出て、それを分け合う」事を継続して実践していた。持っている技術を効率よく稼働させて高品質な製品を作り、無理、無駄を排除しながら製品提供を行なった。結果として得た利益は、各々の役割の達成度合によって分配された。
 そこに有る物を使わない、有る物を使い過ぎる、使える物を捨てるという行為は、「勿体ない」ことだ。ポンパドウルが重視していた生産性の向上やロス削減の精神には反する行為である。

まだ見ぬ明日を薄っすらと見通す事ができた

 誰も明日を生きた事はない。将来の確実な事は誰にも何も分かっていないが、様々な情報を基に予測すると、薄っすらと見通せるものがある。それは今迄と全く異なる新しいシステムが広がり、新たなものが次々に現れては消えて、スクラップアンドビルドによる進化が加速する世界である。

何が起こるかわからない中での「安心」を得る

 全世界を混乱に巻き込んだコロナ禍は、「すべての人に、すべての事が起こる」という事を実証した。心配のない「安心」と、身に危険のない「安全」を担保する方法を見つけなければならない。何が起きても耐えて持続させる企業とする為、リスクマネジメントやクライシスマネジメントの重要性を真摯に受け止める必要がある。
 正しく効率的に組織機能を動かす為に、情報の必要性は今迄以上に増すだろう。情報収集を行い共有し、整理し分析して、対応策を出して発信するという一連の流れは、今までも幾度となく触れてきたが、もう一度指摘しておきたい。

明解なる目標を周知徹底させる覚悟と行動力

 様々なスタイルのリーダーシップに巡り合うチャンスに恵まれた。望まれるリーダー像について最後に述べたい。
 先ず明解でブレない目標があること。それを周知徹底させる強い覚悟と行動力があること。目標が達成された時の世界を明快に語ること。達成された世界が可視化されれば尚のこと望ましい。
 そうしたリーダーの下での各スタッフは、各々が果たすべき自らの役割を深く理解し、成果に結び付けるだろう。
 今迄接してきたリーダー諸氏が他を圧倒するような情熱を持っていたように、絶える事のない情熱を持ち続けて欲しい。
 人が人を引き付けるのは、その人が持つ情熱ゆえなのだ。ポンパドウルの先人の方々は身をもってそのことを教えてくれた。

パン業界が食文化に寄与できることを信じて

 3年に亘った「私の販売集大成ノート」は今回をもって終了と致します。各方面からのご協力やご支援に深く感謝いたします。
 今後の食品業界、ベーカリー業界が食文化に寄与出来る事を信じて、大きな期待を持って見続けたいと思います。
 以上をもって当連載は「閉店」とさせて頂きます。有難うございました。

 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。









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