営利を追求する全ての組織で最優先されるべき数値は純益である - 私の販売集大成ノート(28) - ブランスリー電子版

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連載/2023年5月号

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営利を追求する全ての組織で最優先されるべき数値は純益である - 私の販売集大成ノート(28)
数値を細部にわたって分析することの大切さ

 1978年にポンパドウルに入社するまでの約10年間は映像関係の仕事に携わっていた。そこでは仕事の成果を直接数値で求められる事が無かっただけに、ポンパドウル入社当初は数値に慣れる事に苦労した。映像という感覚のみで支配される業界の判断と評価の基準は実に曖昧であったが、ポンパドウルでの日が経ち数値に慣れた頃には、数値で判断され評価される事は明快で公平性があると感じて受け入れていた。
 先輩から「組織には大きな枠や決まりがあるが、その中で数値を上げればどんなやり方をしても構わない」と言われた。「どの会社のどの社長にも通じるある共通点が一つだけある。分かるか」と質問された。先輩曰く「優れた業績を残し利益を出すことに貢献した人達だ。一人として例外はない」と教えられた。
 数値は行動の結果である。正しい数値は正しい実態を表す。数値が動いた時に何が起きているかを敏速により正しく把握する事を怠ってはならない。また数値を細部にわたって分析する事は、将来起こり得る事態の適切な対応策を示唆してくれる。

「そこまでやるか」と言いたくなるほどの徹底ぶり

 独立した者から「自分で店を持って感じた事だが、ポンパドウルに居た時に数値で鍛えられた事は苦しかったが、今は良かったと思う」との声を聞いた。「そこまでやるか」というのは、事務処理を含む数値管理をしながら呟いたマネージャー時代の私の独り言であるが、誰もが同じような気持ちだったと思える。 

POSシステムの導入が決まり動き始めた

 社内システムの大きな転換点となった事で、強く印象に残った事がある。課長になって間もない1980年代中頃の事、販売状況の情報を管理するPOS(販売時点情報管理)システムの導入が決まり動き始めた事である。
 導入に先だって課長間で本格的にPCを活用する動きが出た。十数名の課長の中で既に使い慣れていた者が講師役になって勉強会を開いた。私を含め何名かはスイッチの入れ方からのスタートであった。初期にはPCに対して若干の抵抗感があったが、回を重ねた結果、販売業務で使える最低限の事がマスター出来るようになった。以後課長や販売員のPCの普及は競い合うかの様に瞬く間に進んだ。

POSシステムに対する否定的な見方

POSシステムを本格的に始動するための全販売マネージャーを対象にした社内研修会を幾度となく実施した。数値で日々の販売状況を把握する事に不慣れなマネージャー達に、今販売はかつて経験したことのない転換点にいるという認識を持ってもらう必要があった。
 技術的な事よりも意識面の改革を優先したが、それにもかかわらず、システム導入は仕事を監視されることに繋がるという、我々の想像を超える捉え方をする否定的な見方が一部のマネージャーにあった。導入の真の目的を納得するまで説明する努力を重ねていれば、2名のマネージャーの退職はなかったかもしれない。

未知の世界が、目の前に広がっていた

 サーバーが本社ビルに設置された日のことは今でも覚えている。経験した事のない未知の世界が、今まさに目の前で粛々と進んでいるのを見た時、大きな期待と不安が交錯していた。新たな時代という大河の流れが始動していた。
 後にシステム管理課が新設され、単品管理により、売れ筋、死に筋商品が数値化され、説得力を持って販売課にデータが提示された。それは販売業務の一番大切な仕事であるオーダー作成の精度アップに大いに役立った。
 数値で販売状況の現状把握が出来る事で、マネージャー達も大きな手応えを感じ始めた。売上の増加だけでなく、廃棄ロスのコスト低減にも結び付き、利益貢献に繋がった。
 どんぶり勘定に近い過去の販売からの脱却は、日々確実な事実となっていった。

 望月 康男 販売アドバイザー。1946年神奈川県川崎市生まれ。東京都町田市在住。趣味は、ドライブ、登山、ビデオ撮影、映画鑑賞。1978年9月、株式会社ポンパドウル入社後、町田店、六本木店、伊勢佐木町店の販売マネージャー。1985年1月販売課長。1989年6月販売部長。1996年12月取締役販売促進部長。2001年10月取締役広報宣伝部長。2007年2月〜2010年1月顧問。全店の接客、品質、クレンリネス、品揃えの改善点をアドバイス。株式会社ポンパドウルの成長期、成熟期に販売関連業務に携わる。







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