新商品開発より既存の商品のブラッシュアップが大切 - 星天会2023夏期講習会 - ブランスリー電子版

2026年10月21日に公表されたPHPの脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)については、いずれも対策を完了しています。

ブランスリーアーカイブ(創刊号からの全記事)
記事の閲覧
<<戻る写真をクリックすると拡大写真が見られます。
講習会/2023年7月号

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。


新商品開発より既存の商品のブラッシュアップが大切 - 星天会2023夏期講習会
宮下真彦講師
 ホシノ酵母を使ってパンを作るベーカリーなどの団体、星天会(星野修会長)は5月18日、千葉県船橋市の鳥越製粉東京工場で、「星天会2023夏期講習会」を開催した。講師には、「ベーカリーハイジ」(千葉県白井市)の宮下真彦社長を迎えた。宮下社長は、ベーグル、コッペパン、ライ麦パンの3種類の生地から作る様々な製品の製造実演を行った。



ベーグル・クレセント
プレーンのベーグル
ブルーベリーとクリームチーズを使用したベーグル
クレセント
油で揚げてシナモンシュガーをまぶしたクレセント
クレセントの成形作業
成形が終わったら天板に並べてホイロへ(クレセント)
浸水種配合%
北の春(内麦粉) 40
豆乳 20
水 33


浸水種工程
ミキシング Lでだまがなくなるまで混ぜる
発酵 25度C6時間後5度Cで一晩冷蔵


本捏配合%
DC全粒粉 10
ミナミノチカラ 50
粗糖 8
塩 2
ホシノ酵母生種 10
セミドライイースト金 0.12
ショートニング 5
湯種 20
浸水種 93


本捏工程
ミキシング L5分H5分(縦型ミキサー)
捏上温度 21度C
フロアタイム 15度C15時間
分割 120グラム(分割後冷蔵)
成形 ベーグル形、クレセント形
ホイロ 30度C30分
焼成 ベーグルは、スチームコンベクションオーブンで3分後平窯で上火245度C下火220度C12分。クレセントは、スチームコンベクションオーブンで、200度C13分〜16分


 宮下真彦講師の話 ベーグルは、プレーンと、クリームチーズ20g、ブルーベリーの白ワイン漬け20グラムを入れたものを紹介。浸水種はベーグルの生地を仕込む前の日に作っておく。浸水種を使うと風味が出るし、次の日もおいしい。ベーグルの生地でクレセントも作る。クレセントをおいしく作るコツは生地を薄く巻き上げること。成形がポイントで、かなり難しい。朝分割機で分割して、冷凍庫で冷やし、シーターで伸ばす。その後また冷やして休ませ、成形の前にモルダーの逆回転で1ミリぐらいにのばす。こうして生地が戻らないようにしておかないとうまくいかない。グルテンが緩んでいない状態で成形すると窯で爆発してしまう。



コッペパン
チョコバナナ
パストラミサンド
BLTサンド
チョコバナナの仕上げ作業
コッペパンのデモンストレーションは、ベーカリーハイジの女性スタッフが行った
配合%
北の春(内麦粉) 50
夢の力(内麦粉) 30
RD全粒粉 10
北のめぐみ(内麦粉) 10
粗糖 10
塩 2
セミドライイースト金 0.16
ホシノ丹沢酵母生種 5
豆乳 20
水 46
ショートニング 10
湯種 10


工程
ミキシング L3分M5分MH1分30秒(ショートニング投入)M4分MH1分〜(縦型ミキサー)
捏上温度 22度C
フロアタイム 15度C14時間
分割 80グラム
ベンチタイム 30度Cで復温しながら40分
成形 コッペ形
ホイロ 38度C1時間20分
焼成 上火245度C下火220度C8分


 宮下真彦講師の話 平日で700個売れるが全部手成形でやっている。モルダーだとガスが抜けすぎてしまう。月曜は「コッペパンの日」と題してコッペパンをプロモーションしている。テーマは「衝撃を与えるコッペパン」だ。この講習会では「チョコバナナ」「パストラミコッぺ」「BLTサンド」を紹介する。「チョコバナナ」は、バナナ1本を入れる。以前はカットしてやっていたが、作業性の観点から1本入れることにした。見た目のインパクトも増した。さらに生クリームを絞って、クーベルチュールのチョコチップを飾る。「パストラミコッぺ」は、コッペパンを斜めに切って、断面にマーガリンを塗り、サニーレタスを挟む。さらにマヨネースを絞って、刻みのりをマヨネーズに付ける感じで散らす。そしてパストラミを30グラム挟んで、長ネギと豆板醤、胡麻油を和えたものをトッピング。最後に白ごまをかけて仕上げる。「BLTサンド」用のパンは、コッペパンの生地と同じだが、伸ばした後にバターを10グラム巻き込んで焼成し、塩を振ったものを使用。このパンを斜めにカットし、サニーレタスを端から端までくるように挟む。さらにブラックペーパーをかけて5分ぐらい焼いたベーコンを挟む。次にレタスをちぎってロール状にまるめて中に押し込むように挟み、粒マスタードとマヨネーズ、ケチャップ、カイエンペッパーを混ぜたソースを10gのせる。そしてトマトのスライスを2枚挟む。



高加水ライ麦パン
シラスフィリングを包んで焼成した製品
高加水ライ麦パンの生地でシラスフィリングを包む
フィグとザク切りニンニク炒めを包んだ製品(左)とフィグを包んて焼成した製品(右)
フィグの赤ワイン漬けとザク切りニンニク炒めを包んでU字形に成形
フィグの赤ワイン漬けをのせて包む
講習会では「ヴィエノワ」の製造実演も行われた
配合%
さちかおり 60
ヴァンガーラント 40
粗糖 3
シママース 2・1
ホシノ酵母生種 5
セミドライイースト赤 0.2
水 80
無塩バター 10


工程
ミキシング L2分(縦型ミキサー)
捏上温度 22度C
フロアタイム 30分(パンチ)1時間(パンチ)冷蔵4度C15時間〜(パンチ)1時間30分(生地温度18度C)
分割 100グラム
成形 シラスフィリングを20グラム包む
ホイロ 室温で30分
焼成 上火245度C下火220度C20分〜


 宮下真彦講師の話 このパンの開発に当たっては、ライ麦をいっぱい使いたかった。同時に食べやすくて売れるライ麦パンを作りたかった。そう考えたときに高加水でバター配合の生地ということになった。お酒と共に食べられるパンにもしたかった。しっとり口溶けのいい食感になった。生地はかなりやわらかい。パンチは切って折りたたむような感じで行う。この生地は何回パンチしてもまとまらない。家庭にないものや生活感のないものをパンの素材として使うと、比較的高い価格をつけやすいと思っている。お客様の価格の感覚がずれるので、しらすのバター炒めとかはいいんじゃないかと思う。普段やらない組み合わせや普段使わない食材というのは、高くても買ってしまう傾向があるということだ。ヴァンガーラントは、かなり目の細かいタイプのライ麦全粒粉だ。なぜ高加水かというと、しっかり焼いても口溶けのいいライ麦パンが作れるから。翌日でも柔らかい。焼成はベーキングシートを敷いて直焼き。

自分で発信するより、客に発信してもらった方がいい

 宮下真彦講師の話 購入金額が多いお客様の上位2割が売上の8割を買っているという説がある。自分の店のファンや信者を増やすことで、売上を伸ばすことができる。私はSNSで自分の顔を出し、お客様に好意的に認知してもらうことで、自分の店をお客様に紹介してもらうことを大事にしている。自分で発信するより、お客様に発信してもらった方がいい。自分で発信するときは宣伝にならないように注意している。消費者がお店を選ぶ時の判断材料が、今はインスタのハッシュタグやメンション、グーグルマップの点数や口コミ数などになっている。うちの場合もインスタのフォロワー数の増加に比例して売上が伸びているように思う。私はマインドマップが好きで、自分の頭の中を整理するのに使っている。例えば売上を伸ばすための施策ということを考えた場合に、売上を伸ばすといっても何をしていいかわからないので、売上は「客数×客単価」であることに着目してみる。そして「客数」を増やすにはどうしたらいいか、「客単価」を増やすにはどうしたらいいか、というように考えていく。

 星天会の星野修会長の挨拶 千葉県を代表するパン屋さんである「ベーカリーハイジ」の宮下真彦社長に講師をお願いしました。講習品目はかなり多く充実しています。製品の作り方のほかに、マネージメントについての色々なノウハウも提供して頂けるということです。

原価計算女王
原価計算女王

2023年11月18日から、発行から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文が公開される仕様になりました。

今月の公開記事

  1. POLINの高性能オーブンを日本市場へ 。450℃の焼成力と緻密なヒーター制御 - スズキ産業の下河拓磨社長
  2. 見やすい売り場と旬の味で、地域が誇れるベーカリーへ - アリマベーカリー
  3. 「ちいかわ」の世界観を表現したパンと店づくり - ちいかわベーカリー
  4. 掲載から1年を経過した記事は、会員の方以外にも全文を公開しています。
    ブランスリーアーカイブ
ブラ立ち読み
(記事の無料メール配信)
詳細はこちら